2009年5月15日号Last updated on May 2, 2009
特報
 アトラスは直営店で顧客情報が盗まれたことを明らかにした。

 店頭用ゲーム機の「ゲーム博物館」が風営許可の申請へ。
海外
 来年1月以降の英国の展示会予定がほぼ決まった。

 インドネシアでFEC「タイムゾーン」がブランド化している。

国内

 トムスのゲーム場は大幅後退したが、今期も大幅減収を予想。

 日本ビー・エム・シーが自己破産の手続き準備に入った。


2009年5月15日号のニュースダイジェスト
写真は20年前まであった宝塚ファミリーランド内ヘルスセンターのアーケードゲーム場のようす。1920年代なかごろ宝塚新温泉に娯楽施設が加わって出来た日本最古のAMゲーム場を起源とするロケーションで、60年にヘルスセンターとして開業、長年親しまれたが、89年3月に惜しまれながら閉鎖、撤去された。

20年前の主なニュース

 米国テンゲン社は任天堂相手にさらに「テトリス」著作権訴訟を起こしたが、任天堂はソ連側の暴露声明を明らかにした。AOUは警察関係社団法人化の検討を開始した。タイトーは「F2」システム基板を発表した。電通ブロックスは凹面鏡を利用した立体映像の「デルビジョン」を披露した。(1989年5月15日号)

30年前の主なニュース

 東京ディズニーランド(TDL)建設運営計画で、オリエンタルランドと米国ディズニー・プロダクションが正式調印した。東洋娯楽機も宙返りコースターを完成させた。ユニバーサルが遊園地分野に進出した。エスコ貿易が米国エキシディ社のコックピット型「スターファイアー」を発売した。(1979年5月15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.警察庁・保安課は4月23日に08年中の風俗関係事犯についての概略を発表、遊技機を使用した賭博犯は120件(前年117件)、711人(699人)を検挙、賭金約1億5千万円(2億1千万円)を押収した。うち暴力団が関与していたのは44%の53件、315人だった。香川県で08年5月、パチスロ遊技機を使用し1点40円で換金可能な点数を賭けさせていた経営者らを常習賭博で検挙、遊技機17台を押収した、などの事例がある。なお、風営法で規制している「8号営業」(ゲームセンター等)の営業所数は昨年12月現在、6%減の8,137店(8,652店)、設置台数は2%増の486,582台(474,808台)で、一店あたりの台数は54.9台(50.6台)と大型化が進んでいる。

 2.アトラスの直営ゲーム場「ムー大陸戸塚店」(横浜市戸塚区汲沢町)に4月22日午前4時半ごろ3人組の強盗が入り、売上金約300万円などを奪って逃走した際、メダル預かりシステムで登録された顧客情報を記録したUSBメモリーなども盗まれていたことに関し、アトラスは28日に客にお詫びするべく事情を明らかにした。報道によると、同店では午前0時に閉店後、ゲーム機を点検していたとのこと。女性社員(32)と20歳代の男性アルバイトが残っていた。アトラスによると、盗まれた顧客情報は1,584件の住所、氏名、電話番号など。不正利用の事実は確認されていないが、再発防止に取り組むとしている。

 3.「新幹線ゲーム」や「国盗り合戦」など往年の店頭用ゲーム機約30台を集めた「ゲーム博物館」が、東京都板橋区宮本町にある板橋イナリ商店街の一角で今年も3月8日からオープンしていたが、風俗営業(8号)の許可を得なければならなくなったため、許可を取得するまでゲーム機で遊べなくなった、と4月17日明らかにした。駄菓子屋の店先によくあったこれらの機械を通じて過去を懐かしみたい人びとの思いと、空き店舗に悩む商店街側の願いが一致、これまで期間を決め臨時営業して来た。だが有料で遊ばせると風営法から免れないことが分かったため、許可申請することにした。そのためゲーム機設置営業は許可されるまで停止されているが、駄菓子の販売と機械の陳列はこれまでどおり行なわれている。

 4.英国ATEI2011はアールズコートから遠くないオリンピア展示場に移転する見込みとなった。60年以上英国の業界を支えて来たATEIは、1991年にオリンピア展示場からアールズコートに移ったが、その後ATEIから分離独立したカジノ関係のIGEが主流となり、元のATEIは不便な場所に追いやられ、その結果今年から業界紙のインターゲーム社による展示会IGXがすぐ近くのホテルで開かれる状況になってしまった。ATEIの運営会社、クラリオンゲーミング社は4月21日、11年1月のオリンピア展示場は確保できたと発表した。IGEなどは従来どおりアールズコートで開催される。なお2010年1月のATEIはアールズコート1階に戻すことになったが、BACTAとインターゲーム社は新たな展示会「EAG」をエクセル展示会場で開くとしている。

