2015年4月15日号 Last updated on April 1, 2015
特報
 イオンファンタジー、ファンフィールドを6月に吸収合併。

 文化庁、メディア芸術データベースを公開。
海外
 ユニバーサルは疑惑解消と発表。フィリピン司法省は否定。

 巨大化した立体像のコメディ映画「ピクセル」の予告編。
国内
 任天堂、DeNAがスマホアプリで業務提携。

 「エキスポシティ」に「オービィ大阪」、「大阪ホイール」など。


2015年4月15日号のニュースダイジェスト
 写真はJAEPO2015にて、上はスクウェア・エニックス/タイトーの対戦ゲーム「スクール・オブ・ラグナロク」を、下はセガ社の音楽ゲーム機「チュウニズム」をそれぞれ試しているようす。


30年前の主なニュース

 「科学万博つくば85」が開幕、遊園地「星丸ランド」もオープンした。ソフトウェアの保護著作権で法制化、通産省はプログラム保護法を断念。明昌特殊産業が設立30周年記念のパーティー。コナミ工業も「ファミコン」ソフトに参加。(1985年4月15日号)

40年前の主なニュース

 前年開催を見送ったAMショーは、10月東京開催で準備を進めることになった。健全娯楽・物品税を標題にJAAは説明会を開催した。ベルギー政府はスロットマシンの設置運営を全面的に禁止、ビンゴピンボールは制限付きで許可した。(1975年4月10日号)



【ニユースダイジェスト】

  .イオンファンタジーは3月23日、ダイエー系のファンフィールドを吸収合併することになった、と発表した。親会社(63%所有)のイオンがダイエーを今年1月1日付で完全子会社化したのに伴うもので、結果として、日本最大のSCロケのオペレーター会社がこれまで以上に圧倒的な市場占有率と競争力を持つことになる。手続きとして両社はこの日合意し、6月1日付で合併する。ファンフィールドの株主の1株に対しイオンファンタジーの1.0138株が割り当て交付される。ファンフィールドは71年1月にダイエーレジャーランドとして設立、ダイエー系SCのロケを運営し、01年に「ファンフィールド」に社名変更した。今もダイエーの完全子会社で、今年2月現在170店のSCロケを直営している。イオンファンタジーは69年10月(実質的には97年2月)設立、国内334店、東南アジアを中心に海外180店の計514店の、ファミリー客向けゲーム場などを直営、FC店を展開している。

 .ブラザー工業の完全子会社で、業務用カラオケ機器大手のエクシング(本社名古屋、設立1992年5月、吉田篤司社長)は3月27日、音楽・映像ソフト販売のテイチクエンタテインメント(本社東京都渋谷区、設立34年2月、石橋誠一社長)を買収することで、テイチク株式の96%を持つJVCケンウッドと合意、4月下旬に買収手続きを完了することになった。現在業務用カラオケ市場は、「ビッグエコー」、「DAM」ブランドの第一興商と、「ジョイサウンド」ブランドのエクシングでほぼ独占している状態とされている。エクシングはこれまで06年4月にビクターのカラオケ事業会社、ビクターレジャーシステムを買い取り、吸収合併、また同年7月にタイトーから業務用通信カラオケ事業(JAX)を買い取り、吸収合併している。エクシングは今回の買収について、テイチクが培ってきたブランドやコンテンツプロデュース力に加えて、エクシングが保有するネットワークやカラオケ店舗などを最大限活用できるとしている。買収金額はこれまでと同様、公表されていない。

 .文化庁・文化推進室は3月17日、「メディア芸術データベース(開発版)」サイトを公開したと発表した。同サイトに登録されている情報は、漫画約33万冊、アニメーション9千タイトル、TVゲーム3万5千タイトル、メディアアート1万件の4分野にわたるもの。うちTVゲームは家庭用が83年から14年9月までに発売された、各コンソール用を登録、業務用(アーケードと表記される。ゲーミングTVゲームは含まれない)は72年から2013年までに発表されたものについて登録、PCゲームは「PC8801」用だけが登録されている。文化庁ではメディア芸術作品に掛かる保全と活用を促進するため、その基本情報となるデータベースの整備を2010年から開始、このほどその開発版を公開したもの。インターネット上のウェッブサイト(http://mediaarts-db.jp/)で、ネット接続環境があればだれでも閲覧可能。分かる範囲でタイトルごとの開発メーカー、参考資料などが示されている。

