2017年6月1日号 Last updated on May 15, 2017
特報
 バンダイナムコ、セガサミーの3月決算、ともに増収で大幅増益。

 ラウンドワン、米国での出店に軸足、国内は減少。

海外
 ウィンリゾーツ、ラスベガスに「パラダイスパーク」建設を計画。

 米国ディズニー社の1-3月決算はテーマパークが牽引。

国内
 TDS「ニモ&フレンズ・シーライダー」がオープンした。

 エキスポシティの「ポケモンEXPOジム」9月で終了。
 

2017年6月1日号のニュースダイジェスト
 写真は米国ラスベガスのカジノホテル「ウイン・ラスベガス」(下)と計画されている「パラダイスパーク」の模型写真(上)。

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30年前の主なニュース

 セガ社は、フジサンケイグループのイベント「夢工場87」向けに、ラジコンカーを組み合わせたドライブゲームを開発中。政府・自民党が提出した「売上税」法案は国会で廃案になった。コナミは新作展でTVゲーム「コンバットスクール」を発表した。(1987年6月1日号)

40年前の主なニュース

 全日本遊園協会(JAA)のオペレーター部会、AM部会がそれぞれ総会を開き、課題を確認した。「全国シングルロケ協議会」(ASL)が発足、メダルの金品との交換禁止など自主規制を決めた。友栄が設立10周年を祝い合った。 (1977年6月1日号)



【ニユースダイジェスト】

 .バンダイナムコHDは5月10日、17年3月期決算を発表、売上高は8%増の6,200億6千百万円、経常利益は25%増の632億9千万円、最終利益は28%増の441億5千9百万円と増収で大幅増益だった。部門別でトイホビーの売上高は6%減の1,932億円、営業利益は34%減の109億円、ネットワークエンターテインメントの売上高は19%増の3,802億円、営業利益は85%増の442億円、映像音楽プロデュースの売上高は8%増の562億円、営業利益は15%増の134億円、その他の売上高は2%減の267億円、営業利益は38%減の7億円。業務用販売は301億円と景品253億円。ゲーム場は直営国内219店、海外36店で、既存店売上高は前年の106%。18年3月期は売上高6千億円、経常利益580億円、最終利益4百億円を見込んでいる。

 .セガサミーHDは5月12日、17年3月期決算を発表、売上高は5%増の3,669億3千9百万円、経常利益は74%増の285億4千2百万円、最終利益は414%増の276億7百万円と増収で大幅な増益だった。部門別で遊技機の売上高は5%増の1,482億円、営業利益は26%増の263億円、エンタテインメントコンテンツの売上高は8%増の2,057億円、営業利益は165%増の111億円、リゾートの売上高は21%減の130億円、営業損失は22億円(前年は18億円)。業務用機器の売上高は18%増の494億円、営業利益は増減なしの17億円、191店あるゲーム場の売上高は2%減の372億円、営業利益は22%増の22億円だった。18年3月期の業績は売上高3,800億円、経常利益160億円、最終利益110億円を見込んでいる。

 .タイトーの親会社、スクウェア・エニックスHDは5月11日、17年3月期決算を発表、売上高は20%増の2,568億2千4百万円、経常利益は23%増の311億2千8百万円、最終利益は1%増の200億3千9百万円と大幅増収増益だった。デンマークの開発子会社から徹退、減損損失49億円を特別損失に計上した。部門別でデジタルエンタテインメント(ゲームソフト)の売上高は25%増の1,990億円、アミューズメント(業務用とゲーム場)の売上高は4%増の427億円、営業利益は8%減の36億円、出版の売上高は1%増の100億円、営業利益は7%増の24億円、ライツ・プロパティの売上高は42%増の64億円、営業利益は42%増の21億円。2018年3月期は売上高2,400~2,600億円、経常利益250~300億円、最終利益165~195億円を見込んでいる。

 4
.コナミホールディングスは5月11日、17年3月期決算〔国際財務報告基準=IFRS〕を発表、売上高は8%減の2,299億2千2百万円、営業利益は47%増の363億5千9百万円、最終利益は147%増の259億5千百万円と、減収だが大幅増益だった。デジタルエンタテインメント(ゲームソフト)の売上高は8%減の1,055億円、営業利益は13%増の337億円、健康サービスの売上高は4%減の686億円、営業利益は57%増の42億円、ゲーミング機の売上高は9%減の312億円、営業利益は13%減の48億円、アミューズメント(業務用と射幸遊技機)の売上高は15%減の253億円、営業利益は11%増の52億円。業務用では「eアミューズメント」タイトルが安定稼働した。18年3月期は売上高2,450億円、営業利益400億円、最終利益270億円を予想している。

 .ラウンドワンは5月9日、17年3月期決算を発表、売上高は5%増の877億7千6百万円、経常利益は8%増の58億5千8百万円、最終利益は509%増の27億3千5百万円と増収増益になった。営業基盤拡大のため米国での出店に力を入れており、6店増の15店となり、国内では2増8減の107店となった。サービス別の売上高はボウリング場が0.5%減の229億円、ゲーム場が10.8%増の405億円、カラオケが3.3%増の91億円、スポッチャが0.8%増の122億円となった。ゲーム場ではコアプレイヤー向け最新ゲームや大型メダルゲームを導入した。18年3月期の業績予想は売上高922億円、経常利益67億円、最終利益36億円を予想している。

