2013年5月1日号 Last updated on April 15, 2013
特報
 米国アミューズメントエキスポ13でも新作発表。

 警察庁調べで「8号」営業所、5年間に20%減少。

海外
 米国フロリダ州、賭博機営業規制でFEC営業を大幅制限。

 米国司法省、ウィンリゾーツ社とユニバーサルへの調べを公然化。

国内

 オリエンタルランドの入園者数、過去最高の2750万人に。

 イオンファンタジーの2月決算は好調、店名統一へ。


2013年5月1日号のニュースダイジェスト
写真は統合後のAOU/JAMMA「ジャパンアミューズメントエキスポ」(JAEPO)で、上はセガ社の小間で「ファントムブレイカーアナザーコード」など「オールネットプラスマルチバージョン2」のゲームソフト、下はタイトーの小間で「アルカナハート3ラブマックス!」など「ネシカクロスライブ」のゲームコンテンツを試しているようす。


20年前の主なニュース

 伊藤忠商事が映像シミュレーターを展開する米国アイワークス社と提携した。ナムコは米国E&S社と提携、高度CG技術の導入を決めた。日本娯楽機の遠藤栄氏がJAPEA理事を辞任した。AOU傘下では44番目の鳥取県オペレーター協会が発足した。(1993年5月1日号)

30年前の主なニュース

 日本初の本格的テーマパーク、東京ディズニーランドがオープンした。大分県は青少年条例を改正、有害遊技機の指定可能に。タイトーはフジコロム、マコト電子に対するTVゲームコピー訴訟でも勝った。NAOの東京第一など各支部発足。セガ社はオルカとも和解した。(1983年5月1日号)



【ニユースダイジェスト】

 .米国AAMA/AMOA共催のアミューズメントエキスポ13(3月20−22日、ラスベガス)には、121社(前年は130社)が356小間(376小間)に出展、2,825人(2,926人)の業者が登録入場した。フロアの一部はバルク自販機業界が使用、隣接する会場で「ナイトクラブ&バーショー」が開かれた。展示会を統合して4年目にもかかわらず、後退傾向に歯止めはかからなかったが、マーゴールドAAMA会長は「全盛時に戻ったわけではないが、最悪の時期は脱した」と述べた。日本関係ではナムコアメリカ社とセガ・アミューズメンツ社、フリューが出展、ナムコはロースリルズ社と共同開発したビデムプションゲーム(リデムプション機能を持つTVゲーム)「パックマン・チケットマニア」を披露して注目された。このほかナムコは「ダークエスケープ4D」、「デッドヒート・ライダーズ」などを、セガ社は新作「パイレーツ・オブ・モンスターランド」、「ドリームレイダーズ」、「KOドライブ42」などを、フリューは写真シール機を出品した。

 .【アミューズメントエキスポ13の続き】米国のメーカーでは、インクレディブル・テクノロジーズ社(IT)が「パワーパットライブ」、「ゴールデンティー2013」などシリーズものの新作を、ロースリルズ社がXbox360用ソフトに基づく「スーパーカーズアーケード」、「ビッグバックHD」などを、グローバルVR社が「スワーム」の改造キットを、トッカータ・ゲーミング・インターナショナル社が垂直面でボールを載せたバーを操作するリデムプションゲーム「ロックンロール・バーチゴ」などを披露した。中国のメーカーではUNIS社が「アフターダーク」、ビデムプションゲーム「パイレーツフック」を紹介した。ブースの中で暴風を体験できる「ハリケーン」は、コースト・ツー・コースト・エンタテインメント社が披露した。フリッパーはスターン社が新作「アベンジャーズ」など、ジャジージャックピンボール社が「オズの魔法使い」を出品した。

