2010年3月1日号Last updated on Febuary 15, 2010
特報
 バンダイナムコHGが大幅下方修正、「リスターとプラン」を発表した。

 セガサミーはパチンコ回復で黒字転換した。
海外
 英国EAG、ICE/ATEIのデータが揃った。

 英国EAGで披露されたTVゲームの新製品。

国内

 ラウンドワンは通期業績予想をさらに下方修正した。

 任天堂Wii用ゲームをコピーして、1.7億円の損害賠償。


2010年3月1日号のニュースダイジェスト
写真は英国EAG10(エクセル展示場)の、上はバンダイナムコゲームスの小間にて(左から)ナムコアメリカ社の西川豊史氏、ナムコヨーロッパ社のジョン・マッケンジー社長、関根雅邦氏。下はエレクトロコイン社の小間でジョン・スタジーデス社長(右)と米国スターンピンボール社のゲアリー・スターン社長。

20年前の主なニュース

 SNKは大阪で発表会を皮切りに「ネオジオ」システムを業者に公開した。タイトーは取引業者親睦会の「TIT」を発足させた。ナムコは「ウイニングラン鈴鹿GP」のゲーム大会を開催した。TVゲーム開発者を養成する初の専門校「ヒューマンスクール」が4月開校する。(1990年3月1日号)

30年前の主なニュース

 セガ社とタイトーが米国アタリ社製品を販売し、アタリジャパン/中村製作所がアタリ社と販売権巡り訴訟中と判明した。米国ミッドウェー社がトップ異動を実施、デビッド・マロフスキー副社長が社長に昇格した。レジャックの細井久平社長が常務に降格した。日本バーリー電子機器が倒産した。 (1980年3月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.バンダイナムコホールディングスは2月2日、第3・四半期までの9ヵ月(4−12月)業績を発表、売上高は10%減の2,828億円、経常利益は77%減の49億円、純損失は117億円(前年同期は90億円の利益)となった。部門別ではトイホビーの売上高が9%減の1,089億円、営業利益が7%減の96億円、ゲームコンテンツ(家庭用と業務用)は売上高が8%減の1,046億円、営業損失が33億円(106億円の利益)、映像音楽は売上高が7%減の219億円、営業損失が1億円(1億円の利益)、ゲーム場は売上高が17%減の491億円、営業利益が23%減の3千4百万円、その他は売上高が6%減の132億円、営業利益が54%減の1億円。このため10年3月期の業績予想を売上高3,800億円(8月の前回予想では4,000億円)、経常利益5億円(160億円)、最終損失310億円(85億円の利益)と大幅下方修正した。

 2.バンダイナムコHDは2月2日、以上の結果に伴い10年4月からの「リスタートプラン」を発表した。まずグループ再編の一環として、ゲームコンテンツ事業と映像音楽コンテンツ事業を「コンテンツ事業」としてバンダイナムコゲームスに統合、プロデュース集団がパブリッシャー機能を果たすよう再編する。バンダイ、バンダイナムコゲームス、ナムコの各社長は持株会社の取締役を兼任し、持株会社の代表がバンダイナムコゲームスの代表を兼任して、経営責任を明確化するとともにスピードを高める。バンダイナムコゲームスで約200名の希望退職を募集、その他の子会社でも早期退職制度を活用して、10年度末までにグループ7,000人のうち一割(630人)の人員削減を見込む。ゲーム場事業ではグループの強みを生かせる施設への特化に軸足を置き、周辺事業からの撤退を進め、国内10店ほど閉鎖する、としている。

 3.セガサミーホールディングスは2月5日、第3・四半期までの9ヵ月(4−12月)業績を発表、売上高は8%減の2,853億円(億以下は切捨て)、経常利益は276億円(前年同期は50億円の損失)、純利益は169億円(108億円の損失)と黒字転換した。遊技機部門はサミーブランドのパチンコが堅調で、売上高が18%増の1,258億円、営業利益が約5倍の269億円と改善したが、業務用AM機は売上高が33%減の351億円、営業利益が24%減の47億円、ゲーム場(3店増51店減の274店)は売上高が24%減の414億円、営業損失が6億円(49億円)にとどまり、家庭用は売上高が14%減の831億円、営業利益は14億円(56億円の損失)と改善した。通期業績予想は修正していない。