 5.インドネシアのトップブランド調査(09年)によると、子ども向けブランド部門で「タイムゾーン」が首位になったことが分かった。2位は「クラフト」チーズだった。「タイムゾーンは」オーストラリアの大手メーカー/オペレーターのLAIグループと、インドネシアの大手小売グループのマタハリ・プトラ・プリマが96年に設立したオペレーター会社(デビッド・デイルCEO)で、ジャカルタを始めインドネシア各地に、同名のファミリー・エンタテイメント・センター(FEC)を118ヶ所も展開している(従業員1,057人)。同社では、知名度や市場での地位など、極めて高いことが証明されたとしている。

 6.トムス・エンタテインメントは4月30日、09年3月期連結決算を発表、売上高は前年比5%減の141億円、経常利益は68%減の2.8億円、当期利益は87%減の6千7百万円と大きく後退した。部門別ではアニメーション事業の売上高が2%減の100億円で、営業利益が16%減の9億円、子会社のAGスクエアが担当するAM事業は売上高が13%減の41億円で、営業利益が95%減の2千4百万円だった。運営するゲーム場は1店増の25店。トムスでは10年3月期の業績予想で、AM事業の売上高はさらに56%減の20億円と大幅減収を見込んでいる。

 7.ネクストジャパンホールディングスは4月23日、潟uレイク(東京都台東区浅草橋、斉藤慶社長)の株式100%を1億7千5百万円で取得、子会社にしたと発表した。ブレイクはネクストジャパンHDの藤沢信義現代表(08年10月就任)が05年11月に設立したオペレーター会社で、持株比率は藤沢信義氏75%、斉藤慶氏15%などとなっている。現在ゲーム場3店を運営、また景品を販売しており、08年11月期売上高は約7億円、純利益は6百万円。これに伴いネクストジャパンHDは09年7月期業績予想を上方修正したが、それでも予想される最終赤字の金額は変わらない。

 8.東京ドームは4月25日、東京ドームシティに新たに3つのアトラクションを導入、オープンした。アトラクションの内訳は、参加者体験型ロールプレイングの「マジクエスト」(1プレイ千円)、3Dメガネをかけて8人乗りのライドに乗車する4D「トウキョウパニッククルーズ」(千円)、ウォークスルー型「ルパン三世〜迷宮の罠〜」(800円)。うち「マジクエスト」は東京初登場となる。また戦隊ヒーローショーなどの屋内アクションシアター「シアターGロッソ」も加わる。これらの投資額は明らかにされていない。新アトラクションに伴い販売用関連グッズも用意される。またゲーム場も「リッツカーニバル」、「カーニバルプラス」の2ヵ所新設された。

 9.コナミは4月24日、09年3月期業績予想(米国基準)を、売上高3,090億円(2月の前回予想では3,070億円)、営業利益275億円(390億円)、最終利益102億円(185億円)に修正した。健康サービス事業の構造改革費用(固定資産の前倒し償却)111億円と、持分法適用会社で業務提携先のリゾートソリューションの株式評価損43億円を計上することになったためで、前年比で売上は好調だが大幅減益になる見込みとなった。

 10.アルゼは4月27日、完全子会社のアルゼマーケティングジャパン(東京、徳田一社長)を6月1日付で吸収合併することになった、と発表した。パチンコ・パチスロ事業について再びアルゼ本社と統合、直接取り組むことにより、この分野での業績回復を図るというもの。これに先立ち2月には、アルゼレンタルサービスなど3社をアルゼマーケティングジャパンに統合している。

 11.鞄本ビー・エム・シー(大阪市平野区長吉長原、大橋幸彦社長)が4月27日、業務を停止するとともに自己破産申請手続きの準備に入った。負債は16億8千5百万円。73年9月創業、89年8月に設立した中堅のオペレーター会社で、ゲーム機の製造企画・販売にも携わっていた。08年8月期売上高31億3千百万円。(以下続報)6月30日付官報によると、同社の申請に対し、大阪地裁は6月19日に破産手続き開始を決定した。負債総額は24億2千6百万円に増えた



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。