2014年5月15号 Last updated on May 1, 2014
特報
 風営法違反で摘発されたクラブ経営者に、大阪地裁が無罪判決。

 オリエンタルランド、3月期決算は2年連続の過去最高に。
海外
 ロシア大統領、クリミヤでのカジノ開設法案を国会に提出。

 英国で2つ目・国内向けAMショーを今秋から開催する。
国内

 カプコン、大阪本社近くに開発ビル2棟を追加建設中。

 SKジャパン2月決算は、ゲーム場の不振で、5年ぶり赤字決算。


2014年5月15日号のニュースダイジェスト
写真はAOU/JAMMAの第2回JAEPOで、上はホープの小間で回転式乗物機「機動歩兵『K021』」。全高2.7m、足を動かしながら歩行するロボットに親子で乗り込み、簡単なシューティングゲームを楽しむ。下はセガ社の小間で参考出品の、シューティングゲーム機「トランスフォーマーズ・ヒューマン・アライアンス」コックピット型。


20年前の主なニュース

 米国AMOAが通信回線を利用したAMオペレーション事業に取り組む、と発表した。米国WMS社が任天堂「プロジェクト・リアリティ」で提携した。中堅TVゲームメーカー、東亜プランが倒産した。ジャレコの大分・中津の工場が完成、キャビネット生産を開始する予定。(1994年5月15日号)

30年前の主なニュース

 本来の賭博機とAM機を混同、ゲーム場を許可制にする「風営法改正法案」が、国会(衆議院先議)に提出された。NAOは「非風営」の規制を警察庁に要望。JAMMAは警察庁に質問書を提出。ユニエンターがTVゲームでテクフリ社と提携した。ナムコは「ギャプラス」を発表。(1984年5月15日号)



【ニユースダイジェスト】

 .「享楽的雰囲気が過度にわたる可能性」(2012年12月17日の風営法解釈通達)があるとした警察の判断にもかかわらず、公安委員会の許可を受けずに客にダンスをさせたとして、風営法違反(無許可営業)で起訴された、大阪市北区の元クラブ「NOON」の元経営者、金光正年被告(51)に対する公判で、検察側の求刑懲役6ヵ月と罰金百万円に対し、大阪地裁(斉藤正人裁判長)は4月25日、「性風俗を乱す恐れがある享楽的ダンス」をさせていなかったと判断、無罪の判決を言い渡した。風営法により「規制の対象になる営業は限定的に解釈すべき」だとする判決内容で、解釈に幅のある「8号営業」(ゲームセンター等)にも影響すると考えられるが、「風営法の規定は違憲」とする弁護側の主張は認められなかった。この事件は12年4月4日夜、大阪府警が「NOON」店内で客にダンスをさせている、と風営法違反を理由に金光さんを逮捕、地検が起訴したもので、京都、福岡、東京などでも同様の摘発が続いている。15年1月23日続報=大阪高裁は21日、検察側の控訴を棄却した。

 .オリエンタルランドは4月28日、14年3月期決算を発表、売上高は前年比20%増の4,735億7千2百万円、経常利益は39%増の1,126億7千百万円、最終利益は37%増の705億7千百万円と、いずれも過去最高となった。入園客は14%増の3,129万人で、2年連続して過去最高になった。部門別決算ではテーマパークの売上高が19%増の3,909億円、営業利益が42%増の971億円、ホテルの売上高が33%増の649億円、営業利益が32%増の158億円、モノレールその他の売上高が6%増の177億円、営業利益が108%増の12億円。東京ディズニーリゾート30周年イベントが好調に推移し、しかも1人当たり売上高が増加したためと分析している。15年3月期はその翌年であることから、減収減益になるとしており、売上高は12%減の4,176億円、経常利益は25%減の841億円、最終利益は21%減の555億円を見込んでいる。同社はこの先10年間、テーマパーク事業に5千億円投資することを発表した。

 .ユニバーサルスタジオ・ジャパン(USJ、大阪)は4月18日、映画「ハリー・ポッター」シリーズに基づく新エリア「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」のシンボル、「ホグワーツ城」を関係者に披露するとともに、7月15日に新エリアが正式オープンすることを明らかにした。新エリアは世界で初めて4年前の10年6月、米国フロリダ州オーランドのユニバーサル「アイランド・オブ・アドベンチャー」内に新設し、人気を集めており、カリフォルニア州ハリウッドにあるユニバーサルスタジオでも16年にオープンする予定。日本のUSJでは新エリアの建設を11年12月に公表、建設を進めていた。今回は安部晋三首相、キャロライン・ケネディ駐日米国大使、ルーナ・ラブグッド役で映画に出演したイヴァナ・リンチさんらと、このほどUSJ大使に就任したSMAPのメンバーなど著名人を招いて、ホグワーツ城の壮大な姿を披露したもの。USJでは3月19日に初年度(2001年度)に次ぎ、年間1千万人の入園者記録を達成している。

