2014年11月15日号 Last updated on November 15, 2014
特報
 バンナムゲームスは新作展で「鉄拳7」と「タイムクライシス5」披露。

 OLC、中間決算好調。24年までの「開発構想」を発表。
海外
 「ゲームワークス」ラスベガス店は大規模SC内に再オープンした。

 米国CEC社が競合相手のPPPを買収した。
国内

 任天堂、ゲームソフトが揃い、円安も追い風で中間決算は持ち直し。

 セガサミー中間決算は減収赤字で、通期予想は大幅な下方修正。


2014年11月15日号のニュースダイジェスト
写真は米国で先に発売される「スター・ウォーズ・バトルポッド」のニューヨークでの発表会で(10月8日、左から)、バンダイナムコゲームスの同ゲームの河野一聡エグゼクティブプロデューサー、井本一史リードプロデューサー、バンダイナムコ・アミューズメント・アメリカ社のジョン・マッケンジー社長。


20年前の主なニュース

 米国アタリブランドを引き継ぐ米国TWI社、通信対戦型「T-MEX」のトーナメントツアーを実施した。カプコン「ファイナルファイト」の偽造基板を製造販売した、韓国の2業者に対し、ソウル地裁は賠償を命じた。松下電器は「3DOリアル」のコンパクト軽量型を発売した。(1994年11月15日号)

30年前の主なニュース

 米国AMOAエキスポでバリー・センテ社は「シュライクアベンジャー」を披露した。「ドンキーコング」巡る訴訟で、任天堂は控訴審でも勝訴。コナミは米国シカゴに現地法人を移転した。オペレーター協会、東京は2つ目を設立へ。UPL「忍者くん」、タイトーから販売に。(1984年11月15日号)



【ニユースダイジェスト】

 1.バンダイナムコゲームスは10月20-21日、東京(24日に福岡、28-29日に大阪)で新作展を開催、シリーズもので来春発売されるTVゲーム2作を披露した。ひとつ目の「鉄拳7」は初代から20周年になる対戦格闘ゲーム。新基板の「アンリアルエンジン4」を採用、フルHDでビジュアルもより鮮明で高速、通信機能は店舗間対戦を実現した。数量限定の「88」セットはOP価格168万円で11月27日に注文締め切り、15年2月出荷予定。基板セットは課金なしで先行発注と、課金ありで直前発注の2通りあり、いずれも約120万円で3月出荷。二つ目の「タイムクライシス5」はシリーズ中前作から9年目になる2人用ガンゲームで、協力プレイ可能。55インチ液晶モニターを2画面搭載、ガンコントロールも撃ち応えなど性能をアップした。15年中にステージ倍増キットを追加する予定。198万円で3月出荷予定だが、課金ありの友愛オプションは約100万円で4月予定になる。

 .「ユーロ・アトラクションズ・ショー(EAS)2014」は9月23-25日、オランダのアムステルダムで開催され、36ヵ国から441社が出展、パリでの前年実績と比べ26%増の10,750人の業者が登録入場した。米国のIAAPAがIAAPAショーの欧州版として開いているもので、今回が11回目。遊園施設、アトラクション、ゲーム機など広範にわたるAM機を対象としている。日本企業関係ではバンダイナムコ・アミューズメント・ヨーロッパ、セガ・アミューズメンツ、S&Sワールドワイド/三精テクノロジーズが出展した。バンナムゲームスは「スーパーアルペンレーサー」、「ロストランド・アドベンチャー」など、セガ社は「プランツvsゾンビーズ」などを紹介した。中国のUNIS(世宇)は「アームドレジスタンス」など新作を披露し、台湾のセントファン(尚芳)は「ロボットフラッグ」を発表、IGS(鈊象)は「モンスターアイ」を紹介した。この展示会ではVRゲーム、ドーム型などシミュレーション装置が多数出品され、注目された。

 .オリエンタルランド(OLC)は10月30日、9月中間決算(第2四半期までの6ヵ月、4-9月期)を発表、売上高は3%減の2,227億2千6百万円、経常利益は5%減の549億7千7百万円、中間利益は1%増の363億2千8百万円と減収増益だった。部門別でテーマパーク(「TDL」と「TDS」)の売上高は3%減の1,844億円、営業利益は6%減の461億円、ホテルの売上高は6%減の297億円、営業利益は20%減の68億円、その他(イクスピアリ、モノレールなど)の売上高は0.3%減の86億円、営業利益は15%増の9億円だった。OLCはこの中間決算とともに、今後10年間の「開発構想」を発表、24年3月期までに5千億円を投資、テーマパーク事業の①「TDL」の「ファンタジーランド」の面積を2倍に広げ、新アトラクションを導入するなど再開発する、②「TDS」の「リバーデルタ」南側に8つ目の新テーマポートを開発することなどを明らかにした。