 .「スペースインベーダー」や「パックマン」、「ドンキーコング」など1980年前後のTVゲームのキャラクターが、そのまま巨大化した立体像となって、地球を攻撃するという米国のコメディ映画、「ピクセル」の予告編がこのほど公開された。ストーリーは、30数年前にNASAが宇宙に向けて発信した、地球紹介映像を受け取った宇宙人が、友好メーセージを宣戦布告と誤解して、現代の地球を侵略しにやって来た、というもの。宇宙人は触れたものをすべてブロック状にピクセル(画素)化する必殺技を持っており、片端から破壊していく。このため、今や普通の人になったゲームマニアたちが立ち上がることになる。上記のほか、「ギャラガ」、「フロッガー」、「Qバート」などのキャラクターがニューヨークやワシントンDCを舞台に驚くような形で出現する。監督は「ハリー・ポッター」シリーズを手掛けたクリス・コロンバス監督。日本では9月19日から劇場公開予定。予告編は次のウェッブサイトで見ることができる。https://www.youtube.com/watch?v=XAHprLW48no&feature=player_embedded

 .任天堂とディー・エヌ・エー(DeNA)は3月17日、世界市場を対象にスマートフォン(スマホ)向けゲームアプリの共同開発・運営と、多様なデバイスに対応した会員制サービスの共同開発に関する業務・資本提携について合意した、と発表した。任天堂は「ファミリーコンピュータ」(83年)以来家庭用ゲームビジネスを構築、DeNAは99年以来モバイルゲームなどインターネットサービス分野でノウハウを構築してきた。両社はゲーム専用機だけでなくPC、スマホ、タブレットなど多様なデバイスに対応した新たな基幹システムを構築、その会員制サービスを、今秋開始をめざして共同開発する、というもの。これに伴いDeNAは発行済株式の10%に当たる自己株式を任天堂に割り当て、同時に任天堂は発行済み株式の1.24%に当たる自己株式をDeNAに割り当て、それぞれ割当先が約220億円出資し取得する。任天堂はこれまで専用機と専用ゲームソフトでビジネスを構築してきたが、経営方針を大きく転換、スマホゲームなどにも道を開くことにした。

 .旧エキスポランド跡地を再開発している三井不動産は3月25日、大型複合施設の名称を「エキスポシティ」に決め、今年秋に開業すると発表した。日本最大の観覧車は「大阪ホイール」(仮称、高さ120m以上)が建設される予定だが、事業者名は明らかではなく、観覧車のみ開業は16年春の予定。また、セガ社が横浜で運営している「オービィ」が、関西初の「オービィ大阪」として、エキスポシティに参加することも明らかになった。約300の事業者が参加するエキスポシティには、このほか海遊館が演出する、〈生きているミュージアム〉「ニフレル」、体験型エデュテイメント施設「ポケモンEXPOジム」、体験型英語教育施設「大阪イングリッシュビレッジ」、シネマコンプレックス「109シネマズ大阪エキスポシティ」、日本初の体験型遊園地「ひつじのショーンファミリーファーム」、ショッピングの「ららぽーとエキスポシティ」と、その他物品販売、レストランが開設される。

 .大阪の「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)を運営するユー・エス・ジェイのグレン・ガンベル社長が3月18日、沖縄に新たなテーマパークを作る考えを明らかにした。大阪市内で報道陣の取材に応じた同社長は「現在議論が進んでいるのは、沖縄に新たなテーマパークをオープンすること。これはごく初期段階の計画で、うまく行くかどうか(現段階で)は分からない。映画をテーマとするものではない。規模はUSJより小さいが、比較的大きなものを考えている」など語った。建設予定地や、オープン時期については明らかにしなかったが、これまで何回か調査している名護地区が有力と見られている。同社長は「仮装のパレード」を盛り込みたいとしている。また、USJで100億円を投資して、恐竜をテーマにしたローラーコースターを16年春に導入することが明らかになった。「ジュラシックパーク」のエリアに新設するもので、年間30-50万人の集客を見込んでいる。

 .ユニバーサルエンターテインメントは3月18日、フィリピンでのカジノ開発に関して、カジノ監督機関「PAGCOR」の元役職員に対する贈賄疑惑があることに関し、フィリピンの国家捜査局(NBI)は疑惑を裏付ける証拠が不十分であるとして、捜査を終結したと発表した。これは、フィリピン国会下院議会での報告に基づく、ユニバーサルの昨年12月29日付発表に続くもの。フィリピンNBIなどの事実発見委員会(FFP)が作成した報告書の写しが、3月9日に開かれた議会下院ゲーム&娯楽委員会で配布されたことが確認されており、同国での刑事捜査は終結したとしている。また同社によると、日本での岡田和生会長を被疑者とする外国公務員贈賄の刑事告発についても、東京地検は昨年12月に嫌疑不十分で不起訴処分にしており、さらに米国でのアルゼUSA社に対する大陪審令による捜査についても、フィリピンと日本での捜査を終結しているので、公正な捜査が行われる限りこれも終結する、としている。

