2008年9月1日号Last updated on August 15, 2008
特報
 セガサミーHDは遊技機不振で第1・四半期決算の赤字幅を広げた。

 バンダイナムコHDも第1・四半期決算で利益を大幅に減らした。
海外
 米国でメリット社製品のコピー品が一斉取締りとなった。

 米国アイオワ州でVLT機が禁止され、そのための訴訟が和解に終わった。

国内

 OLCは増収だが大幅減益に、USJは前年の反動で減収減益に。

 倉敷チボリの12月末閉園が確実になる。


2008年9月1日号のニュースダイジェスト
写真はセガ社が7月上旬開いた新作展(大阪)で、上はTVガンゲーム機「愛されるより愛シタイ」、下はTVカーレースゲーム機「R改:アルティメットストリートレーシング」を試しているようす。いずれも12月発売予定。

20年前の主なニュース

 TOKAI、西部リース、セガ社など共同出資した「ジョイスクエア・イン・ハママツ」がオープンした。SCロケの44%が風俗営業(8号)になっていることが判明した。ナムコは日本ビデオネットワークに出資、経営支援に乗り出した。日本空挺はホバークラフト式遊戯乗物「きんと雲」を開発した。(1988年9月1日号) 

30年前の主なニュース

 全日本遊園協会(JAA)ショー委員会は、出展明細書の提出を義務付け、電取法違反品の撤去手続きを決めた。ユニバーサルグループは上野のタカラホテルで「テーブルスクラッチ」ゲーム大会を開催した。マル三商会は「ニチイ高知店」に大型ゲーム場を開設した。ナムコはアタリ社フリッパー「ミドルアース」を発売した。(1978年9月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.セガサミーホールディングスは7月31日、第1・四半期(4―6月)業績を発表、7号遊技機の後退は止まらず、売上高は22%減の約746億円で、経常損失は99億円(前年同期は14億円)、純損失は105億円(51億円)と赤字幅を広げた。7号遊技機の売上高は68%減の120億円で営業損失は43億円(66億円の利益)、業務用AM機の売上高は10%減の137億円(国内120億円、海外17億円)で営業利益は17%増の7億円、ゲーム場は期末357店(442店)となり売上高は24%減の174億円で営業損失は15億円(8億円)、家庭用ゲームソフトの売上高は91%増の305億円で営業損失は41億円(72億円)だった。

 2.バンダイナムコホールディングスは8月6日、第1・四半期(4―6月)業績を発表、売上高は6%減の899.8億円、経常利益は55%減の24.9億円、純利益は63%減の10億円だった。部門別ではトイホビーの売上高が12%減の354億円で営業利益は27%減の20億円、ゲーム場運営(直営は国内279店、海外100店)の売上高が10%減の194.7億円で営業利益は80%減の7千万円、ゲームコンテンツの売上高は4%増の255億円で営業損失は2億円(前年同期は4億円の利益)などとなっている(うち業務用販売は国内88億円、海外12億円とやや減らした)。9月中間期(4―9月)の売上高予想を2,000億円(5月の前回予想では2,020億円)に下方修正した。来年4月にバンダイネットワークスをバンダイナムコゲームスに統合することを決めた。

 3.コナミは8月5日、第1・四半期(4―6月、米国基準)決算を発表、売上高は17%増の708億円、営業利益は66%増の116億円、純利益は47%増の56.6億円と増収増益だった。うちデジタルエンタテインメント事業は売上高が29%増の448.5億円、営業利益は59%増の132億円と伸ばした。そのうち家庭用ゲームソフトはPS3用「メタルギアソリッド4」のヒットにより、売上高が58%増の196億円と急伸、アミューズメントは「ホースライダーズ」が堅調で、売上高は7%増の137億円、オンラインの売上高は28%増の64億円、カードゲームは24%増の57億円だった。

 4.スクウェア・エニックスは7月31日に第1・四半期(4―6月)業績を発表、売上高は12%減の297.7億円、経常利益は15%減の45.3億円、純利益は5%増の28.8億円だった。子会社タイトーが担当するAM事業は、売上高が16%減の142.5億円で、営業利益は51%減の1.9億円だったが、主力のゲーム場運営部門は厳しい環境だったものの、前年同期と同水準の既存店売上高を維持したと説明している。また「その他」事業(二次的著作物の活用)では売上高が296%増の36億円、営業利益が10.7億円(前年同期は7千万円の損失)となっており、子ども用カードゲーム機に加え、業務用「ロード・オブ・ヴァーミリオン」が収益面で貢献したとしている。