 4.コナミは2月4日、第3・四半期までの9ヵ月(4−12月)業績(米国基準)を発表、売上高は18%減の1,909億円、営業利益は51%減の171億円、純利益は49%減の161億円と大幅な減収減益だった。デジタルエンタテインメント部門は売上高が33%減の1,004億円で、営業利益は57%減の164億円。そのうち家庭用ゲームソフトの売上高は39%減の467億円、業務用は41%減の187億円、カードゲームは1%増の213億円、オンラインは31%減の151億円。健康サービス部門は売上高が5%減の646億円、営業利益が48%減の11億円、ゲーミング部門は売上高が11%増の147億円、営業利益が52%増の38億円だった。通期業績予想は修正していない。

 5.オリエンタルランドは2月4日、第3・四半期までの9ヵ月(4−12月)業績を発表、売上高は5%減の2,860億円、経常利益は7%減の390億円、純利益は6%増の252億円だった。テーマパークは売上高が6%減の2,215億円、営業利益が13%減の320億円、ホテル事業は売上高が0.4%減の348億円、営業利益が24%増の68億円、リテイル事業は売上高が6%減の112億円、営業利益が5倍の1億円、その他は売上高が6%増の184億円、営業利益が4億円(3億円の損失)。ディズニーストアを展開するリテイルネットワークスをウォルト・ディズニー・ジャパンに3月末で売却することを決めた(金額は未公表)。通期業績予想は修正していない。

 6.スクウェア・エニックスHDは2月8日、第3・四半期までの9ヵ月(4−12月)業績を発表、売上高は31%増の1,354億円、経常利益は97%増の210億円、純利益は48%増の77億円だった。部門別は再編しており、大型タイトルがある家庭用の売上高は97%増の729億円、営業利益は99%増の180億円、出版の売上高は16%増の112億円、営業利益は14%増の30億円、モバイルコンテンツの売上高は7%減の75億円、営業利益は5%増の31億円、ライツプロパティの売上高は66%増の44億円、営業利益は279%増の16億円だったが、アミューズメント(主にタイトーのゲーム場運営と業務用販売)は売上高が15%減の392億円、営業利益は20%減の19億円と振るわなかった。

 7.ラウンドワンは2月10日、第3四半期までの9ヵ月(4−12月)業績を発表、売上高は6%増の598億円、経常利益は36%減の46億円、純利益は28%減の22億円と増収減益になった。直営店は10店増え、12月末で104店となった(退店はなし)。売上高の内訳は、ゲーム場が3%増の248億円、ボウリング場が9%増の218億円、スポッチャが3%減の64億円、カラオケが7%増の44億円、その他が25%増の21億円。通期(10年3月期)の業績予想は、売上高830億円(11月の前回予想では860億円)、経常利益90億円(105億円)、当期利益41億円(49億円)とさらに一段下方修正した。

 8.アドアーズは2月10日、第3四半期までの9ヵ月(4−12月)業績を発表、売上高は5%増の203億円、経常利益は142%増の8億2千7百万円、純利益は140%増の4億9百万円だった。主力のゲーム場は81店で、売上高が5%減の147億円、営業利益が17%増の6億2千8百万円。施設設計・施工は売上高が43%増の45億円、営業利益が19%増の7億千百万円、パチスロ機などのレンタルは売上高が18%減の2億円、営業利益が7%減の4千3百万円、不動産は売上高が104%増の7億円、営業利益が8倍の1億4千3百万円だった。なお第3・四半期(10−12月)だけの売上高は0.1%増の66億3千4百万円で、うちゲーム場売上高は9%減の48億2千万円だった。

