2014年1月1号 Last updated on December 15, 2013
特報
 国際的な米国IAAPAショー、この10年で最大規模に。

 ゲオディノスがTOBで健康コーポレーションの子会社になる。
海外
 IAAPA13では新作TVゲーム機が多数出品された。

 世界一の観覧車「ハイローラー」の完成間近に。
国内

 ガンホー/スクエニが業務用「パズドラバトル」を開発。

 超党派「カジノ議連」がカジノ解禁法案を提出。審査へ。


2014年1月1日号のニュースダイジェスト
写真はIAAPA2013にて、上はナムコアメリカ社の小間で、左端に「マリオカート・アーケードGPDX」、中央奥から右にかけ「マッハストーム」が見える。下はセガ・アミューズメンツ社の小間で、左手前に中国ワーラップ社「ストームレーサーG」、中央奥に同「ストームライダー」。


20年前の主なニュース

 米国カリフォルニア州司法長官が、暴力シーンを含むTVゲームを問題視し、メーカーに自粛を求めた。通産省・サービス産業課は「アミューズメント空間産業研究会」を開設した。セガ社は新作展で、「バーチャファイター」など紹介した。警視庁、都下の違法カジノバーが増加中と警告。(1994年1月1・15日号)

30年前の主なニュース

 米国東海岸のマーシュフィールド町が決めた、TVゲーム禁止条例は連邦憲法違反だ、と訴えた上告を連邦最高裁は却下した。ニューオーリンズで開かれたIAAPAショーに、東洋娯楽機、明昌特殊産業、日邦産業が引き続き出展した。ユニエンターが「頭の体操」ゲーム大会を開いた。(1984年1月1日号)



【ニユースダイジェスト】  

 .米国IAAPAエキスポ13(11月19-22日、オーランド)には、1,098社(前年は1,160社)が屋内の52万8千平方フィートと屋外に出展、この10年間で最大規模になり、これに110ヵ国(102ヵ国)から18,200人(15,800人)のバイヤーを含む約29,000人(26,500人)の登録事業者が訪れた。米国の家庭用「E3」や業務用アミューズメントエキスポと同様、登録手続きをした業者でない一般客は入場できないビジネスショーに徹してしている点に注意する必要がある。会場はオレンジカウンティ・コンベンションセンターで、遊園施設、ハイテク、硬貨作動式などのグループに分けて配置している。日系出展社はいずれも大きな小間を使って継続出展しており、三精輸送機の子会社である米国S&Sワールドワイド社、室内遊園施設のBLDオリエンタルが遊園施設を紹介、米国のナムコアメリカ社、英国のセガ・アミューズメンツ社が最新業務用ゲーム機を披露した。うちナムコアメリカ社はドーム型キャビネットを使用した空中戦ゲーム「マッハストーム」を披露して、来場者の関心を集めた。

 .【米国IAAPAエキスポ2013の続き】このほか注目された主な新作TVゲーム機は次のとおりで、大変多かったのも特徴。ロースリルズ社/ナムコ「スーパー・アルペンレーサー」、ナムコ「マリオカート・アーケードGPDX」、ロースリルズ社「バットマン」、「エイリアンズ・アルマゲドン」、セガ社「トランスフォーマーズ・ヒューマンアライアンス」、「プランツvsゾンビズ・ザ・ラストスタンド」、中国ワーラップ社「ストームレーサーG」、台湾IGS/ワーラップ社「テラトマ・ザ・ラスト・リベリアン」、アドレナリンアミューズメント社「ジェットパック・ジョイライド・アーケード」、グローバルVR社「スワムプ・アタック」、「レッドライン・ランページ」、ステップエボリューション/コースト・ツー・コースト社「リレイプ・プラス」、台湾インジョイモーション/米国バロンゲームズ「アライドタンクアタック」、中国UNIS「コンゴボンゴ」、「クレイジースピード2」、中国シーリー「ディノザウア・センチュリー」。

 .米国ラスベガスの大通りに沿って観覧車「ハイローラー」が建設中だが、外側のホイールは13年9月に仕上がり、透明なキャビンの取り付けも11月に完了、正式オープンに向けての作業が進んでいる。この観覧車はシーザースパレス、パリスなどのカジノホテルを運営するシーザース・エンタテインメント社が、大きな商業施設「リンク」とともに建設しているもの。当初13年後半に完成の予定だったが、完成は14年の第2・四半期(4-6月)になる見通しだ(「リンク」は部分開業して順次、全体に広げる予定)。「ハイローラー」は「シンガポールフライヤー」(高さ165m)を手掛けたアーラップ・エンジニアリング社が建設を担当、高さ167.6m、直径160mと世界一になる。28個ある各キャビンには40人が乗れ、約30分間で一周する。場所はシーザースパレスの向かい側、「クワッド」カジノホテル(旧「インペリアル」)と「フラミンゴ・ラスベガス」(旧・フラミンゴヒルトン)の後側で、モノレールの駅近く。「マンダレイベイ」の向かい側で建設を競う予定だった、もうひとつの観覧車「スカイビュー」は、ホイールの支柱のみを曝したままとなっている。14年4月12日続報=「ハイローラー」は準備を終え、3月31日に営業運転を開始した。

