2017年2月15日号 Last updated on February 1, 2017
特報
 ナムコ創業者の中村雅哉氏、91歳で死去した。

 英国EAG2017で、米国ロースリルズ社製品など紹介。

海外
 「ジョイポリス」は香港系「CAセガジョイポリス」経営に。

 「マービン博物館」を作ったヤーゴダ氏が死去。

国内
 OLCの9ヵ月決算、経常利益0.2%減に。

 ユニバーサルエンター、3月期予想を上方修正。


2017年2月15日号のニュースダイジェスト
 写真は近年の中村雅哉氏。下は米国AMOAエキスポ1983のナムコアメリカ社の小間を訪れた、元アタリ社社長のノーラン・ブッシュネル氏(左、当時センテ社会長)とナムコ社長の中村雅哉氏(シカゴ、83年10月)。


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30年前の主なニュース

 米国ディズニーランドにアトラクション「スターツアーズ」がオープンした。第2回AOUエキスポに45社が出展を申し込んだ。データイーストは米国にフリッパー部門を設立した。データイーストは新作展を開き、「カルノフ」を披露した。(1987年2月15日号)

40年前の主なニュース

 英国ロンドンのATEで、米国アタリ社の電子フリッパー「アタリアンズ」が披露された。JOU共催による初のATE視察ツアーが実施された。シカゴ市もフリッパーピンボールを解禁した。ダックス貿易が2回目不渡りを出し、倒産した。(1977年2月15日号)



【ニユースダイジェスト】

 1.中村雅哉氏(なかむら・まさや=バンダイナムコエンターテインメントおよびナムコ名誉相談役)が1月22日午前3時42分に死去した。91歳。通夜及び告別式は近親者で行った。後日「お別れの会」を行う予定。30日公式サイトで発表された。1948年横浜工業専門学校(現横浜国立大学)造船科卒。55年に有限会社中村製作所設立、社長に。77年株式会社ナムコに改称。02年会長。05年バンダイと経営統合してバンダイナムコホールディングス最高顧問。06年4月バンダイナムコゲームス(旧ナムコ)会長兼新ナムコ会長。同6月から現職。中村製作所が横浜・伊勢佐木町の百貨店「松屋」(当時)の屋上に電動木馬2台を設置営業したのを振り出しに、日本のAMマシンのメーカー、オペレーターとして発展、特にビデオゲームの著作権を軸に法的保護を確立、産業として発達した中核企業のひとつとなった。そのため業界団体でも指導力を発揮した(現日本アミューズメントマシン協会最高顧問)。

 .欧州最大のAMゲーム機/遊技機展である、英国EAG17(1月17-19日、BACTA主催、エクセル展示場)では、英国のディストリビューターと並んで、英国のバンダイナムコ・アミューズメンツ・ヨーロッパ社とセガ・アミューズメンツ・インターナショナル社が例年通りそれぞれ自社製品を中心に出展、また前者は米国プレイメカニックス/ロースリルズ社製品も、後者は米国ICE社、バロン社製品などを出品した。伝統あるATEIは10年までに消滅、代わって発足したものだが、これも縮小傾向にあり、15年以来アトラクション施設展「VAE」を併設し、やっと展示規模を保っている状態で、登録入場者数の発表は14年までしか行われていない。しかし、欧州、中東、アフリカなど広範囲の市場をカバーする業務用展示会はこれしかなく、重要な展示会である点に変わりはない。

 .〔英国EAG2017の続き〕バンダイナムコグループの小間では、「ワールド・ラージェスト・パックマン」、「同・ギャラガ」などのほか、ロースリルズ社の「スペースインベーダー・フレンジ」、ガンゲーム「ジ・ウォーキング・デッド」、カーレースの「クルージン・ブラスト」などが注目された。セガサミーグループの小間ではシリーズ3作目の「デイトナ・チャンピオンシップUSA」、「レッツ・ゴー・サファリ」などが注目された。台湾のインジョイ・ルーション社、ロースリルズ社、スペキュラー・インタラクティブ社が協力した「スプラッシュ」も注目されている。フリッパーは、スターン社の新作「エアロスミス」のほか、「ゴーストバスターズ」、「バットマン66」が展示され、英国のハイウェイピンボール社は「エイリアン」を紹介した。

 .任天堂は1月13日、新型コンソール「スイッチ」を3月3日小売価格2万9,980円(税別)で発売すると、一般プレイヤー向け体験会「スイッチプレゼンテーション2017」(14-15日、東京ビッグサイト)で発表した。米国、欧州、香港などとの同時発売で、米国での価格は約300ドル。コンソールでは12年12月発売の「Wii U」以来の新製品となる。「スイッチ」は専用スタンド「ドック」を用いてコンソール型として楽しめるだけでなく、タブレット端末型の本体(6.2インチ液晶画面)を持ち出し、携帯型としても楽しめるのが特徴。コントローラー「ジョイコン」には手にさまざまな感触を伝える「HD振動」という新機能付きで、細かい臨場感を表現できる。本体と同時発売となるゲームソフトは「ゼルダの伝説」の最新作「同ブレス・オブ・ザ・ワイルド」などと、50社以上のサードパーティーによる新作を予定している。

