2008年1月15日号Last updated on January 5, 2008
特報
 イオンファンタジーはカプコンに対し6億円求める訴訟を起こした。

AOUエキスポの出展規模は増加傾向が続いている。

海外
 米国ノースカロライナの裁判所で「メガタッチ」適法の判決が出た。

デジタルジュークボックスの特許をめぐる訴訟合戦が激化している。

国内

 イオンファンタジー四半期業績で気になる、プライズ部門回復の遅れ。

「ナンバヒップス」の「ヤバフォ」が営業運転を開始した。


2008年1月15日号のニュースダイジェスト
写真上は遊園施設「ヤバフォ」(中央)を呼び物とする、「ナンバヒップス」のようす。下は会の乗り場にて(左から)ミッドウェストの中西昭雄相談役、フェイスの立谷哲二社長。

20年前の主なニュース

 欧州でも韓国製コピー品を締め出すため、米国AAMAとJAMMAが連携を決めた。NHKがNC9で体感ゲームを特集した。データイーストは新作展で「ポケットギャル」などと、初のデコピン「レーザーウォー」を披露した。本紙調べ87年最優秀機に「アルカノイド」と「アウトラン」が決まった。(1988年1月15日号)

30年前の主なニュース

 国税庁通達によりTVゲーム機やメダルゲーム機の耐用年数は3年、フリッパーは2年と明文化された。滋賀県青少年条例で有害遊技機を制限することになった。タイトーがエキシディ社開発の「サーカス」を出荷した。新潟県上越市に本拠を置くガルフが事実上倒産した。(1978年1月15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.AOUエキスポ08(2月15−16日、幕張メッセ)には実質55社が891小間に出展する予定で、回復基調にあることを示した。主催者小間を除いた出展規模は、06年が46社788小間、07年が51社830小間。合同小間(プライズフェア)への参加(今回5社126小間)を別にして、大規模ブースはバンプレストを統合したバンダイナムコゲームスの140小間(前年の計115から25増)、セガ社の125小間(160から35減)、コナミデジタルエンタテインメントの80小間(72から8増)、タイトーの60小間(55から5増)、アトラスの30小間(16から14増)など。新規出展するのはスクウェア・エニックスなど13社で、反対に前回出展したうち9社は出展しない。

 2.カプコンが06年11月に発売した6人用メダルゲーム機「ドンキーコング・バナナキングダム」が、07年4月以来SCロケで次々と発火事故を起こしたことに関して、イオンファンタジーがカプコンを相手取り、6億円の損害賠償を求める訴訟を10月15日東京地裁に起こしていることが判明した。カプコンが中間決算短信(11月8日)の「4.事業等のリスク」に訴訟を受けた例として紹介したもので、取り立てて訴訟の事実を発表したものではない。イオンファンタジーもまたこれまで「(一部)メダルゲーム機のトラブルによる機械の停止等」により減収になったとしているものの、訴訟提起については公表していない。

 3.イオンファンタジーは12月19日、第3・四半期までの9ヵ月(3−11月)業績を発表、売上高はマイカルクリエイトとの経営統合により前年同期比19%増(前年連結との比較では1%増)の約359億円となったが、経常利益は8%減(15%減)の26億円、純利益は13%減(17%減)の13億円にとどまった。直営店は前期末から21店増えて326店となった。同社によると、カードゲームは第1・四半期で底打ちし、第3・四半期既存店売上高伸び率は前年並みに回復したが、クレーンゲームなどプライズ部門の回復が遅れており、また新規出店によるコスト増が収益を圧迫している。

 4.セガサミーホールディングスは12月25日、商業施設設計施工の日商インターライフの持株のうち、470万株を約4億7千万円でピーアークホールディングスに売却し、50.5%所有の子会社から19.7%所有の関連会社にしたと発表した。ピーアークは関東で38店のパチンコ店を展開している。サミーは03年11月に日商インターライフの筆頭株主になり、それをセガサミーHDが05年4月から引き継いできた。セガサミーHDはまた同日付で、33.4%所有してきた関連会社の遊技機メーカー、タイヨーエレックの株式6百万株を約44億9千万円で買い取り、50.9%所有の子会社にしている。

 5.パチンコ店経営の平川商事(大阪府八尾市、平川晴基社長)が大阪・ミナミの御堂筋沿いに建設していた複合ビル「ナンバヒップス」(地下2階から地上12階)が完成、12月13日にオープンした。ビルの外壁面にはインタミンジャパンが導入した垂直落下型の遊園施設「ヤバフォ」が設けられており、地上74mの高さから秒速22mで60m落下する。乗り場は5階、6人乗りで、利用料は一人千円。一回の上昇と落下で終わる。この遊園施設の製品名は「ジャイアントドロップ」で、東京サマーランドなどにある「フリーフォール」とは構造が異なる。3−5階のゲーム場とともに、平川商事グループのフェイス(立谷哲二社長)が運営を担当している。

 6.デジタルジュークボックスの特許を巡り、ニューヨークにある連邦地裁を舞台に繰り広げられている訴訟合戦について、米国タッチチューン・ミュージック社とロウ・インターナショナル/AMIエンタテインメント社は12月20日、それぞれ相手を非難する声明を出した。これはいずれも自分たちの特許を相手側が侵害しているのにもかかわらず、反対に特許訴訟を起こしていると非難するもので、これだけではなんとも言えず、具体的な特許侵害事実について実際の審理を待たねばならない。なおロウ/AMI社側の訴えにはメリット社、アラクニッド社も関わっている。

 7.米国ノースカロライナ州の上級裁判所はこのほど、メリット社の卓上式TVゲーム機「メガタッチ」シリーズを設置運営しているオペレーターの主張を支持する予備的禁止命令を出した、とメリット社は12月20日に発表した。「メガタッチ」シリーズにはパズル、クイズ、アクション、戦略などの各ゲームのほか、カードゲームが含まれているが、ゲーミング仕様とはなっていない。それにもかかわらず州当局は、ゲーミング機の使用を禁止する州法に違反しているとして処理したため、オペレーターが予備的禁止命令を申請していたもの。決定したジョーンズ判事は、問題のゲーム機は「どの点から見ても適法」であり、予備的禁止命令なしに損害を回復できない、と述べている。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。