2008年12月1日号Last updated on November 15, 2008
特報
 「マジコン」セットをネット販売した3名を、京都府警が逮捕。

 セガサミーHD9月中間決算、減収だが赤字幅は縮小。
海外
 米国ディズニー社決算は好調だが、米国内にかげりも。

 UAEの屋内娯楽施設、「セガリパブリック」に決定。

国内

 中間決算、各社ともゲーム場は減益傾向に。

 カプコンはメーカー買収し、パチスロ分野に本格進出。


2008年12月1日号のニュースダイジェスト
写真は今年のAMショーで、上はセガ社の2人乗りオフロードレース「ハマー」を試しているようす。下はジオラマを舞台にCCDカメラ搭載の模型列車を操縦する、ホープの「ザ・ワールド・オブ・トレイン」(手前は操作部分)。

20年前の主なニュース

 並行輸入を口実に入ってくるTVゲーム基板の9割はコピー品だった、と米国AAMAが発表した。米国連邦議会は「ジュークボックス週間」設定を決議した。分裂していた東京都協は新協会で統合することになった。大阪府協は大阪AMショー計画に着手した。ナムコはTVゲーム「未来忍者」に伴い、同名劇場映画を制作した。(1988年12月1日号)

30年前の主なニュース

 無断コピー品対策と需給バランス解消を目的に、タイトー「スペースインベーダー」で国内初の製造許諾が始まった。海外許諾品の米国ミッドウェー社製も緊急逆輸入した。米国AMOAエキスポ78はアーケードゲームが順調で、一段と規模を増した。日本からも多数の視察団が繰り出した。米国PSE社が倒産した。(1978年12月1日号)


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【ニユースダイジェスト】

 1.京都府警生活経済課と南署らは11月13日、ニンテンドーDS用の無断コピーソフトを販売していたとして、大阪府寝屋川市の元会社社長朝霧由章(37)ら3人を著作権法違反(譲渡権侵害)の疑いで逮捕した。ゲームソフト違法販売で譲渡権侵害が適用されるのは初めて。3人とも容疑を否認しているとのこと。調べによると、容疑者らは5タイトル分のゲームソフトデータを収めたマイクロSDと、DSと接続するための「マジコン」という装置をセットで、約1万千円でネット販売していた。京都府警の捜査員がサイバーパトロールで発見、任天堂が告訴した。なお任天堂を含む55社は今年7月、「マジコン」の輸入・販売を阻止すべく、不正競争防止法に基づく訴訟を起こしている。

 2.セガサミーホルディングスは10月31日、9月中間業績を発表、売上高は前年同期比13%減の2,004億円、経常損失は84.8億円(39.2億円)、中間損失は95.5億円(202.6億円)と減収ながら赤字幅を減らした。部門別ではパチンコ・パチスロがいぜんとしてふるわず、売上高が35%減の652億円、営業損失が10億円(121億円の利益)。AM機器の売上高は0.3%増の344億円、営業利益が156%増の46億円。ゲーム場は3店増19店減の期末347店で、売上高は22%減の371億円、営業損失は28億円(22億円)。家庭用の売上高は50%増の620億円、営業損失が59億円(125億円)だった。

 3.バンダイナムコHDは11月5日、9月中間決算を発表、売上高は前年同期比11%減の1,907億円、経常利益は58%減の72億円、中間利益は84%減の12.8億円と振るわなかった。部門別では、トイホビーの売上高が12%減の732億円、営業利益が23%減の44億円、ゲーム場の売上高が12%減の405億円、営業利益が50%減の10億円、ゲームコンテンツ(業務用と家庭用)の売上高が9%減の564億円、営業利益が98%減の1.2億円などとなっている。ゲーム場は7増38減の262店。同社はこれに伴い通期(09年3月期)業績予想を売上高4,400億円(5月の前回予想では4,700億円)、経常利益260億円(395億円)、当期利益130億円(225億円)と大幅に下方修正した。

 4.コナミは11月6日、9月中間決算(米国基準)を発表、売上高が10%増の1,469億円、営業利益が75%増の228億円、中間利益が90%増の119億円と好調だった。部門別では、デジタルエンタテインメントがPS3用「メタルギアソリッド4」などのヒットで売上高が26%増の930億円、営業利益は103%増の263億円、健康サービスの売上高は4%増の454億円、営業利益は56%減の16億円、ゲーミング&システムの売上高は3%増の78億円、営業利益は変わらずの10億円。デジタルエンタテインメント事業の売上高のうち家庭用は48%増の419億円、業務用は5%増の249億円、カードゲームは13%増の131億円だった。

 5.カプコンは11月5日、9月中間決算を発表、PSP用「モンスターハンターポータブル・セカンドG」がヒットし、売上高は0.4%増の312億円、経常利益は21%増の41億円、中間利益は17%増の18億円と好調だった。部門別では家庭用の売上高が1%増の164億円、営業利益が48%増の36億円。ゲーム場(1増1減の42店)の売上高は7%増の68億円、営業利益は66%減の2億円。業務用の売上高は192%増の40億円、営業損益は7億円と黒字に転じた。コンテンツエキスパンションは売上高が55%減の25億円、営業利益は86%減の2.6億円など。パチスロ機メーカーのエンタープライズ(東京、酒井幸長社長)を買収、90%子会社にして、パチスロ分野に本格参入したことも発表した。