 .「東京ジョイポリス」と「梅田ジョイポリス」を運営してきた「セガ・ライブクリエイション」の株式の85.1%は1月1日付で、香港企業のチャイナ・テーマパーク社(チャイナ・アニメーション・キャラクター社の100%子会社。本社英領ヴァージン諸島)に売却され、社名も「CAセガジョイポリス」(本社東京都品川区、吉本武社長)と変更した。これに伴い、セガ社は「CAセガジョイポリス」の株式を14.9%しか持たず、親会社でなくなった。チャイナ・アニメーション・キャラクター・グループは、「上海ジョイポリス」のライセンス先で、本社はケイマン諸島。15年7月開設された、海外初のジョイポリス、中国「青島ジョイポリス」は、「CAセガジョイポリス」が引き継いでいる。なお、横浜と大阪での「オービィ」事業は「セガ・ライブクリエイション」から分割され1月1日付で、セガホールディングスに移管されている。

 .東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド(OLC)は1月30日、第3・四半期までの9ヵ月(4-12月)決算を発表、売上高は前年同期比2%増の3,605億6千8百万円、経常利益は0.2%減の935億2千8百万円、純利益は3%増の653億千9百万円だった。部門別では、テーマパークの売上高が2%増の2,976億円(億未満切り捨て)、営業利益が0.5%減の779億円、ホテルの売上高が4%増の499億円、営業利益が1%増の119億円、イクスピアリその他の売上高が3%減の130億円、営業利益が15%増の20億円。入園者数は悪天候の影響でわずかに下回ったが、3年連続の値上げ効果もあり、1人当たり売上高は上回った。冬場は閑散期だが、今年はてこ入れを図っているので、通期(17年3月期)の業績予想は据え置いた。

 .ユニバーサルエンターテインメントは1月23日、17年3月期の連結業績予想を、売上高1,200億円、経常利益300億円、最終利益200億円に上方修正したと発表した。昨年5月の前回予想では売上高1,100億円、経常利益168億円、最終利益92億円を見込んでいた。同社の説明によると、今期市場投入した新機種の販売が好調に推移していること、高度構造化のための技術革新により効率的な開発・製造プロセスを実現したことにより、開発費の削減、製造コストの低減が順調に進んだ結果、第3・四半期までに売上高900億円、営業利益は270億円を達成する見込みだとしている。12月21日にソフトオープンしたフィリピンのカジノ「オカダマニラ」とそれに伴う事業について、同社連結決算は海外子会社を「4半期ずれ」で連結しているので、18年3月期から含まれると説明している。

 .エスケイジャパンは1月13日、第3・四半期までの9ヵ月(3-11月)決算を発表、売上高は13%減の34億4千9百万円、経常利益は64%増の1億4千6百万円、純利益は9%増の1億2千9百万円と減収増益だった。商品部門別では、メインのキャラクターエンターテインメントの売上高が、セールスプロモーション部門の大幅縮小により、8%減の21億8千百万円と後退したが、営業利益は321%増の1億5千9百万円と改善した。キャラクター・ファンシー部門の売上高は20%減の12億6千7百万円で、営業損失は千5百万円(前年同期は2億4千万円の利益)だった。17年2月期の業績予想は売上高のみ45億円(8月の前回予想では52億3千万円)と下方修正し、経常利益7千6百万円、当期利益2億7千7百万円は据え置いた。

 .昨年新しいバーチャルリアリティ(VR)システムの開発会社、「モーダルVR社」の共同設立者になって話題になった、ノーラン・ブッシュネル氏が今年に入って、自動車運転を可能にするロボット工学の会社、「バローネ・ロボティックス社」の取締役になってまた注目されている。ブッシュネル氏は1972年にアタリ社を創設、「ポン」などによってTVゲームの可能性を世界に広めたことで知られており、また「ニューズウィーク」誌の「米国を変えた50人の男」の一人として、数多くのベンチャービジネスを生み出して評価されている。バローネ・ロボティックス社の設立者でCEOのポール・バローネ氏は1月17日、1980年代のブッシュネル氏のベンチャーのひとつ、「アンドロボット社」では技術がアイデアに追い付かなかったため解決できなかったことが、今では可能になっており、ブッシュネルの新発想に期待している、と歓迎している。

 10.ピンボールなど、珍しくて古い硬貨作動式娯楽機械を集めた、米国の「マービンの不思議なメカニカル博物館」(ミシガン州デトロイト郊外)を作ったマービン・ヤーゴダ氏(78歳)が、1月8日に死去した。ヤーゴダ氏は50年間、薬剤師として働きながら、1960年に最初の機械を手に入れて以来、次々とアンチークのコインマシンを収集、1990年にこの博物館をオープンした。博物館は屋根付きの510㎡の建物に何千台もの変わった自動販売機、占い機、自動サービス機、乗物機、ゲーム機の実物をポスターなどの資料とともに、多くは使用可能な状態で陳列するもので、現在は息子のジェレミー・ヤーゴダ氏が経営。珍しい博物館としていくつかのガイドブックにも掲載されている。マービン・ヤーゴダ氏はこれらの機械について豊かな知識を持っていたことから、テレビ番組で古い機械の鑑定人にもなっていた。

 11.パチンコ・パチスロ遊技機店の99%が加入する協会、「全日本遊技事業協同組合連合会」(全日遊連)はこのほど、16年12月19日の集計結果として、11月末現在全国のパチンコ・パチスロ遊技店が、前月比28店減の9,993店と、1万店の大台を割ったことを明らかにした。パチンコ遊技機の設置台数は257万0292台、パチスロ機は152万5852台、その他を含めた合計台数は409万6247台だった。警察庁調べの店舗数、設置台数は数ヵ月後に発表されるが、15年末にはパチンコ店1万319店、パチスロ専業店991店の計1万1310店だったので、16年末には1万店割れか、それに近い結果になると予想されている。過去を振り返れば、最盛期の1995年に1万8200店あった遊技機店は、20年間で45%も減少、設置台数でも、パチンコ機が300万台割れし、パチスロ機も50万台減少となっている。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2017