 .【ユニバーサル贈賄疑惑の続き】フィリピンのレシラ・デリマ司法相(司法省長官)は3月23日、ユニバーサルエンターテインメントが18日に発表した、フィリピンNBIによる捜査終了は真実ではなく、またクラロ・アレヤーノ検事総長に対し、司法省(JOB)がそのような報告をした事実もない、とユニバーサルの発表を全面否定する説明をした。「デイリートリビューン」など複数の現地報道機関が伝えた。報道によると、アレヤーノ氏もまだ捜査は終了していないと表明、司法相による説明を支持している。なお米国での捜査についてユニバーサルは18日の発表で、「大陪審発令に係る召喚状に基づく」司法省による捜査について、同社は具体的にどこの大陪審なのか、いつの発令なのか明らかにしていない。しかし、米国で大陪審が開かれるということは通常、ある程度捜査が進み、具体的な容疑が示される段階にある場合が多いので、同社には具体的な説明が求められるところだ。

 10.ナムコの子会社、「浅草花やしき」(東京都台東区、広田明彦社長)で3月20日、既存遊園施設「リトルスター」の上に、新アトラクション「シラサギ」を設け、2階建てアトラクションとしてオープンすることになった。「リトルスター」は回転盤の周囲に進行方向に向かって回転する乗物で、見た目以上にスリルのあるアトラクションだが、この上に新設される「シラサギ」は、浅草寺の寺舞のひとつ「白鷺の舞」にちなんだもの。2階建てにするのは、約6,000㎡という限られた同園の敷地内で、なんとか工夫してアトラクションを新設するため。ハングライダーのような形をした2人用乗物6台で、運転開始とともに一斉に乗物が円周走行するが、足元のペダルを漕ぐと高く舞い上がる、という参加型の乗物。三精テクノロジーズが製造を担当した。90cm以上という身長制限がある。90cm以上で120cm未満は付き添い(無料)が必要。利用料は300円。

 11.フリューは3月13日、写真プリントシール機「ヒロインフェイス」(12年2月)の英文仕様機を、デンマークのコペンハーゲンにある「デンマーク国立博物館」で常設展示することになった、と発表した。この博物館は北欧最大級の文化史博物館で、13年11月~14年4月に開催した企画展示「日本の写真展」に付属する形で、英語によるガイダンス、案内表記を搭載した特別仕様の「ヒロインフェイス」を設置したことがある。同博物館では3月13日から、日本のサブカルチャーを紹介するエリア「コスプレ! 若者漫画」が新設されるので、これに合わせて常設展示するもので、無料でプリントできるようにした。フリューは07年4月に、オムロングループからマネジメントバイアウト(MBO)により分離独立、業務用プリントシール機事業を核にさまざまな娯楽分野事業を手掛けている。同社調べによるとプリントシール機市場のうち同社製品は67%を占める。同社では昨年12月のIAAPAショーで海外専用の「プリブース」を出品、米国でのマーケティングを開始している。

 12.タイトーは3月26日、テレビ東京系のアニメ番組「フェアリーテイル」の世界観で構築した、リアル謎解きゲーム「フェアリーテイル・謎解きクエストへようこそ」を4月25日~5月31日、東京、大阪の2ヵ所で開催すると発表した。「フェアリーテイル」は真島ヒロの原作で、週刊「少年マガジン」に掲載されているコミック。そのテレビアニメが09年から放映されており、タイトーはそのソーシャルゲームを10年10月以来配信、11年7月からモバイルゲームもリリース、14年10月にはアプリゲームもリリースしてきた。リアル謎解きゲームは、プレイヤーが妖精の尻尾となって、さまざまな謎を解きながら物語を進めていくという体感型ゲームで、物語に登場するルーシィなどのキャラクターと一緒に解決するなど、頭と体を使って謎を解いていくもの。東京は神田花岡町の「ヨドバシAkiba」、大阪は八尾市光町の「アリオ八尾」。プレイ時間は1.5~2時間。プレイ料1,200円。




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