2009年2月1日号Last updated on January 20, 2009
特報
 福岡の大長商事が民事再生手続きを申請した。

 台湾でカジノ開設に道を開く離島開発法が成立した。
海外
 米国のアルゼゲーミングはトゥルーブルー社を買収した。

 ロシアで7月以降主要都市からカジノが消える予定だが…

国内

 改善していないコイン返却口で、指切断事故が起こった。

 神奈川県の喫煙規制条例素案で、またも議論。


2009年2月1日号のニュースダイジェスト
写真はAOU近畿地区新年会で、上は(左から)ナムコの楠井克典氏、ユウビスの川楠俊太郎社長、AOUの鈴木剛夫専務、ナムコの橘正裕社長。下は(左から)バンダイナムコゲームスの加々見章執行役員、エスケイジャパンの久保敏志社長、セガ社の山下滋執行役員。

20年前の主なニュース

 米国任天堂はアタリゲームズ社に対し反訴を提出し、全面的反撃を開始した。消費税導入に伴い、4月から娯楽施設利用税は廃止、「7号」風俗営業の許可更新制もなくなる。警察庁は「解釈基準」を出し、オートバイタイプを含む模擬操縦は「8号営業」の規制対象外だと明文化した。セガ社「テトリス」が直営店でヒットし始めた。(1989年2月1日号)

30年前の主なニュース

 米国アタリ社のノーラン・ブッシュネル会長が解任され、家庭用担当のレイ・カサール氏が社長になった。「スペースインベーダー」の製造許諾と無断コピー問題を議論する会合が開かれた。タイトー公認のシングルレコード「ディスコ・スペースインベーダー」が発売された。本紙主催の視察団が英国ATEを訪れた。(1979年2月1−15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.大長商事梶i福岡市東区松島、長友一郎社長)が1月19日、民事再生手続きを申請、福岡地裁は保全命令を出した。負債は約55億円。58年4月に創業、68年6月に設立したオペレーター会社で、九州を中心に郊外直営の「FESTA」8店、SC内の「ふぇすたらんど」29店、ゲーム場「ザ・サードプラネット」2店と玩具自販機のシングルロケを経営、08年1月期の売上高は72億8千3百万円だった。消費の冷え込みが厳しく、出店・ゲーム機経費の増大で収益が低下、借入金が重荷になったもの。社長は05年春に創業者の長友隆典氏から長友一郎氏に交代した。なお長友一郎氏はAOUの運営委員のひとり。

 2.奈良県にある商業施設「ファッションセンターしまむら」香芝店のゲームコーナーで12月21日午後2時過ぎ、大和高田市の会社員の次男(2歳)が業務用TVゲーム機のコイン返却口に指を入れて遊んでいて、左手の人差し指の第一関節を切断するという事故が起こった。機械はアイレムの汎用キャビネット「マドンナ」で90年代製、しまむらと契約しているプレビが設置運営している。コイン返却口の安全対策については、旭精工、セガ社、ナムコなどが積極的に進めているが、改善していなかったオペレーターがいたことになる。JAMMAは1月7日、対策の徹底を会員および関連団体に通知した、としている。

 3.神奈川県は不特定多数の人の集まる施設における喫煙規制条例案作りを進めているが、100u以下の小規模飲食店や1−7号の風俗営業店については、分煙や禁煙は「努力義務」にとどめ、実質的に規制対象から外す方向になった。08年12月にまとめた条例素案でも「3年間猶予する」として規制対象に残っていたのを、1月13日修正して規制から外した。風営施設については喫煙者が多く、「青少年の利用が本来想定されていない」というのが理由だが、飲食・風営業者側の反発を避ける形となった。なお「8号営業」のゲーム場については骨子どおり分煙や禁煙が必要になるもよう。条例案は2月定例県議会に提出される予定。

 4.スリルライドの中でも際物(きわもの)専門メーカーと言える、米国インタラクティブライド社(ユタ州ローガン)が08年12月10日、フィリピンのクラウンリージェンシーホテル(セブシティ)の最上階(130m)外側に、2人乗り座席が65度傾く「エッジコースター」などが完成して注目されている。40階の高さで移動しながら、乗客の操作により座席の傾きを変えられるのが特徴。なおロープだけを身につけて、足元が透明なフロアを歩き回る「スカイウォーク」なども完成しているが、ラスベガスのストラトスフィアタワーにあるのと同じ「インサニテイ・ザ・ライド」が出来るのは2010年になるとのこと。

 5.台湾で1月12日、離島に限りカジノ(公認賭博場)開設を可能にするという法案「離島建設条例」改正案が、立法院(国会)で可決した。10年以上議論されてきた台湾でのカジノ導入に道筋をつける法律で、与党の国民党は公約に掲げていた。台湾海峡に浮かぶ澎湖諸島など、離島の経済振興を目的としており、住民投票での過半数の賛成を条件に、観光施設内のカジノ併設を認めるもの。マカオと同様の中国本土からの観光客誘致などが期待されているが、野党の民主進歩党は自然および風俗環境を破壊するおそれが大きい割に、経済効果は限定的と批判、国民党内からも「治安悪化が危惧される」という反対意見がある。

 6.アルゼの米国子会社、アルゼ・ゲーミング・アメリカ社は1月14日、スロットマシン企画会社のトゥルー・ブルー・ゲーミング社グループ(ラスベガス)を買収、その責任者のケント・ヤング氏をアルゼ・ゲーミング社の副社長に迎えることで合意した。16日アルゼが発表した。トゥルー・ブルー社は、アリストクラット・アメリカ社のマーケティング担当副社長だったケント・ヤング氏が独立・設立したもので、同様にアリストクラット社での業績を持つスコット・オリーブ氏ら開発陣を抱えている。2月中にこの契約は実施され、トゥルー・ブルー社はアルゼ・ゲーミングの完全子会社となり、スロットマシン開発・製造・販売の企画を担当することになる。

 7.モスクワなどロシアの主要都市から7月1日以降カジノ(公認賭博場)を一掃、特別に移転させる予定だが、この計画に早くも暗雲が垂れこめている。旧ソ連崩壊後、主要都市に多数のカジノが出現したが、賭博中毒や賭博がらみの犯罪、マフィアなど犯罪組織との関連が深刻となったため、ロシア国会は主要都市からカジノを一掃し、カリーニングラード、アルタイ地方、アゾフ海沿岸、沿海州の4ヵ所に集約する法律を07年までに制定、09年7月に施行することにした。しかしこれらのカジノ特別地域はいずれも僻地で、アゾフ以外は場所すら決まっていない。主要都市ではカジノからの法人税収がなくなる上、非合法カジノの蔓延も予想されており、一筋縄ではいかないもようだ。

 8.サン企画梶i東京都台東区浅草橋、水越秀明社長)が破産手続きを申請、東京地裁は12月17日に手続き開始を決定した。74年8月設立のAM機器の販売、設置運営業者だった。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。