 .オリエンタルランド(OLC)は10月23日、9月中間(4-9月)業績と15年3月期業績予想を大幅に上方修正した。中間期については売上高が2,227億2千万円(4月の前回予想では2,006億6千万円)、経常利益が549億7千万円(376億4千万円)、中間利益が363億2千万円(253億9千万円)と予想を修正した。それを受けて通期の売上高は4,534億6千万円(4,176億4千万円)、経常利益は1,029億5千万円(841億4千万円)、最終利益は673億7千万円(555億3千万円)と予想を修正した。10月1日に発表した上半期(4-9月)入園者数は前年同期比1.7%減の1,509万9千人となり、予想したほど減らず、このまま推移すると年間では8.6%増の3,040万人になる見込み。東京ディズニーランドの「ワンス・アポン・ア・タイム」、新装なった「ジャングルクルーズ」などが好評で、上半期では過去最高の前年実績(1,536万人)には及ばないものの、それに次ぐ史上2位の入園者数になった。

 .任天堂は10月29日、9月中間決算(第2四半期までの6ヵ月、4-9月期)を発表、売上高は13%減の1,713億9千9百万円、経常利益は221億9千6百万円(前年同期は12億4千8百万円)、中間利益は146億円(6億円)と減収増益となった。「DS」は海外で「トモダチコレクション新生活」が堅調で、ハードウェアを209万台(389万台)、ソフトウェアを2,330万枚(2,738万枚)販売し、また「Wii U」は「マリオカート8」が順調でハードが112万台(46万台)、ソフトが940万枚(630万枚)売れた。海外売上高は全体の73%の1,713億円といぜん高く、円安傾向が続いて為替差益が155億円発生した。しかし今期業績予想は変更しなかった。「3DS」では当初有力タイトルが不足していたが、やっと有力タイトルが現れ始め、改善されつつあるとしている。「Wii U」では「大乱闘スマッシュブラザーズ」を11-12月に米欧に投入、拡大を図るとしている。

 .セガサミーHDは10月31日、9月中間決算(第2四半期までの6ヵ月、4-9月期)を発表、売上高は5%減の1,542億4千5百万円、経常利益が77%減の33億4千2百万円、中間損失が20億7千9百万円(前年同期は113億4千8百万円の利益)と減収赤字だった。分野別で遊技機の売上高は15%減の607億円、営業利益は51%減の73億円、業務用の売上高は3%増の203億円、営業利益は1億円(8百万円の損失)、ゲーム場の売上高は5%減の208億円、営業損失は2億円(2億円の利益)、家庭用の売上高は10%増の486億円だが、営業利益は16%減の9億円だった。遊技機に必要な保通協試験が9月以降厳しくなると見られており、このため15年3月期の業績予想は、売上高が3,700億円(前回予想では4,500億円)、経常利益が170億円(250億円)、最終利益が40億円(210億円)と大幅に下方修正した。なお、セガ社の里見治紀取締役が11月1日付で、代表権のある副社長に昇格する役員人事も発表した。

 .カプコンは10月29日、9月中間決算(第2四半期までの6ヵ月、4-9月期)を発表、売上高は51%減の259億千7百万円、経常利益は45%減の45億4千万円、中間利益は40%減の29億7千3百万円と、前年の3DS用「モンスターハンター4」ヒットの反動減による大幅減収減益だった。10月発売の3DS用「モンスターハンター4G」も人気は高いとされている。部門別では、デジタルコンテンツ(家庭用、オンラインゲーム、モバイルコンテンツ)の売上高は64%減の134億6千3百万円、営業利益は60%減の21億5千万円、パチスロ液晶部品(約1割の業務用ゲーム機を含む)の売上高は23%減の68億8千百万円、営業利益は25%増の31億5千9百万円、ゲーム場の売上高は12%減の48億2千万円、営業利益は32%減の6億6千万円、その他の売上高は44%減の7億5千2百万円、営業利益は57%減の2億2千5百万円。ゲーム場は1店閉鎖し、32店になった。

