2016年1月1日号 Last updated on December 15, 2015
特報
 セガサミーは通期業績予想を大幅に下方修正した。

 写真シール機のフリューの株式が上場される。

海外
 米国IAAPAショー2015、過去2番目の規模に。

 テニアン島のダイナスティカジノに近く再開の可能性。

国内
 楽天「コポスタ宮城」の外野席に観覧車を計画。

 東亜セイコー創業者、斉藤豊氏が87歳で死去。


2016年1月1日号のニュースダイジェスト
 写真はIAAPAエキスポ15(11月17-20日、オーランド)にて、上はセガ・アミューズメンツ・インターナショナル社の小間で「マリオ&ソニック・リオ・オリンピックゲームス・アーケード」、下はバンダイナムコ・アミューズメント・アメリカ社の小間で、「世界最大のパックマン&フレンドゲーム」など。
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30年前の主なニュース

 JAMMAはTVゲーム基板の統一規格を制定した。トーゴ「ウルトラツイスター」の米国輸出が決まった。米国バリー社が、ラスベガスのMGMグランドホテル取得で合意した。コナミが新作展で「ファイナライザ―」を披露した。(1986年1月1日号)

40年前の主なニュース

 第8回日本ルーレット競技大会で、佐藤晴行氏が優勝した。12月中旬、たばこの値上げに伴い、風俗営業の遊技場ではその手続きに大わらわだった。アレンジボールのメーカー、さとみの里見治夫氏は会長に、里見治氏は社長になった。(1976年1月1日号)



【ニユースダイジェスト】

 1.米国IAAPAエキスポ15(11月17-20日、オーランド)には、1,066社(前年は1,004社)が屋内・屋外の55万8千平方フィート以上に出展、過去2番目の規模を記録、これに120ヵ国から21,200人(19,400人)のバイヤー(購入決定権者)を含む32,900人(30,500人)の登録事業者が訪れた。米国の家庭用「E3」や業務用アミューズメントエキスポと同様、登録手続きをした業者でない一般客は入場できない「トレードオンリー」のショー。会場はオレンジカウンティ・コンベンションセンターで、大きく遊園施設、ハイテク、硬貨作動式などのグループに分けて配置した。日系出展社はフリュー以外いずれも大きな小間を使って継続出展し、米国S&S/三精テクノロジーズは大型の遊園施設、BLDオリエンタルは室内遊具「遊キッズ」、フリューは米国向け「プリブース」、ピア21は造形遊具を紹介。米国バンダイナムコ・アミューズメント・アメリカ社と、英国セガ・アミューズメンツ・インターナョナル社は最新の業務用ゲーム機を披露した。

 .【米国IAAPAエキスポ2015の続き】出品されたゲーム機は数多く、主なところではバンダイナムコが「スターウォーズ・バトルポット」のフラット液晶版、「タイムクライシス5」、「ポイントブランクX」、ロウスリルズ社製「世界最大のパックマン&フレンドゲーム」、同「ギャラガ・アサルト・アーケード」、同「モトGPアーケード」などを出品。セガアミューズメンツは「ソニック・ダッシュ・エクストリーム」、「マリオ&ソニック・リオ・オリンピックゲームス・アーケード」、「ルイージマンション・アーケード」、「ストームレーサーG」DXなど出品した。中国のUNIS(世宇)はモーションシアター「ギャラクティック・フォース6D」、米国のインクレディブル・テクノロジーズ社は「ティクル・モンスター」、バレー/ダイナモ社は「ブラックホール」テーブルをそれぞれ披露した。カナダのトリオテック社はダークライドなどでの手ぶり操作技術「マエストロ」を発表した。

 .セガサミーホールディングスは12月4日、主として遊技機事業の調整のため、16年3月期業績予想を大幅に下方修正した。通期業績予想は売上高が3,550億円(5月の前回予想では4,200億円)、経常利益が90億円(250億円)、最終利益が20億円(190億円)となった。部門別では、遊技機の売上高が1,330億円(1,670億円)、営業利益が165億円(230億円)、エンタテインメントコンテンツの売上高が2,055億円(2,350億円)、営業利益が20億円(115億円)、リゾートの売上高が165億円(180億円)、営業損失が28億円(35億円)になると見ている。遊技機は大型タイトルが堅調だが、新規タイトルが低調なうえ自主規制が影響し、前回予想を大きく下回る見込み。エンタテインメントコンテンツは国内の競争激化により開発期間が長期化するため同様に下回るほか、アミューズメント機器で主力タイトルの投入時期が予定より遅延する見込み、としている。

 .フリュー㈱(東京都渋谷区鶯谷町、田坂吉朗社長)の株式が12月18日、東京証券取引所第1部に上場されることになった。97年にオムロン新事業開発センターの「コロンブスプロジェクト」を発足させ、98年プリントシール機、01年携帯コンテンツ、02年プライズ各事業に参入、03年完全子会社のオムロンエンタテインメントを設立、全事業を継承。05年4月にマネジメントバイアウト(MOB)を実施した。15年3月期の売上高は4%減の239億円、経常利益は7%減の32億円、最終利益は7%減の19億円。うちプリントシール機の売上高は4%減の94億円、営業利益は30%減の12億円、ネット上のコンテンツ・メディアの売上高は6%増の71億円、営業利益は7%増の40億円、景品などマーチャンダイジングの売上高は22%減の71億円、営業利益は78%減の7千万円、家庭用ゲーム事業の売上高は49%増の16億円、営業損失は7億円など。上場時の発行済み株式は943万2千株で、73万2千株を公募する。