 .アドアーズは5月9日、17年3月期決算を発表、売上高は0.2%減の223億5千5百万円、経常利益は35%増の6億8千6百万円、最終利益は2億千万円(前年は12億4千百万円の赤字)と減収ながら黒字回復した。子会社ブレイクの売却に伴う特別利益を計上した。分野別ではゲーム場が4店減の47店で、売上高が10%減の133億円、営業利益が6%増の7億円、不動産の売上高が9%増の67億円、営業利益が10%増の5億円、商業施設の売上高が186%増の21億円、営業利益が1127%増の1億円など。事業強化のため持株会社制へ移行を計画しており、10月1日以降は持株会社の子会社がゲーム場を運営することになる。18年3月期の売上高は200億円、経常利益は7億5千万円、最終利益は4億5千万円と予想している。

 .米国ウォルトディズニー社は5月9日、第2・四半期(1-3月)決算を発表、売上高は3%増の133億3千6百万ドル、純利益は11%増の23億8千8百万ドルと好調だった。部門別でケーブルTVのメディアネットワークの売上高は3%増の59億ドル、営業利益は3%減の22億ドルにとどまったが、パークス&リゾーツ(テーマパーク)の売上高は9%増の42億ドル、営業利益は20%増の7億5千万ドルと急伸した。映画制作のスタジオエンタテインメントの売上高は1%減の20億ドル、営業利益は21%増の6億ドル、消費者向け製品の売上高は11%減の10億ドル、営業利益は3%増の3億ドルだった。中国・上海のディズニーランド開業や、米国内のテーマパークの客単価上昇などが貢献した。

 .オリエンタルランドは5月8日、東京ディズニーシー(TDS)の「ストームライダー」跡地に建設中だった新アトラクション「ニモ&フレンズ・シーライダー」が完成、12日から一般公開することを明らかにした。ディズニー映画「ファインディング・ニモ」と「同・ドリー」に基づくもので、TDSでは2年ぶりの新規アトラクションとなる。このアトラクションは乗客が魚と同じ大きさに縮小する、という設定の大きな「潜水艇」に乗り込み(定員122人)、巨大スクリーンの映像と合わせ座席が動き、海底冒険の気分を味わうことができる。1回約5分間。潜水艇は2台あり、1回に搭乗できる人数は244人と多く、これによりアトラクションの魅力とともに、客の混雑感を解消し、満足度向上につなげるとしている。総投資額は約50億円。

 .米国ウィンリゾーツ社のスティーブ・ウィン会長兼CEOは4月25日、第1・四半期(1-3月)決算発表と同時に、8~15万㎡に及ぶアトラクション「パラダイスパーク」建設計画を明らかにした。それによると、新たなカジノの増設ではなく既存のカジノホテル「ウィン」、「アンコール」と大通りに隣接する、巨大な人工の干潟と海岸を実現する「クリスタル・ラグーン」で、5億ドル規模の計画となる。コンベンション用施設は「パラダイスパーク」と呼ばれる。人気のあるゴルフコース「ウィン・ゴルフ・クラブ」の一部ないし全部が、この計画のため変更を余儀なくされる。同社は「パラダイスパーク」について、16年4月に計画の一端に触れていたが、今回取締役会で承認された。17年末か18年初めに着工、19年上旬に完成する予定。

 10.複合施設「エキスポシティ」(大阪府吹田市)にあるアトラクションのひとつ、「ポケモンEXPOジム」が業績不振のため、9月24日までで営業を終えることが決まった。跡地の利用法は未定。「ピカチュウ」などおなじみのポケットモンスターが登場するアトラクションで、遊びと教育を組み合わせた施設として15年11月に開業。16年7月からはスマホゲーム「ポケモンGO」の後押しもあり、運営会社サノヤス・インタラクションズの親会社、サノヤスホールディングスも「ボケノミクス」相場の一角を占めているとされたが、来場者が目標の半分にも達せず、2年足らずで幕を閉じることになった。4月28日、サノヤスはこの固定資産の減損など15億円以上の特別損失を計上、最終損益は24億円の赤字に転落する見通しになった。

 11.米国東海岸のマサチューセッツ州ノース・アンドーバーに本社のある「フォースター・ベンディング」というオペレーター会社が、同州とニューヨーク州にある酒場や社交クラブで違法な賭博機を運営した容疑で摘発、起訴されたことが分かった。ビル&ボニー・モーリー夫妻が経営するフォースター社は州の大陪審によって3月27日に起訴され、5月2日に行われた罪状認否で無罪を主張、保証金を支払って釈放されたが、6月5日には公判前手続きに出頭しなければならないことになっている。同社のリチャード・カルフーンら2名の幹部従業員も同様に起訴された。州司法省のモーラ・ヒーリー長官は、「州警察が成果を上げた取り締まりで、(TVスロットマシンなど)200台もの賭博機を摘発、140万ドルものマネーロンダリングを立件できた」と語っている。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2017