2015年6月15日号 Last updated on June 1, 2015
特報
 タイトー、電子マネーによる料金引き落としを直営店で順次開始。

 ユニバーサル、提携解消したセンチュリー社と和解成立。

海外
 GTI台北2015は縮小したが、「博奕特区」を導入して、前進。

 ユニバーサル、フィリピンの「イーグルⅡ」を売却と発表。

国内
 バンダイナムコ、個人向けに「スターウォーズ・バトルポッド」販売開始。

 「TDS」で「ストームライダー」跡地に新アトラクションを建設。


2015年6月15日号のニュースダイジェスト
 写真は台湾GTI2015の、2つあるパンアジア・アミューズメント社(泛亞育樂)の小間で、上は「タイムクライシス5」を試しているようす。下は「ジュラシックパーク・アーケード」などを展示する奥の小間のようす。


30年前の主なニュース

 タイトーは新作展を開催、「ワイバーンF-O」など披露した。アイレム販売の高嶋由行社長は、ナナオとの資本関係を説明した。ナムコの営業本部ビルが完成した。甲陽産業の八木博社長(元サービスゲーム)が死去した。(1985年6月15日号)

40年前の主なニュース

 全日本遊園協会(JAA)は前年開催されなかった、第13回AMショーの日程を10月8-10日と決めた。JOUの組合員アンケートの結果、最も稼ぐゲームはタイトー「スピードレース」だった。ダイヤ商事が倒産した。(1975年6月15日号)



【ニユースダイジェスト】


 .台湾「GTI2015」(5月7-9日、台北)には約60社が400小間に出展、中国を含めた東南アジア向けに、主に台湾製の業務用AM機とゲーミング機を紹介した。このショーは93年9月、台中市で開かれた「TAE」を元に(95年は開催せず)毎年台北で開かれてきたもの。最近は05年(115社、935小間)をピークに縮小傾向が続いているが、ショー運営自体は華やかで、国際化も進み、レベルアップしている(数年前まではチラシも用意されていなかったが、完備するようになった)。今回はスロットマシンなどゲーミング機の展示小間をまとめて「ゲーミングゾーン」(博奕特区)とし、18歳未満の者の入場を禁止したのも国際基準にかなうとして評価される。セガ社は世雅アミューズメント台湾を通じてゲーム場運営、ゲーム機販売をしているが、前回から出展せず、また続けて出展してきたバンダイナムコエンターテインメントも今回は出展しなかった(ただし製品は、現地業者から出品された)。なお中国・広州市で開かれるGTIチャイナ(8月)も注目される。

 .【台湾GTI2015の続き】パンアジア・アミューズメント社(泛亞育樂)はバンダイナムコエンターテインメントの「タイムクライシス5」、バンダイナムコが扱う米国ロースリルズ社の「ジュラシックパーク・アーケード」モーションキャビネット版などを出品。中国のワーラップ(華立科技)と連携する、台湾最大手のIGS社(鈊象電子)は、「モンスターアイ」駆動キャビネット、音楽ゲーム「ダンスベース」(舞力特区)など紹介した。サンファン(尚芳国際興業)はコナミの「シャドウプリンセス」など、インジョイ・モーション社(領航數位)は可動キャビネットの戦闘ゲーム機「アライド・タンク・アタック」など紹介した。TVゲームではゼロプラス社(孕龍科技)「プリンキングアップ」が注目された。しかし、概してアミューズメントのゲーム機で目新しいものは少なかった。乗物機は昨年来ヒットを続けているIGS社「ゴーゴーポニー」の後を追って、さまざまな定置型乗物機が出品された。

 .ユニバーサルグループとフィリピンの不動産大手の「センチュリー・プロパティーズ・グループ社」(CPG)は5月14日、資本・業務提携をめぐる争いを解消することで双方が和解した、と共同発表した。ユニバーサルエンターテインメントは、マニラ湾に面した「エンタテインメントシティー」に巨大カジノ・リゾート「マニラベイ・リゾーツ」を建築中で、当初これはユニバーサルが100%所有する計画だったが、外資はフィリピンの土地を40%を超えて所有できないことが分かり、現地資本との提携を模索してきた。まずフィリピンのロビンソン社、エンパイヤ社、センチュリー社とそれぞれいったんは提携したが、いずれも提携を解消してきた。最後に解消したCPG社とは13年に提携したが、14年にユニバーサルから提携を解消したため、CPG社が訴訟に持ち込み、さらに香港国際仲裁センター(HKIA)に仲裁を申請していた。今回の提携解消の和解合意に際して、和解金などの支払いはないもよう。

 .ユニバーサルエンターテインメントは5月15日、15年3月期決算を発表、売上高は1.5%増の880億8千5百万円、経常利益は7%減の220億5千5百万円、最終利益は8%増の101億7千3百万円だった。部門別で遊技機の売上高は1.5%増の84億円、営業利益は1%増の358億円、その他の売上高は0.4%増の33億円、営業損失は31億円(前年は23億円の損失)だった。同社はまた、ユニバーサルグループで、フィリピンの土地所有会社である「イーグルⅡホールディングス社」の株式の40%を、「オールシーズンズ・ホテル&リゾーツ社」(ASHR)に1億3千万ペソで譲渡、その手続きが1月8日付で完了したことがこのほど判明した、と5月15日に発表した。残り60%はコッパースターズ社が所有しており、ASHRはユニバーサルと資本・取引・人的関係はないという。その結果、3月末でイーグルⅡは連結子会社でなくなり、イーグルⅡが60%所有するイーグル1も連結子会社から持ち分法適用会社に変わったとしている。