 .エスケイジャパンは4月14日、14年2月期決算を発表、売上高は15%減の70億2千万円、経常損失は1億6千5百万円(前年は1億4千9百万円の利益)、最終損失は1億7千8百万円(1億千7百万円)と、5年ぶりの赤字決算となった。主力のキャラクターエンタテインメント分野の売上高は10%減の41億4千2百万円、営業損失は1億7千5百万円(4千7百万円の利益)で、売上高のうちアミューズメントは13%減の33億円、セールスプロモーション分野は11%増の8億円。ゲーム場自体が全体的に低迷傾向にあり、そのためゲーム場用の景品販売を伸ばせなかった、と見られている。なおキャラクター・ファンシー分野(スマートフォン向け、コンビニストア向けなど)の売上高は1%減の28億円、営業損失は3千万円(1億円の利益)だった。以前ナカヌキヤでしていた小売り事業はすでに撤退、清算している。15年2月期業績については、売上高74億円、経常利益3千百万円、最終利益2千2百万円を予想している。

 .ロシアのウラジミール・プーチン大統領は4月21日、ウクライナ南部の併合したクリミア自治共和国にカジノを開設できる法案を、国会(ドゥーマ)下院に提出した。ロシアでは旧ソ連崩壊後、国内財政は混乱を重ね、それに便乗して違法カジノが氾濫していたが、2009年7月に、国境付近の4特区を除いて賭博可能なカジノを全面的に禁止した。東欧の飛び地であるカリーニングラード、クリミアに近いクラスノダール、カザフスタン国境のアルタイ地方、極東のウラジオストックの4特区でのみカジノの建設ができる仕組みだが、すでに実現しているのはクラスノダール地方のアゾフ市だけ。プーチン大統領の指示により、クリミア共和国の各省は3月、カジノ開設による財政建て直しの計画案を提出。プーチン大統領は5番目のカジノ特区を認める法案を提出することにより、クリミア併合を既成事実にするだけでなく、ロシア連邦政府による経済支援を頼りにしているクリミア共和国の経済建て直しに、カジノから吸い上げるあぶく銭を当てる考えだとされている。

 .英国で「EAG」に次ぐ2つ目の業務用AMショーが、今年10月中旬に初めて開催されることになった。「オータム・コインオプ・ショー」という名で、10月15-16日、ロンドンのチェルシー地区にあるチェルシー・フットボールクラブ(最寄りの地下鉄駅はフルハムブロードウェイまたはウェスト・ブロムトンで、アールズコートも近い)で開く予定で、1月下旬ロンドンの東側、エクセル展示場で開かれるEAGが国際的AMショーなのに対して、英国国内向けのAMショーとなる。主催者はEAGを支援しているスワンイベント社で、BACTAが協力する。すでにアストラゲームス社、エレクトロコイン社、クラウンダイレクト社、サウンドレジャー社、ハリー・レビイ社、リフレックスゲーミング社など15社が出展を申し込み、小間を確保しており、売り切れになるのも近いと見られている。英国では長年、冬のATEIと秋のロンドンプレビューという開催パターンだったが、この5年間でその仕組みはすっかり変わった。

 .セガサミーホールディングスはこのほど、国連が提唱する「国連グローバル・コンパクト」(UNGC、コンパクトは盟約の意味)の理念に賛同し、日本のゲーム・遊技機業界で初めて署名、登録されたと発表した。UNGCは1999年のダボス会議でアナン事務総長(当時)が企業に対して提唱した考え方で、04年に腐敗防止の原則が追加されたもので、企業に対して人権、労働、環境、腐敗防止の4分野に関し、人権擁護、雇用・職業の差別撤廃、強要・贈賄などの腐敗防止の取り組みなど10の原則を掲げて、これらを順守、実践することを要請している。セガサミーグループでは、「世界中のあらゆる人々に夢と感動あふれるエンタテインメントを提供し、豊かな社会の実現と文化の創造に貢献する」ことを経営理念にしているとして、UNGC10原則を順守、実践し、企業としての社会的責任を果たしていく、と説明している。

 .カプコンは4月14日、大阪市中央区にある本社ビルの近くに、研究開発ビルを所有しているが、新たに二つの研究開発ビル「S棟」、「N棟」(仮称)の建設に着工していることを明らかにした。同社の開発部門を集約し、機動力と統制力を高めることにより、開発体制の効率化を図るためで、これに伴い新卒を中心に毎年約百名の開発部員を採用、21年までに2,500人体制にする予定だ。なお新ビルにはモーションキャプチャー室や効果音収録のための録音スタジオなども導入する予定。カプコンは94年7月に本社ビルを完成、96年すぐ近くに開発ビルを竣工しているが、これ加えて地上8階、地下1階の「S棟」を13年5月に着工、15年1月に竣工予定、地上16階、地下2階の「N棟」は今年4月に着工、16年2月に竣工予定。敷地面積はそれぞれ約454㎡、1,332㎡で、投資額はそれぞれ25億円、55億円となっている。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2014