 .米国フロリダ州議会は4月4日、州内に蔓延するTVギャンブル営業を封じ込めるための法案を可決、知事の署名を待つだけになったが、この州法は本来の目的から外れ、リデムプションゲームの運営、特にチケットの払い出しなど大きく制限している、としてアミューズメントマシンのオペレーターらは不満を募らせている。州内には「D&B」や「CEC」など通常のアミューズメントのゲーム場が220ヵ所あるのに対し、「インターネットカフェ」と称する賭博ゲーム場が1,000ヵ所もあり、その対策が急がれていた。そこで州議会の下院は3月22日、上院は4日に法案を可決したものの、細部にこだわりすぎて、かえって法の抜け穴を作ることになり、キャッシュレスカードの使用は禁止になり、リデムプションゲームのプライズは75セントにまで制限された。しかも連邦法であるジョンソン法で指定したスロットマシンの定義にも抵触している、との批判もある。

 .米国司法省は4月8日、ラスベガスにあるネバダ州地方裁判所に、ウィンリゾーツ社とユニバーサルエンターテインメントとの間の民事訴訟手続きの一時停止を求める申請書を提出、双方に対する刑事調査を進めていることを初めて公然化した。複数の通信社が報じた。ウィンリゾーツ社はマカオのカジノ当局者に対して贈賄した疑いが、またユニバーサルはフィリピンのカジノ当局者の関係者に対して贈賄した疑いが表面化しつつあり、それぞれ相手側が米国の海外汚職行為防止法(FCPA)に触れるおそれがあるとして訴訟を起こしており、州裁判所はその審理のための立証手続きを進めているが、それら民事訴訟よりも連邦捜査局(FBI)を含む米国司法省(DOJ)による刑事調査を優先させる必要性から、今回の申請となったもの。これら連邦法違反が明らかとなった場合、双方または一方の米国およびその他の国でのカジノ許可が取り消される恐れがある。

 .米国ルイジアナ州の警察官厚生年金基金などウィンリゾーツ社の株主は、同社を相手取ってラスベガスにある連邦地裁に訴えていたが、地裁のジェームス・マハン判事は、ウィンリゾーツ社またはその役員が何か間違ったことをしたという事実を原告側が示さなかったという理由で訴えを2月に却下したが、再度訴えを提出できることを示したため、基金など株主側は3月中に再提出した。この訴えは昨年ユニバーサルエンターテインメントがウィンリゾーツ社を訴えたことに基づくもので、ウィンリゾーツ社が11年5月の役員会で決定し、12年1月マカオの開発財団大学に1億3千5百万ドルを寄付して、12年5月マカオのコタイ地区に4百億ドルのカジノホテルを建設する承認をマカオ政府から取り付けたのは、米国の海外汚職行為防止法(FCPA)に触れるおそれがあるというもの。ウィンリゾーツ社は、どうせまた却下されると見ている。

 .警察庁・保安課は3月29日、2012年中の風俗事犯の概略を発表、遊技機使用の賭博犯は82件(11年は71件)、453人(453人)検挙し、賭金1億335万円(7,970万円)を押収した。主な検挙事例として、東京都下で携帯電話用ウェブサイトを開設し、利用者を相手に金銭を賭けてポーカーをするなどした配信会社代表と利用者を検挙した件、神奈川県下でカジノ賭博店を開設し、換金可能なチップを賭けてバカラ賭博をさせた経営者らを検挙した件、青森県下で喫茶店経営者がテレビゲームを使用し賭客を相手に賭博をした件の3例を挙げた。風営法に基づく営業許可の必要な「8号営業」(ゲームセンター等)の営業所数は昨年12月末現在、7%減の6,181店(6,648店)で、うち専業店は6%減の3,506店(3,730店)で5年前と比べ20%減少した。遊技設備の設置台数は3%減の446,225台(461,465台)だった。

 .イオンファンタジーは4月9日、13年2月期決算を発表、売上高は448億6千8百万円、経常利益は34億9千万円、最終利益は15億3千5百万円と順調だった。前期から決算期を2月20日から2月末日に変更、海外現地法人を含める連結決算にしているため、前年との比較はできない。国内は3店増3店減の319店(うちFC3店)で、72の既存店の活性化を進め、売上高が3%増の437億円、経常利益は4%増の37億円、純利益は19%減の13億円となった。連結子会社に関わる投資損失5億円の特別損失を計上したが、この引当金は連結決算に影響しない。海外はマレーシア7店増、中国9店増2店減となり、マレーシア27店、中国11店、タイ2店の計40店で、売上高11億円、純損失3億円を計上した。2014年2月期の業績は売上高466億円、経常利益36億円、最終利益15億6千万円を予想している。