 .ガンホー・オンライン・エンターテイメントとスクウェア・エニックスは12月5日、ガンホーのパズルRGB「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ)をベースにした業務用「パズドラ・バトルトーナメント-ラズール王国とマドロミドラゴン-」を開発中と発表した。「パズドラ」は「アイフォン」などiOS用に12年2月リリースされ、適用機種を増やしながら、ガンホーによるとこれまで国内累計2,100万もダウンロードされたオンライン型のパズルゲーム。基本プレイは無料だが、アイテムに課金制を採用し、利益を伸ばした。業務用ではタッチパネルで6種類のドロップを3つ以上ずつ揃えて消していくのはそのままに、「対戦」要素を加え、最大16名で全国のライバルたちとトーナメントバトルを繰り広げられるようにしたという。タイトーネシカを使ってゲームデータを保存することができる。スクウェア・エニックスがアーケードゲームのノウハウを最大限生かして企画・制作・運営するのを、ガンホーが監修するとのこと。2014年春の出荷予定で、これに先立ち12月13-15日、東京、横浜、大阪でロケーションテストを実施する。

 .自民、維新、生活の3党の10議員は12月5日、超党派の「国際観光産業振興議員連盟」(通称カジノ議連、細田博之会長)がまとめた統合型リゾート(IR)整備を促す推進法案を衆議院に提出した。第185回国会は終了、閉会中も審査されており、14年の通常国会での成立を目指すという。カジノ議連は公明、民主、みんなの各党にも共同提出を呼びかけたが、慎重論が根強く参加しなかった。この法案は国内カジノを直接解禁するものではなく、IR施設の整備を進めるための推進本部を内閣に設置、法成立から1年以内に、刑法が禁じているカジノ解禁に必要な関連法の整備などを義務付けるもので、政策目標に向けたスケジュールと、ごく基本的な枠組み(スキーム)を示すものに過ぎない、いわゆる「プログラム法案」であるが、それでもカジノ実現という立法政策に向けて、カジノ管理運営の仕組みを想定しており、注目される。法案によるとカジノ施設の運営者とカジノ機器の製造、輸入、販売業者は、カジノ管理委員会による規制に従わなければならない、などとなっている。

 .ゲオディノスはゲオの72%子会社だが、健康食品販売の健康コーポレーション(東京都新宿区北新宿、瀬戸健社長)が、ゲオホールディングスが所有する持株をTOB(株式の公開買い付け)により買い付けることで、ゲオ並びに健康コーポレーションが12月4日、合意したと発表した。ゲオディノスは1954年設立の須貝興行が96年スガイ・エンタテインメントに改称、2007年にゲオの子会社となり、09年ゲオディノスとなったもので、主な事業はもともと映画興行だったが現在、ゲーム場運営、フィットネス、ボウリング場など。13年3月期の業績は売上高83億円、経常利益6千万円、当期利益6千万円。健康コーポレーションはその美容・健康事業とゲオディノスのフィットネスのシナジー効果が見込めると説明している。TOBの実施期間は12月5日から1月9日までで、ゲオはTOBに応じて5億5千百8十万円で持株72%を売却する。TOB終了後ゲオディノスは、経営陣を一新、社名変更を進める予定。14年1月10日続報=TOB終了、16日付で筆頭株主が変わる。

 .セガ社は12月2日、11月1日からセガ社グループとなっている㈱インデックス(旧セガドリーム)のアミューズメント事業を12月1日付でセガ社に移管したと発表した。移管されるアミューズメント事業は業務用AM機器の開発・販売で、これに伴い一部の固定資産も移管される。旧インデックスは6月に245億円の負債を抱えて民事再生手続きを申請、その手続き中だが、9月にセガサミーHDがスポンサーとなってインデックスの事業を約140億円で買い取ることが決まり、11月1日付でセガ社子会社のセガドリームが旧インデックスの事業を引き継ぎ、インデックスと改称、新インデックとしてセガサミーグループに移行していた。今回の異動により新インデックスの事業は、家庭用のコンソールゲーム、ソーシャルゲーム、ネットワークコンテンツなどの企画開発となっている。セガ社に移行した旧インデックス事業には、「アトラス」ブランドの業務用ゲームソフトなどが含まれており、セガ社でそれらを活用する予定。

 .セガ社とタイトーは11月29日、音楽ゲーム機のセガ社「マイマイグリーン」(13年7月)とタイトー「グルーヴコースター・アーケード」(同11月)において、12月5日からコラボ楽曲の同時配信を実施する、と発表した。ゲーム音楽のコラボレーションはiPhoneなど向け、バンダイナムコゲームス「太鼓の達人プラス」とガンホー・オンライン・エンタテイメント「パズル&ドラゴンズ」において12年8月に実施された例などがあるが、業務用ではこれが初めてとなるもよう。具体的にはタイトー「ニンジャウォーリアーズ」(88年2月)の楽曲をセガ社のサウンドチーム「H.」がアレンジした「DADDYMULK-グルーブリミックス」や、セガ社「カルテット」(86年4月)の楽曲をタイトーの「ZUNTATA」がアレンジした「カルテット-リボーン」が採用され、これらで遊べるようになる。両社は、ゲーム音楽ファンが待ち望んだ夢のコラボレーションの実現、と説明している。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2013