2010年5月15日号Last updated on May 4, 2010
特報
 TDLも「キャプテンEO」の再導入を決定した。

 「エクストリームバーサス」の実機と展開方法が披露された。
海外
 ニッケルズ&ダイムス社はゲームワークス1店を買い取った。

 ブッシュネル氏がフランスのアタリSA役員になった。

国内

 セガサミーは通期予想を大幅修正、コナミは下方修正した。

 メカトラックスの創業者が詐欺容疑で逮捕された。


2010年5月15日号のニュースダイジェスト
写真はバンダイナムコゲームス新作展(大阪会場)で、上は開発中の「機動戦士ガンダム・エクストリームバーサス」を試しているようす。下は同製品のプレイおよびオペレーション方法についてオペレーターに説明をしているようす。

20年前の主なニュース

 大阪の「花の万博」に伴うAMゾーン「マジカルクロス」の運営に約30社が参加した。兵庫県は青少年条例を改正、カラオケボックスへの青少年立ち入りを全面禁止した。大阪府協は夏の「大阪AMショー」開催を無期限延期した。コナミの90年2月期決算は大幅な増収増益だった。(1990年5月15日号)

30年前の主なニュース

 全日本遊園協会(JAA)のAM部会は、「遊技装置付きテーブル」実用新案権がTVゲームと関係ないことを確認した。米国バリー社スロットマシン「ギャラクシー」を使った風営7号店がオープンした。横浜ドリームランドはPOP(ペイワンプライス)を採用した。東京マルサンが発足した。(1980年5月15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.バンダイナムコゲームスは4月22−23日に東京で(26日に大阪、27日に福岡で)新作展を開き、シリーズでは初の同社開発となる「機動戦士ガンダム・エクストリームバーサス」を実機で披露した。システム357を使用して、2on2のチームバトルなど基本プレイを踏襲、エクストリームバースト、エクストリームアクションなどの攻防法でゲームシステムを拡張したとのこと。ICカード使用、オールネットに接続。9月にサテライト10台+ライブモニターとサーバーボックスのキャンペーンセット(税別OP998万円)を出荷、続いて10月に4台+のDXセット(468万円)、12月に4台基板+のSDセット(288万円)を出荷予定。新作展では「レイジングストームSD」、「ターミネーターサルベーション」も紹介された。

 2.オリエンタルランドは4月26日、東京ディズニーランド(TDL)にマイケル・ジャクソン主演の3D映像アトラクション「キャプテンEO」を、今年7月1日−来年6月末の1年間、再導入することに決めた、と発表した。「キャプテンEO」はマイケルが歌とダンスで、暗黒の女王に戦いを挑む内容という、約17分のアトラクション(369席)で、TDLでは87年3月から96年9月まで公開された。後を継いだ3D映像アトラクション「ミクロアドベンチャー!」はこのため、5月10日から休演する。米国カリフォルニア州アナハイムの本家ディズニーランドではファンの要望にこたえて、「ミクロ・オーディエンス」を今年1月初めに打ち切り、13年ぶりに「キャプテンEO」を2月に再開しており、それにならう形となる。

 3.セガサミーホールディングスは4月15日、10年3月期業績予想を売上高3,800億円(09年5月の前回予想では4,200億円)、経常利益345億円(260億円)、最終利益180億円(150億円)と利益面で大幅上方修正した。遊技機と海外での家庭用ゲームソフトの売上高が計画を下回ったため、全体に売上高は約400億円下回る見通しとなった。利益面では家庭用ゲームソフトとゲーム場の利益は計画を下回るが、遊技機と業務用販売で利益率の改善が進んだので、全体に経常利益は増加、最終損益は大幅黒字回復する見込みになった。業務用では、レベニューシェアモデルで販売したタイトルの高稼働で配分収益が計画を上回り、また主力タイトルのCVTキット販売が好調に推移した、と説明している。

 4.コナミは4月16日、10年3月期業績予想(米国基準)を売上高2,610億円(昨年5月の前回予想では3,100億円)、営業利益185億円(300億円)、純利益130億円(160億円)と大幅下方修正した。これは前年比で売上高は16%減、営業利益は32%減、純利益は20%増になる見通しとなる。修正理由として同社は、世界的な景気後退、円高とデフレなど経済環境の影響を受けたことを挙げており、中米と北米でのゲーミング&システム事業が育ってきた、4月に家庭用ゲームソフトのビッグタイトルを発売する、健康サービス事業が好転しつつある、と説明している。

 5.ユニバーサルエンターテインメント(旧・アルゼ)は4月19日、10年3月期業績予想を売上高390億円(昨年11月の前回予想では580億円)、経常損失1億円(120億円の利益)、最終利益226億円(200億円)と大幅に修正した。国内パチスロ事業は第4・四半期に目標を下回り、売上高は伸びなかった。米国の関連会社ウィンリゾート社の業績もあって経常赤字になるが、ウィンリゾートの子会社ウィンマカオ社の公募増資に伴う特別利益248億円を計上して、最終黒字を確保した。同社はまた、フィリピンの経済特区で外資カジノ事業をできるようグループで申請していたが、このほど正式に登録・認可された、と発表した。法人税や付加価値税が免除され、カジノ運営により高い収益が見込まれるとしている。