 .タイトーは5月22日、複数の電子マネーに対応予定の決済端末の同社直営ゲーム場への導入を開始、その一号店である「タイトーステーション・アリオ蘇我店」で、5月29日から電子マネーによるゲーム料金引き落としを実施することを明らかにした。同社は2月に、マルチ電子マネーに対応する決済端末を開発中と発表しており、同店では電子マネー「nanaco」に対応する端末180台を、(メダルゲーム機とパンチングゲーム機を除く)ほぼすべてのゲーム機に取りつけて導入。さらに順次、他の電子マネーも導入するとしている。同店以降は、6月に「タイトーステーション・イオンモール明和店」(WAON対応)、「同・アリオ八尾店」(nanaco対応)で導入、実施。7月に都内の店舗に導入する予定で、16年3月までに40店で導入実施する予定。タイトーはこれを機に電子マネー導入店で、「nanaco」の「7&I」にちなんで、特定ゲームで1プレイ7円、2プレイ11円でゲームができるなどのキャンペーンを実施する。

 .バンダイナムコエンターテインメントは5月26日、業務用ドームスクリーン型シューティングゲーム機「スターウォーズ・バトルポッド」(1人用)の個人向け販売を、国内と欧米で開始することを決めたと発表した。同機は1月以来米欧で、また国内では4月から出荷され、それぞれゲーム場で人気を集めているが、自宅などで楽しみたいという熱心なプレイヤー向けにも販売することにしたもの。個人オーナー向け販売は米国のフリッパーなどに例があるが、日本では初めて。販売価格は税込みで456万円(送料、設置費用、保守費込み)。6月18日から受注を開始、7月に順次届ける予定。ステージ追加などアップデートも予定している。なお、これよりもっと豪華な「スターウォーズ・バトルポッド・プレミアム・エディション」も7月以降、完全受注生産で個人販売する予定。「反乱軍」、「ダースベイダー」の2バージョンあり、販売価格は1,200万円を予定している。ただし、販売方法・時期は未定。

 .オリエンタルランド(OLC)は5月19日、東京ディズニーシー(TDS)にディズニー/ピクサーの映画「ファインディング・ニモ」と「ファインディング・ドリー」(16年7月に公開予定)に基づく新しいアトラクションを導入、17年春にオープンすると発表した。導入するアトラクションは屋内型で、「ファインディング・ニモ」シリーズの映像とライドシステムの動きを組み合わせたもので、海底の世界を体験できる。魚サイズに縮小できる潜水艦に乗り込んだ客が、ニモやドリーたちと同じ視点で広い海の世界を冒険する、というストーリーで進み、途中で出会う海の仲間たちは体験のたびに異なるとしている。メインショーは約5分間。アニメーション映像と座席が連動する、122人収容のシアターを2つ設ける。総投資額は約50億円。身長、年齢制限あり。この新アトラクション導入のため、これまであった「ストームライダー」を16年5月中旬に閉鎖、その跡地に作る。

 .よみうりランドは5月20日、「モノづくり」が体験できる、日本最大の屋内型遊園エリア「グッジョッバ!」を、総工費約百億円を費やして、来春開設する、と発表した。14年3月に発表した屋内型遊園施設新設計画に基づき、具体化した計画内容を明らかにするもので、エリア名「グッジョッバ!」は「グッド・ジョッブ・アトラクション」を短くしたもの。アトラクションを通じて「モノづくり」を見て楽しむだけでなく、家族・友達同士で参加・体験して互いに協力・競争しながら学べる、という新しいコンセプトの遊園施設と説明している。遊園エリアは「モノづくり感」のある4つの区分に分かれる。屋外型遊園施設だけでなく屋内型を見直すもので、屋内型ローラーコースター、ゴーカートなど15機種のアトラクションを設置する。これによりよみうりランドのアトラクションは28機種から、43機種へと大幅に増加することになる。

 .ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)を運営するUSJは5月20日、「ハリー・ポッター」エリアの中核となるアトラクション「ハリー・ポッター&ザ・フォービドゥン・ジャーニー」に、3D映像を導入したと発表した。21日から実施した。昨年7月にオープンした同エリアはUSJ全体を牽引するほどの魅力と集客力を持っていることが認められているが、3D映像の導入により一段と臨場感を高め、集客力を強めると見られる。同アトラクションの3D化は世界初で、専用ゴーグルを着用すると、映像が飛び出すように立体的に見え、ハリー・ポッターとともに飛び回る感覚をよりリアルに体験することができる。USJはまた、沖縄でテーマパークを将来開設する計画について、検討中だがまだ決定していないことを明らかにした。米国ユニバーサル・パークス&リゾーツ社と任天堂が、任天堂のキャラクターを使ったアトラクションの共同開発で提携したことについては、USJでぜひ導入したいとしている。

 10.㈱南日本レジャー(鹿児島市下伊敷、福岡健二社長)は5月12日、鹿児島地裁により破産手続き開始決定を受けた。財産状況報告などの集会は7月14日、同地裁で行なわれる予定。2000年7月設立で、ゲーム機のシングルロケ、クレーン機用景品などを扱ってきたとされているが、負債総額など詳しくは不明。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2015