 .ジョージ・ルーカス監督の新作映画「スターウォーズ/フォースの覚醒」の世界同時(12月18日)公開とともに、ディズニーの映像シミュレーター「スターツアーズ」も新作に切り替わり、「スターツアーズ・ジ・アドベンチャー・コンティニー」として公開されることになった。新作は従来の2Dと異なり3D映像で、映画の一シーンを再現、これに合わせて座席部分が動くもの。米国ウォルトディズニー社は12年に、ルーカスフィルム社と「スターウォーズ」の権利を取得している。アナハイムのディズニーランドでは11月16日からイベント「シーズン・オブ・フォース」が開始され、ディズニーワールド(フロリダ)の「ハリウッドスタジオ」(旧MGMスタジオ)の中の「アニメーション・コーティヤード」には、新アトラクションを含む「スターウォーズ・ラウンチベイ」が完成するなど準備が進んでいる。東京ディズニーランドでは14年7月から「スターツアーズ・ジ・アドベンチャー・コンティニー」となっており、16年2-9月の間スペシャルバージョンが公開される予定。

 .ナムコは12月4日、米国フロリダ生まれのカジュアルダイニング&スポーツバーの「フーターズ」を日本で展開するエッチジェー(東京都新宿区)と新業態施設で協業、「ゲーミングバー・サイドビー」を12月18日、「フーターズシブヤ」(渋谷区道玄坂4丁目)内にオープンすると発表した。「フーターズシブヤ」は名物メニューの「チキンウィング」を始めとするアメリカンフードやドリンクを提供するダイニングゾーンと、ニューヨークのダウンタウンをイメージしたエンタテインメントゾーン「ゲーミングバー・サイドビー」との構成となり、スポーツを観戦しながら飲食するだけでなく、「フーターズガール」のダンスやトークを楽しみながら、各種スポーツゲームでスポーツ体験をすることができるという。営業時間は17-23時半で、金曜が28時まで、土曜が12-28時、日曜祝祭日が12-23時半。30分遊び+飲み放題1,500円、以毎30分ごとに500円。

 .プロ野球の楽天は11月20日、本拠地・「コポスタ宮城」スタジアムの改修計画を発表、「ボールパーク」構想の一環として、外野席に日本の球場では初の観覧車を設けるなど、球場全体を楽しめるようにすることを明らかにした。「ボールパーク」は野球場を意味する英語で、この構想にはグランドを人工芝から天然芝に張り替えること、スコアボードを全面LED化して映像も楽しめるようにすることなども含まれている。その外野席(通称[楽天山パーク])がこのほど、文字どおり「バーク・イン・パーク」として公園化され、公園の中に高さ36m、4人乗りのゴンドラ16台がゆっくりと回転する観覧車が設けられることになった。試合中も観戦できるとされるこの観覧車は、早ければ16年5月に完成する予定で、その命名権(期間は2年以上)が12月25日締切りで公募されている。プロ野球の経営に、アトラクション、ランドマークとして観覧車を導入する必要が出てきた、として注目されている。

 .米国自治連邦区の北マリアナ諸島連邦(CNMI)で最大の島、サイパン島のデューティフリーショップ(DFS)の1階「Tギャラリー」に出来た臨時カジノは、7月27日のソフトオープンから4ヵ月間で15億3千万ドルものビジネスをもたらしたことが分かった。運営するベストサンシャイン社の親会社、香港のインペリアル・パシフィック社が香港証券取引所(HKE)に提出した報告書で判明した。このカジノでは11月1日からVIP客用カジノを設けたとしている。一方、隣の島に古くからあるテニアン・ダイナスティカジノは規則違反が発覚したため、一時的差し止め命令により8月14日以来閉鎖されてきたが、近く(早ければ12月15日にも)再開される見通しになった。ただし再開するには、賭博取締局のテニアン・カジノ・ゲーミング・コントロール・コミッション(TCGCC)が提示している、収支・費用などの公開を含む「9項目の条件」を守る必要があるが、カジノ側はまだ再開の見通しを発表していない。

 .TVゲームソフトメーカーになった東亜セイコーと、開発部門のトーセを設立した斉藤豊氏(さいとう・ゆたか=元トーセ会長)が病気のため12月1日死去した。87歳。京都府大山崎町出身。葬儀・告別式は近親者で済ませた。トーセ、東亜セイコーの合同社葬は1月20日、京都市南区西九条池ノ内町の公益社南ブライトホールで行う予定。喪主は長男でトーセ会長兼CEOの茂(しげる)氏。1952年に大山崎町で精工電機を創業、59年に精工電機製作所(現東亜セイコー)設立。79年にゲーソフト開発部門を分離、トーセを設立した。トーセは80年業務用の新日本企画「サスケvsコマンダー」、81年「ヴァンガード」を下請けとして開発した。84年から家庭用ゲームソフト開発に参入。99年に大証第2部に株式上場、00年東証2部、01年東証1部と大証1部に指定替えになった。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2015