 6.「メカトラックス」の創業者で技師長が、詐欺容疑で4月26日夜、逮捕された。福岡県警は福岡市が運営する施設「ロボスクウェア」を担当する元市職員、新川信一容疑者(54)と、メカトラックス取締役の古賀俊亘(としのぶ)容疑者(29)を逮捕したと発表した。2人は共謀して05年8月、「ロボスクウェア」主催のイベント「ヒューマノイドカップロボットバトル大会」の運営を、古賀容疑者が個人的に請け負ったように装い、現金約130万円を騙し取った疑いによるもので、2人は容疑を認めているとのこと。ロボスクウェアはロボットサッカー大会を機に02年に設立、運営費の約9割を市が負担している。新川容疑者は別に不適切運営をしたとして、09年2月に停職懲戒処分を受け、依願退職している。

 7.中日本プロジェクトの早川永一(はやかわ・えいいち)会長が3月22日午前1時ごろ、米国ハワイの海岸に近い海中で溺死していたことが、このほど分かった。63歳。通夜は3月28日、告別式は29日、名古屋市名東区の正覚寺で行なわれた。喪主は同社社長で長男の一陽(かずひ)氏。早川永一氏は中日本リースを1975年創業、78年設立。81年にダイナックスに改組するなど再編を重ね、99年にダイナックスソフト事業をテクノトップに分離する一方、本体は中日本プロジェクトとして02年にPCテンプル事業を統合している。「雀遊記」(88)など一連の麻雀ゲームや、「クイズTV合衆国Q&Q」などクイズゲームで知られる、業務用TVゲームソフトメーカー。

 8.米国セガ・エンタテインメントUSA社が3月末に閉鎖した7ヵ所の「ゲームワークス」のうち、インディアナ州インディアナポリスにあるサークルセンター・モール内のゲームワークスは、FEC「ティルト」をチェーン展開しているオペレーター会社、ニッケルズ&ダイムズ社(本社テキサス州カロルトン)が買い取り、再オープンしていることが分かった。4月20日付「インディアナポリス・スター」が伝えた。ニッケルズ&ダイムズ社は5月にもこの店に50台の新ゲームを導入し、店名を「ティルト」に変える予定で、それまではゲームカードの使用を含め、以前のまま営業するとのこと。同社がセガ・エンタテインメントUSA社から買ったのはここだけとしている。

 9.フランスのリヨンに本拠を置くアタリSAは4月19日、社外重役に元米国アタリ社社長のノーラン・ブッシュネル氏を迎え入れたと発表した。アタリSAは、米国アタリINCやアタリジャパンなどを子会社に持つ国際的な家庭用ゲームソフトメーカー、アンフォグラム・エンタテインメント社が、09年5月に改称したもので、01年1月にハスブロ社買収に伴いアタリブランドを手に入れ、子会社の名前を次々アタリに変えていったが、本社の改称は最後になった。その欧州流通子会社、ディストリビューション・パートナーズをバンダイナムコグループは09年7月に取得している。ブッシュネル氏は元のアタリ社創設者で、業務用TVゲームの創始者。後に家庭用ビジネスを開始した。アタリSA社ではもう一人実業家(トム・バーデン氏)も重役になった。

 10.関西サイクルスポーツセンター(大阪府河内長野市)で4月17日午後4時ごろ、アトラクションのひとつである「サイクル観覧車」のゴンドラ部分の扉が約6m下の地上に落下するという事故があった。扉はFPR製で重さ約10kg。ゴンドラ内は無人でけが人はなかったが、営業を休止して調査し、対策を講じることになっている。マイナーなメーカー製の手作りアトラクションで、計8機のゴンドラが、地上からの高さ約12mにある楕円軌道約300メートルを自動で走行する、というもの。扉は閉めるとロックされる仕組みになっているが、係員が扉の開閉の確認を怠ったのが原因と見られている。

 11.経済産業省関係の社団法人日本アミューズメントマシン工業協会(JAMMA)と、警察庁関係の社団法人全日本アミューズメント施設営業者協会連合会(AOU)は4月上旬から下旬にかけて、東京都千代田区九段南3−8−11にある飛栄九段ビル8階にそれぞれ事務所を移転した。JAMMAは「共同事務所で、経費節約など効率的」と説明しているが、AOUによると「同ビルの同フロアに」移転したとするだけで「共同事務所」には触れていない。関係者によると、AOU事務所にはこれまでどおり東京都協(TAMOA)が同居し、また日本SC遊園協会(NSA)や日本アミューズメント産業協会(JAIA)も共同事務所に入るとされている。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。