 5.アルゼは8月13日、第1・四半期(4−6月)業績を発表、売上高は前年同期比59%減の51億円、経常損失は29億円(前年同期は28億円の利益)、純損失41億円(47億円の利益)だった。部門別の売上高などは公表していないが、遊技機事業で5万2百台の計画に対し販売とソフト交換は1万7百台にとどまった。海外向けゲーミング機事業では米国ネバダ州で機器認可を得ており、8月にマカオに拠点を開設する予定としている。米国ウィンリゾーツ社の業績に基づき、9月中間期で73億円の営業外利益が見込まれるので、中間期業績予想(売上高255億円、経常利益44億円、中間利益25億円)は見直していない。

 6.オリエンタルランド(OLC)の第1・四半期(4―6月)業績は、テーマパークが好調で売上高が6.5%増の806.8億円と伸ばしたが、税制改正に伴う減価償却費や(7月開業の)東京ディズニーランドホテルと(10月開業予定の)シルク・ドゥ・ソレイユシアターの開業前準備費用などにより、経常利益は30%減の40億円、純利益は37%減の20.5億円と減益になった。一方、大阪のユー・エス・ジェイ(USJ)の第1・四半期業績は、前年伸ばした反動から売上高が9%減の152億円となり、経常利益は15%減の13.7億円、純利益は15%減の13.6億円と減らしたが、予想通りで順調と見ている。いずれも通期業績予想は変更していない。

 7.SNKプレイモアは8月4日、10月末の定時株主総会を機に社長を交代する、とのトップ異動予定を発表した。細谷壮一郎取締役兼コンテンツ事業本部長が社長に昇格、外山公一社長は退任して相談役兼(パチスロ開発子会社の)ネオジオ社長に就任する予定。細谷壮一郎氏は04年3月にSNKプレイモア入社、同9月から取締役、同11月からコンテンツ事業本部長、49歳。同社は01年8月にプレイモアとして設立(03年7月現社名に改称)、外山社長の下でパチスロ事業に新規参入し、業績を固めてきたが、さらにゲーム事業とパチスロ事業を軸として、マルチエンタテインメント企業として発展すべく経営陣を新たにした。

 8.米国メリット・エンタテインメント社は8月上旬、カリフォルニア州南部で同社製ソフトウェアのコピー品の一斉取締りが行なわれ、25ヵ所からコピーソフトを内蔵した50台のTVゲーム機を押収した、と発表した。これは同社の告訴に基づき、連邦警察と、地元のウェストミンスター警察署が裁判所の命令により合同捜査を実施したもので、主にウェストミンスター、サンタアナ、ガーデングローブ、ファウンティンバレイなどオレンジカウンティにあるコーヒーショップなどから、押収品が運び出された。メリット社の取締り担当部長であるボブ・フェイ氏は、「40年以上こうした取締りの現場にいるが、今回は特に手際がよかった」と述べている。

 9.米国のアイオワ州が06年5月、それまで賭博TV機「タッチプレイ」をビデオラッタリー機(VLT)として承認し、民間業者が許可を得て運営してきたのを方向転換し、禁止してしまったため、「タッチプレイ」を運営していたオペレーターたちは州政府を相手どって訴訟を起こしていたが、州当局は7月18日、原告の80%に当たる(約7,300台を運営していた)32名のオペレーターに約9百万ドルの和解金を支払うことにより、訴訟での争いを避けることにした。和解していないのは、ダイヤモンドゲームズ社など3社。同州が賭博機の運営を合法化したことが原因で、そのため社会的な混乱と不必要な出費を強いられたことになる。

 10.経営が行き詰っている倉敷チボリ公園(岡山県倉敷市寿町)が今年末で閉園することになった。第3セクターの運営会社、チボリジャパン(坂口正行社長)が8月6日開いた取締役会で会社解散など決めたもので、26日の臨時株主総会で正式決定する。同園は旧チボリ・ジャパンによる計画破綻の後、岡山県の主導で97年7月に開園、初年度300万人が入園したが、07年度は75万人まで減った。累積赤字は143億円以上。デンマークのチボリ公園との契約が切れて、09年1月から「チボリ」の名称を使えなくなる、という事情もある。土地はクラボウが所有、県を通じて賃貸していた。坂口社長は規模を縮小した上での存続を訴えたが、認められなかった。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。