2019年5月1日号 Last updated on April 15, 2019
特報
 イオンファンタジー通期決算、増収だが大幅減益。

 ラウンドワン、米国以外にも進出を検討。

海外
 混迷深める、イタリアのリデムブション容認運動。

 カリンファー/UNISの業務用「アタリ・ポン」発売。

国内
 「ウルトラツイスター」事故で、国交省審議会が調査報告。

 「メガドライブミニ」は9月、約7千円で発売に。


2019年5月1日号のニュースダイジェスト
  写真は米国AAMAとAMOAのアミューズメントエキスポ(AE)2019(3月26-28、ラスベガス)の、上はセガAM社の小間にあった「ATVスラム」、下は米国ロウスリルズ社の「NERF」(ナーフ)を試しているようす。AE19については次号報道予定。

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30年前の主なニュース

 任天堂は「テトリス」家庭用の世界的な独占権を正式に獲得した。米国フロリダのディズニーワールドに、テーマパーク「MGMスタジオ」がオープン。宝塚ファミリーランド内の「ヘルスセンター」が閉鎖に。アタリゲームズ社「ハードドライビン」がナムコ、セガ社の2社から発売。(1989年5月1日号)

40年前の主なニュース

 セガ社/エスコ貿易は新作展で「スペースアタック」と「ヘッドオン」の2ゲーム内蔵型「スペシャルデュアル」など披露した。米国ミッドウェー社はスペースインベーダーのカクテル型を展開した。キットエンターは占い機「アストロクラフト」を開発。IPMは本社移転を披露した。(1979年5月1日号)



【ニュースダイジェスト】

 .イオンファンタジーは4月10日、19年2月決算を発表、売上高は3%増の742億4千3百万円、経常利益は23%減の42億9千9百万円、最終利益は38%減の18億6千5百万円と増収だが大幅減益だった。期末の店舗数は日本が11増22減の448、海外は中国が33増16減の217、アセアンが35増16減の208で合計873店。日本国内は売上高が1%増の591億円だったが、利益は23%減の43億円と下げ、中国は売上高が7%増の96億円、利益が81%減の5千万円、アセアンは売上高が22%増の57億円、利益が447%増の2億円だった。20年2月期の売上高は780億円、経常利益は47億5千万円、最終利益は21億5千万円を見込んでいる。

 .国土交通省の社会資本整備審議会は3月27日、「ブラジリアンパーク鷲羽山ハイランド」(岡山県倉敷市)で発生した遊園施設の事故調査報告書を公表した。同遊園地にトーゴが製造施工した「ウルトラツイスター」(軌道389m、最高速度時速68.5km)の乗客が2017年8月12日、座席からはみ出しレールに接触、負傷したもの。トーゴ作成の取扱説明書に定めていた点検(週ごと、3ヵ月間ごと)を所有・管理者(鷲羽観光開発)が怠り、そのためハーネス(身体保持装置)が破損し、事故につながったとしている。再発防止策なども示した。

 .ラウンドワンは3月29日、米国以外にも海外市場進出を検討すべく、取り組むことを決めた。同社は10年8月に米国ロサンゼルスに海外1号店となるゲーム場とボウリング場を出店して以来、18年12月末までに米国のショッピングモールなどで28店を展開している。これは国内市場には限界があると見て、出店を控えているのに対し、米国での出店は好調なためだが、米国以外でも海外進出を検討することにしたもの。対象となる地域は、①ロシア、②中国、③その他アジア地域の3地域としている。

 .共和コーポレーションは4月1日、北海道でゲーム場などを運営するスガイディノス(本社札幌市中央区南3条西1丁目、三浦尚久社長)と業務提携したと発表した。両社は競合関係にあるが、それぞれの商圏が異なり、業務提携可能と判断したもの。ゲーム場の機械や景品の共同仕入やノウハウ提供など協力し合えると見ている。スガイディノスはSDエンターテイメントからゲーム場、ボウリング場、映画館の運営事業を分割して、18年12月に設立されたもので、全部で28店展開している。

 .セガゲームスは家庭用「メガドライブ」を手のひらサイズで復刻した「メガドライブミニ」を9月19日国内外で発売することになった。3月30日のセガファン向けイベント「セガフェス2019」で里見治紀会長が発表した。電源にUSBケーブル、映像出力にHDMIケーブル、そして原寸大の操作パッドを同梱する。ゲームソフトは「スペースハリアーⅡ」など40タイトル内蔵する(タイトルは日米欧版で異なる)。価格は6,980円(税別)、追加操作パッドは2,500円。

 .イタリアのゲーム機業界では近年、チケット・リデムプションの容認をめぐってオペレーターたちが合法化運動を繰り広げているが、取り締まり当局はむしろリデムプションの本質はゲーミング(賭博)と看破しているため、膠着状況が続いている――との状況が英国EAGに伴うセミナーで明らかとなった。もともと遊技機賭博が盛んなイタリアでは、フランスのように賭博機を全面的に禁止すればいいのにそれもできない。そこで一部地域でリデムブション仕様のスロットマシンなどを容認したら、それを隠れ蓑にゲーミング運営され、年少者まで巻き込む騒ぎに発展し、混乱しているというわけだ。

 .中国広東省中山市を拠点とする世宇科技(UNIS)はこのほど、業務用「アタリ・ポン」のテーブル型を出荷開始したと発表した。南米ウルグアイのカリンファー社が、TVゲームでなくエレメカ技術で「ポン」ゲームを楽しめるようにした、「アタリ・ポン」を17年秋までに開発し、製造・販売に関してはUNISと提携してきた。ゲーム場向け業務用の標準タイプはテーブル型で、リデムブション用チケット払い出し装置付きだが、払い出し装置付きでないスタンドアップ型もある。なお業務用以外に家庭用も用意されている。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2019