 9.任天堂の人気ソフトを発売前に違法コピーし、インターネット上でダウンロードできるようにしたオーストラリアの男性が、任天堂に150万豪ドル(約1億千7百万円)の損害賠償金を支払うことで和解した。豪州任天堂が2月9日に発表した。男性はブリスベンの電器店に勤めるジェイムス・バート(24歳)で、入手した「NewスーパーマリオブラザーズWii」を無断コピーし、09年11月12日に同国で発売される前の11月6日にネット上で公開していた。これは世界中からダウンロードできるものだったので、任天堂は直ちに同国の連邦裁判所に著作権法違反で訴えており、裁判所命令に基づき11月23日には家宅捜査が行われ、これらを裏付けるネット上のデータ記録などの証拠が押収されていた。

 10.コナミ・デジタルエンタテインメントは2月3日、ゲーム場向け電子マネー「Paseli」(パセリ)のサービスを今春から開始する、と正式発表した。ゲームデータ保存・リアルランキング可能なネットワークサービス「e−AMUSEMENT」を導入しているゲーム場で、まず「麻雀格闘倶楽部・我龍転生」(09年11月発売済)と「クイズマジックアカデミー7」(3月発売予定)を使って開始し(これら2機種はAOUエキスポ10に出品予定)、利用できる機種を順次拡大するとのこと。「パセリ」は昨年10月の同社新作展で発表、各地でロケテストを実施していた。従来のゲーム内容やプレイ料金を打破するのが狙いとされており、クレジットカードで買えるこのプリペイドカードを利用するにはまず登録(利用設定)が必要になる。

 11.1月下旬ロンドンで開催された英国遊技機展の登録入場者が2月5日に判明、カジノ機器とAWP機関係のICEに15,403人、アミューズメント機関係のATEIに3,012人が登録、計18,415人がアールズコートのICE/ATEI会場を訪れた。出展社はATEIの40社(その主な出展社は業界紙)を含め約400社だった。同時期エクセル展示場で開催されたEAG(ユーロピアン・アミューズメント&ゲーミング・エキスポ)には約110社が出展、4,902人が登録入場した。AWP機の展示を含まないATEIと、含むEAGを単純に比較することはできないが、展示スペースからすれば1対10ぐらいの差が生じている。やはり展示規模と内容で、EAGはこれまでのATEIを実質的に引き継ぐことになったと言える。来年はともに対立したまま、1月25−27日に開催される予定。

 12.事実上ATEを引き継ぐことになった英国EAG10(1月26−28日、エクセル展示場)では、主にAWP(アミューズメント・ウィズ・プライズ)という分野のゲーミング機のほか、TVゲーム機、プライズゲーム機、キディライドなどのアミューズメントマシンが展示された。今回初めて披露されたTVゲームは、エレクトロコイン社の小間で韓国ラッセン社のガンゲーム「バルカンM」、セガ・アミューズメンツ・ヨーロッパ社の小間でセガ社のアドベンチャーゲーム「レッツゴーアイランド!」(デモ画面のみ)、バンダイナムコゲームスの小間で欧州ゲームワックス社のミニチュアレーシングゲーム「ゴーゴー・グランプリ」、セガとバンナムの小間で米国ICE社のガンゲーム「ロビンフッド」や液晶パズルゲーム「ロッキン・ブロックス」など。

 13.英国EAG10で紹介されたTVゲームは上記以外に、バンダイナムコ/ブレントの小間で、「タンク!タンク!タンク!」などナムコ製品、「ターミネーター・サルベーション・アーケード」、「H2オーバードライブ」など米国ロースリルズ社製品があった。セガ・ヨーロッパ社の小間では「セガ・レーシング・クラシック」、「セガラリー3」などセガ製品、映像シミュレーター「XDシアター」などカナダのトリオテック社製品。エレクトロコイン社の小間では、「D1GP」、「パニックミュージアム」などタイトー製品、「GTIクラブ・スーパーミニフェスタ!」などコナミ・デジタルエンタテイメント製品、韓国ラッセン社製品、米国IT(インクレディブルテクノロジーズ)製品。スターン社の新作フリッパー「ビッグバックハンタープロ」も披露した。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。