2010年1月1日号Last updated on December 16, 2009
特報
 S&Sワールドワイド社がIAAPA賞を受賞した。

 業務用なくしたアトラスは利益面で改善した。
海外
 世界最大の賭博機展、G2Eの入場者は2万6千人だった。

 ブッシュエンターがシーワールドパークスに改称した。

国内

 オリエンタルランドはディズニーストア事業から撤退する。

 コーエーテクモHDはグループ再編を発表した。


2010年1月1日号のニュースダイジェスト
写真は米国IAAPA09にて、上はセガアミューズメンツ社が出品した米国カシモト社「ゲームゲート」の操作部分。下はIAAPA賞を受賞した米国S&Sワールドワイド社「フリーフライ・ローラーコースター」の車両部分。

20年前の主なニュース

 米国任天堂はNES用ソフト巡る訴訟の訴因に、セキュリティチップの著作権侵害を追加した。AOUは社団法人化が遅れ、設立総会を通常総会に切替えた。米国アタリゲームズ、米国セガなど4社が合同DB会合を開催した。初の任天堂家庭用ソフト展が開かれ、山内溥社長が講演した。(1990年1月1日号)

30年前の主なニュース

 「ギャラクシアン」コピー品を販売した西日本販売に、大阪地裁は不正競争防止法に基づく販売禁止の仮処分決定を出した。米国IAAPAショー79では吊り下げ型「サスペンディッドコースター」などスリルライドが披露された。米国シーバーグ社がチャプターイレブンを申請した。(1980年1月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.米国IAAPA09で展示会場の主役となる遊園施設メーカーは、米国S&Sワールドワイド、チャンスモーガン、プリミアライド、ドイツのマック、ジーラー、オランダのベコマ、スイスのインタミンがそれぞれローラーコースターなどの製品を紹介した。優れた出品機などに贈られるIAAPA賞は、遊園施設部門で座席部分を両側に吊り下げたローラーコースター、「フリーフライ・ローラーコースター」を披露したS&Sワールドワイド社がインパクト賞とともにダブル受賞した。映像シミュレーター、アニメロボの分野も活発だった。スイッチが入ると石像が動き出すディストーションズ・アンリミッテッド社「ガーゴイルショック」が人気を集めた。

 2.米国の大手遊園地運営チェーンのひとつ、ブッシュ・エンタテインメント社(本社オーランド、ジム・アチソン社長)が12月1日、新社名「シーワールド・パークス&エンタテインメント」に変わった。同社は50年間、バドワイザーで有名なビールメーカー、アンハイザー・ブッシュ社の子会社だったが、この親会社が08年7月ベルギーのインベブ社に買い取られアンハイザー・ブッシュ・インベブ社となったのに伴い、09年10月に米国のプライベート・エクイティ(PE)であるブラックストーン社に売却されたため、いずれ社名は変更されると言われていた。同社が運営するオーランド、サンディエゴ、サンアントニオの「シーワールド」と、タンパとバージニア州ウィリアムズバーグにある「ブッシュガーデン」など、計10ヵ所あるパークの名前は変わらない。

 3.オリエンタルランド(OLC)は12月11日、国内ディズニーストア事業から撤退するため、ウォルト・ディズニー・ジャパン(東京都目黒区)と交渉開始で合意した、と発表した。ディズニーストア事業は02年4月にウォルト・ディズニー・ジャパンから買い取り、OLC子会社のリテイルネットワークス(東京都目黒区)が運営、04年3月期に売上高247億円、営業利益40億円を計上したが、その後は個人消費低迷の影響を受け、売上高は落ち込んだままで、09年3月期の売上高162億円、営業損失3億円、期末店舗数57店。OLCは経営資源を利益率の高いテーマパークなどに集中する方針。ディズニーストア事業の具体的な譲渡方法は、現在のところ未定。

 4.世界最大の賭博機展、米国グローバルゲーミングエキスポ(G2E)2009(ラスベガス、11月17−19日)には571社(前年は724社)が出展、90ヵ国から2万6千百人(2万6千5百人)の業者が登録入場した。うち国外からは4,250人(3,900人)が入場した、と主催者のアメリカンゲーミングアソシエーション(AGA)が12月7日に発表した。TVゲーミング機など最新のカジノ機器とシステムが紹介された。主な出展社は大きい順に米国IGT、米国バリー・テクノロジー、豪州アリストクラット、米国WMS、アルゼゲーミング社、コナミゲーミング、ノボマティック(オーストリア)など。欧米、豪州、東欧からに続き、韓国、台湾、中国といった東アジアからの出展が最近では目立っている。

 5.アトラスは12月9日、第1・四半期(8−10月)業績を発表、売上高は31%減の44億円、経常利益は22%増の3億7千万円、純利益は4億千万円(前年同期は5千9百万円)と大幅減収だが利益面でかなり改善した。赤字部門になっていた業務用機器を3月末で廃止したためで、ゲーム場運営も12月1日付けでNEWSとして分社化しその86%を44億7千万円で売却している。部門別では家庭用の売上高が22%減の26億円、営業利益は47%減の4億円、ゲーム場運営の売上高は26%減の17億円、営業利益は46%減の1億円といずれも大幅に後退した。為替差損千百万円を営業外費用に、PIC倒産に伴う貸倒引当金繰入額1億6百万円を特別損失に計上するとしている。

 6.セガサミーホールディングスは12月8日、子会社サミーが、パチンコ/パチスロ遊技機メーカーの銀座(愛知県瀬戸市、伊藤二博社長)の全株式を取得、完全子会社にした、と発表した。伊藤二博社長から取得するが、金額は公表されていない。銀座の09年3月期売上高は179億円、経常利益は5億9千万円、純利益は5億4千万円。セガサミーではサミーを通じ05年10月に銀座の株式の49%を取得、業務提携したが、08年11月に業務および資本提携を完全に解消した経緯がある。セガサミーグループは遊技機事業に関し、サミーブランドの比率を高めながらマルチブランド展開を進める、という方針で進めるとしている。これによる業績予想の修正はない。

 7.コーエーテクモホールディングスは12月14日、家庭用ゲーム事業を機軸としたグループ再編を10年4月に実施すると発表した。家庭用ゲームソフトとオンライン・モバイル事業を担うコーエーテクモゲームスを新設、コーエー、テクモと海外開発会社を開発子会社として集約する。テクモウェーブはコーエーテクモウェーブとなり、メディア・ライツ、スロット・パチンコ、ゲーム場運営を担当する。コーエーネットはコーエーテクモネットとなり、国内販売を担当するというもの。テクモは09年4月の統合よりずっと前の02年以来、業務用ゲーム機事業から事実上撤退しており、ゲーム場運営事業のみでAM業界とつながっていることになる。

 8.米国AMIエンタテイメント社は、デジタルジュークボックスを扱う上で違法となることや違法とならないことをオペレーターに周知させ、故意に違反した者を著作権法で処罰するため、全米レコード協会(RIAA)および連邦捜査機関と密接に連携していることを12月4日までに明らかにした。AMI社の法務担当、ボブ・フェイ氏が業界紙の「リプレイ」に語ったもので、主に郊外ロケで見受けられる著作権侵害例に関し、FBIや司法省と共同作業を進めているとのこと。フェイ氏は特に、ジュークボックスの演奏に関し許諾料を支払っていても、元の音楽ソフトが正規のレコードやCDでなく偽物の場合オペレーターは処罰される恐れがある、と警告している。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。