 .エスケイジャパンは10月14日、第2・四半期までの半年(8月中間期)決算を発表、売上高は17%増の38億2千万円、経常損失は1億千6百万円(前年同期は同額)、中間損失は千4百万円(1億千4百万円)と増収だが前年同様に赤字だった。キャラクターエンタテインメントのうちゲーム場向け景品の売上高は23%増の18億円、SPの売上高は12%減の3億円で、合わせると売上高が15%増の22億円、営業損失は1億円(同額)、キャラクターファンシーの売上高は18%増の16億円、営業損失は千万円だった。久保敏志前社長の死去に伴う受取保険金など1億円を特別利益に計上した。これらの結果、15年2月期の業績予想を見直して、売上高は68億4千百万円(4月の前回予想では74憶円)、経常損失は9千7百万円(利益3千百万円)、最終損失は3千4百万円(利益2千2百万円)と赤字に下方修正した。

 .「ゲームワークス」のラスベガス店が8月、大通り(ストリップ)南部のショッピング地区「タウンスクウェア」(07年オープン)に再オープンして話題になっている。旧ゲームワークスはセガ社やユニバーサルスタジオ社、ドリームワークス社の合弁事業として1997年に発足、シアトル店を皮切りに数店展開したが、当初の計画に達しないまま04年にセガ社の単独所有となり、11年にセガ社が投資家グループに売却した。それ以来改称したゲームワークス・エンタテインメント社が運営してきたが、戦略上重要なラスベガス店は高額賃貸料のため、12年に閉鎖されたままだった。このほど開設されたラスベガス店は営業面積37,000平方フィートに、AMC複合映画館、ボウリング場、本格レストラン、ゲーム場で構成されるもの。ゲーム料にはサコア社のカードシステムを採用した。現在の店舗は従来からのシアトル、オンタリオ、シャウンバーグ、テンペ、ニューポート、チェサピーク、ラスベガスの計7店で、この冬ソルトレイクシティにも新設する予定。

 10.米国でピザ・ゲーム場の複合店「チャキーズ・チーズ」(CEC)を展開しているCECエンタテインメント社は10月20日、CECの競合店を展開する「ピーター・パイパー・ピザ」を、これまで所有してきたエイコン・インベストメント社から買い取ることで合意した、と発表した。買収金額は明らかにしていない。「ピーター・パイパー」は米国とメキシコに32の直営店と115のフランチャイズ店を所有しており、522の直営店と55のフランチャイズ店を展開するCECグループに加わることになるが、「ピーター・パイパー」の名前はブランドとして残す考えとのこと。CECエンタテインメント社の歴史は、アタリ社の会長だったノーラン・ブッシュネル氏の考案した、「ピザタイムシアター社」(PTT)の展開する「チャキーズ・チーズ」(1号店は1976年)まで遡ることができる。CEC社は今年1月に投資会社のアポロ・グローバル・マネジメント社が実質13億ドルで買い取ったため、それまで上場会社だったが非上場会社になった。

 11.米国テキサス州南端の「キャメロン」カウンティーの国境の町、ブラウンズビルのカウンティー地方検事事務所は10月、「インターネット・スウィープステイクス」の看板で違法賭博営業をしていた店を摘発、28台の「エイトライン」遊技機を押収するとともに、経営していたオーガスト・クエリャル容疑者らを逮捕した。地元の報道などが伝えた。「カウンティー」とは州を構成する行政区画で、市や町を含んでおり、日本の「郡」とは異なる。メキシコとの国境に近い「スタール」などいくつかのカウンティーは、TVゲーミング機を使用した賭博営業の取締りが、手間と費用がかかる割になかなか進まないのに業を煮やして、新たに条例を制定か既存の条例を改正して、10月から許可料を取って条件付きで許可を与えるようにした。それを受けて、計画していた違法賭博摘発作戦を開始したもので、地方検事事務所によると、今年すでに30件を摘発、数百台の賭博機を押収したが、さらに摘発を進めるとしている。

 12.バンダイナムコグループのナムコは10月17日、真っ白の砂場を備えた「あそびパーク」とナムコ限定公式ショップの「データカードダスステーション」を百貨店で初めて開設する、と発表した。23日、大分県下最大の百貨店「トキハ本店」の6階キッズ関連ゾーン「チルドレンズワールド」の中の、「ナムコトキハ本店」に両施設が開設される。「あそびパーク」は従来の「さらさら」ホワイトサンドに、オーストラリア産ホワイトサンドを日本で加工した、水に湿らさなくても自由な形に固まる砂(ハリオ商事が開発した)を使用した砂場で、小さな子どもでも安心して想像力と創造性を養うことができる施設。利用料金は時間課金制の後払いで子ども(8歳以下)と保護者で10分間170円(税込み)、保護者のみ30分以上延長料金は無料。「データカードダスステーション」はさまざまな人気キャラクターの「データカードダス」を揃えた、キャラクター遊びの場で、何度でも訪れたくなる仕掛けが隠されている。



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