 6.スクウェア・エニックスHDは11月4日、9月中間期業績予想を修正、7日に中間決算を発表した。売上高は前年同期比6%減の680億円(5月の前回予想では700億円)、経常利益が4%増の97億円(40億円)、中間利益が16%増の60億円(25億円)だった。ニンテンドーDS用「ドラゴンクエストV」など家庭用ゲームソフトが好調で、出版事業、オンラインゲーム、モバイルコンテンツも順調だったことによる。しかし、タイトーが担当するAM事業は、売上高が13%減の301億円で、営業利益は1億円に満たない8千百万円(前年同期は13億円)だった。ただし、業務用「ロードオブヴァーミリオン」などを含む「その他事業」は売上高が96%増の72億円で、営業利益は56%増の20億円だった。タイトーの親会社だったスクウェア・エニックスは、持株会社の10月1日発足に伴い、タイトーと同様持株会社の子会社となった。

 7.ラウンドワンは11月7日、9月中間決算を発表、売上高は0.8%増の387億円、経常利益は31%減の58億円、中間利益は52%減の23億円と大幅減益だった。売上高の内訳はゲーム場が0.4%減の163億円、ボウリング場が1.3%減の135億円、スポッチャが3.3%増の48億円など。2増2減の83店。同社は中間期業績が当初予想を下回ったことから、通期(09年3月期)業績予想を売上高800億円(5月の予想では850億円)、経常利益120億円(167億円)、当期利益59億円(96億円)へと大幅下方修正した。

 8.アドアーズは11月12日、9月中間決算を発表、売上高は前年同期比11%増の127億円、経常利益は54%減の6億3千万円、中間利益は46%減の3億4千万円と増収ながら減益だった。主力のゲーム場は新規開設、店舗買収などにより13店増やし、4店減らした結果、売上高は7%増の102億円となったが、営業利益はコスト増により54%減の7億5千万円となった。店舗設計・施工の売上高は67%増の20億9千万円、営業利益は807%増の3億9千万円。パチンコ・周辺機器レンタルと、不動産その他の各事業はふるわなかった。

 9.米国ウォルトディズニー社は11月6日、第4・四半期(4−9月)決算と通期(08年9月期)決算を発表、第4・四半期の売上高は前年同期比6%増の94億ドル、純利益は13%減の7.6億ドル、通期の売上高は7%増の378億ドル、純利益は5.5%減の44億ドルと増収減益だった。うちテーマパークとホテル部門「パークス&リゾーツ」の通期の売上高は8%増の115億ドル、営業利益は11%増の19億ドルと堅調だが、第4・四半期の売上高は7%増の29億ドル、営業利益は4%減の4億ドルで、米国の金融不安の影響により客足が鈍っており、ロバート・アイガー社長兼CEOは「ディズニーでさえも世界的な経済環境の変化と無縁ではない」と説明している。

 10.オリエンタルランド(OLD)は11月5日、9月中間決算を発表、売上高は前年同期比11%増の1,810億円、経常利益は5.6%増の158億円、中間利益は4.6%増の88億円と好調だった。部門別ではテーマパークの売上高が10%増の1,425億円、営業利益が18%増の156億円、ホテル事業の売上高が28%増の210億円、営業利益が47%減の18億円、リテイル事業の売上高が10%減の73億円、営業損失が4億円など。同社は東京ディズニーランドに3Dシアターのアトラクション「ミッキーのフィルハーマジック」(450席、投資額60億円、11年完成予定)の導入を決めた。そのためこれまであった「ミッキーマウス・レビュー」は、09年5月下旬に終了する。

 11.セガ社は11月5日、アラブ首長国連邦(UAE)のエマール・モールズグループ社(EMG、本社ドバイ)が開発中の世界最大級のSC「ドバイモール」内に、両社が相互許諾して建設する屋内型娯楽施設の名称を、「セガリパブリック」に決めたことを発表した。ドバイモール自体は今月第1期オープンし、09年春に開業予定。「セガリパブリック」は2フロア約7千uの敷地内に、世界初の「ストームG」、「ソニックホッパー」、「スピンギア」と、「アウトラン2SP」、「レッツゴージャングル」を含め9機種のアトラクションと、250台のゲーム機などを設置する予定。

 12.英国国立メディア博物館に、TVゲームの歴史に重要な役割を果たしたハードウェア、ソフトウェアなどを保存する「国立ビデオゲーム・アーカイブ」が誕生した。BBCニュースが10月28日に報じたもので、ノッティングガム・トレント大学が主体となり、ブラッドフォードにあるメディア博物館の協力を得て、基本的に家庭用の本体、カートリッジ、広告資料などを記録として保存していく。世界で初めて成功した業務用「ポン」から取り上げることになっており、業務用と重なる部分も十分ありそう。この保存運動は英国の「セーブ・ザ・ビデオゲーム」というグループが推進している。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。