 .イオンファンタジーは4月9日、これまで店舗に「モーリーファンタジー」、「ファンタジーアイランド」、「イオンファンタジーワールド」、「ダイナレックス」、「ポップンパーク」など8種類の屋号を使用してきたが、これらをすべて「モーリーファンタジー」に統一、4月から順次新ロゴによる屋号に変更していくことを決めたと発表した。同社では「イオンファンタジーブランド」の確立を重要な政策課題と位置づけ、客へ提供する価値の明確化を目的に「お客様との約束」などの策定を進めてきたが、このほどブランド確立にとって客へのダイレクトメッセージとなる屋号統一を進めることにしたもの。対象になるのは国内316店舗、海外40店舗で、昨年からすでに新ロゴを導入している店舗がある。13年10月末までに屋号統一は終了する予定だが、これに伴い従業員のサービス、これまで以上の「お客さま満足」を実現したいとしている。

 .エスケイジャパンは4月11日に13年2月期業績を上方修正、翌12日に決算発表した。売上高は前年比6%減の82億7千8百万円、経常利益は36%減の1億4千9百万円、最終利益は29%減の1億千9百万円と大幅な減収減益だが、昨年10月の前回予想を上回った。これは子会社ナカヌキヤ清算に伴う費用として特別損失2千9百万円を計上したが2百万円にとどまり、差額2千7百万円を特別利益に計上したことなどによる。キャラクターエンタテインメント事業の売上高は8%減の46億円(うちアミューズメント部門は3%減の38億円、SP部門は26%減の7億円、EC部門は52%減の4千万円)、営業利益は62%増の4千万円、キャラクターファンシー事業の売上高は2%減の28億円、営業利益は44%減の1億円、リテイルの売上高は11%減の7億円、営業損失は5千万円。14年2月期の業績は売上高78億円、経常利益1億5千万円、最終利益1億5百万円と予想している。

 10.オリエンタルランド(OLC)は4月1日、東京ディズニーランド(TDL)と東京ディズニーシー(TDS)の2012年度(4−3月)合計入園者数が、前年同期比8.5%増の2,750万2千人と過去最高だったと発表した。これまでの最高は08年度の2,722万千人で、少なくともこの数字は東日本大震災による被害を完全に克服したものとなった。TDSで昨年7月にアトラクション「トイ・ストーリー・マニア!」をオープン、「ミッキーとダッフィーのスプリングヴォヤッジ」やTDLの「ディズニー夏祭り」などのスペシャルイベントも好評だった上、夏休み、第4・四半期が天候に恵まれたためとしている。13年度は開業30周年を迎え、「東京リゾート30周年」イベントを1年間にわたって催すほか、5月には大幅リューアルしたアトラクション「スター・ツアーズ・ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー」がオープンする予定。

 11.ドイツ・ノバ社(本社ハンブルグ)の元社長、ハンス・ローゼンツバイク氏が3月21日、スペインのマルベーリャにある病院で肺炎治療中に心臓まひで死去した。78歳だった。英国の「インターゲーム」誌が9日、速報で伝えた。ローゼンツバイク氏は1934年バーバリア生まれで、62年からジゲール出版(業界誌「アウトマテンマークト」発行所)に記者として業界入りし、76年輸入会社のシーベント社社長、80年からノバアパラーテ社社長になった。ノバ社は81年にドイツ最大の射幸遊技機メーカー兼オペレーター会社のガーゼルマングループに買い取られ、後にノバゲームス社に改称した。フリッパーはもとより多くのTVゲームを独占的に扱ったため、欧州で最有力業者と評された。ノバ社を拠点に経済活躍したほか、欧州の遊技機業界団体連盟「ユーロマット」の副会長を経て名誉会長になった。98年末に業界を引退、妻ウーテさんとともにスペインに移住していた。
 

 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。