2007年12月15日号Last updated on December 3, 2007
特報
 タイトーが担当する、スクウェア・エニックスのAM事業は黒字転換した。

 韓国・ソウル郊外に12年春、大規模な「USK」が誕生する予定になった。

海外
 米国ウォルトディズニー社の9月決算は4部門とも好調だった。

 米国イリノイ州で景品の最高額など、2点が改善された。

国内

 バンプレストはゲーム機用一部景品の回収を明らかにした。

 セガ社は11月の新作展で「ダービーオーナーズクラブ2008」など紹介した。


2007年12月15日号のニュースダイジェスト
写真は米国IAAPAショー07(11月13−16日)の展示会場の写真から。会場を3年ぶりにフロリダ州オーランドに戻したこともあり、大いに活発な催しとなった(次号で報じる予定)。なお08年はオーランド、09年はラスベガスでの開催となる。

10年前の主なニュース

 米国での「ハウス・オブ・ザ・デッド」並行輸入訴訟は、AMOAのあっせんで取り下げられた。タイトーは鹿児島県隼人町に関係業者を招き、初の「感謝会」を催した。セガ社中間決算は海外家庭用の後退で減収減益になった。山一證券の破綻により、プレビの株式公開は延期となった。(1997年12月15日号)

20年前の主なニュース

 米国IAAPA87にトーゴ、明昌特殊産業、ミゼッティ工業が出展した。フジテレビが「糸井重里の電視遊戯大展覧会」を放送した。ジャレコ、テクノスジャパンがそれぞれ米国子会社を設立した。AMOA年間優秀TV機に「アウトラン」と「アルカノイド」が選ばれた。警察庁保安課長に平沢勝栄氏が就任した。(1987年12月15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.スクウェア・エニックスは11月19日、9月中間連結決算を発表。完全子会社のタイトーが担当するAM事業は、売上高が前年同期比9.5%減の約345億円で、営業利益は13億4千9百万円(前年同期は3億2千8百万円の赤字)と、事業をやや縮小したが黒字転換した。前年度実施した収益改善策効果に加え、主力事業であるゲーム場運営部門での既存店売上高が、前年比で増加傾向にあり、全体に堅調と見ている。通期もAM事業の売上高が7%増の810億円、営業利益は35億円と黒字回復する見込み。なお「その他事業」に含まれるカードゲーム機「ドラゴンクエストモンスターバトルロード」は7月から3,500台本格出荷し、9月末までに3,170万枚のカードを出荷したとのこと。

 2.韓国企業4社による共同企業体は11月27日、日本・大阪や米国ハリウッドのユニバーサルスタジオより大規模な、テーマパーク「ユニバーサルスタジオ・コリア」を2012年春にソウル郊外の京畿道で開業する、と発表した。この共同企業体を構成するのは、韓国投資証券、ホスコ建設、韓国産業銀行、新韓銀行。韓国でのユニバーサルスタジオ建設運営の独占権を手にするユニバーサルスタジオ・コリア社(USK)に、推進役のキム・ムンス京畿道知事が誘致活動を展開していた。ファソン(華城)市にある470万uの土地に、米国ユニバーサルスタジオ・フロリダと同じようなテーマパーク、ホテル、ゴルフコースなどを建設する予定。

 3.アルゼは11月26日、9月中間連結決算を発表、売上高は116%増の約374億円、経常利益は141億円(前年同期は27億円の赤字)、中間利益は154億円(47億円の赤字)と黒字回復した。ただしウィンリゾーツ社の好業績に基づく投資利益として営業外収益43億円を計上、またアルゼマーケティングジャパン(旧システムスタッフ)の固定資産売却益から特別利益36億円を計上した。遊技機事業の売上高は129%増の350億円、営業利益は363%増の145億円と盛り返したが、ゲーミング機は海外カジノ用でやや増やしたものの、国内メダルゲーム機は振るわなかった。セタの前期決算を元にしたアルゼ前期決算を訂正した。中間決算は12月25日に訂正した。

 4.アルゼは11月22日、富士本淳社長が30日付で退任することを明らかにした。本人の申し出を受け入れたものだが、同社の最高顧問にとどまるとともに、完全子会社フォレストエンターテインメントの代表取締役に就任する予定。アルゼの代表取締役は余語邦彦CEOただひとりとなる。なおアルゼは、子会社であるセタの株式について公開買い付け(TOB)を進めており、完全子会社にする予定だが、ジャスダック証券取引所は11月30日、管理ポストにあるセタを12月1日から整理ポストに移し、08年元日付けで上場廃止にすると発表した。07年3月期決算において、上場廃止基準で定める「虚偽記載」があったためで、証券市場に対する投資家の信頼を大きく損なったとしている。

 5.バンプレストは11月20日、同社が商品化の許諾を得て、完全子会社のプレジャーキャストが中国で製造したクレーンゲーム機用景品「監督しんちゃんぬいぐるみ」の塗料に有害物質の鉛が含まれていた、と発表した。SC「ララガーデン春日部」内に8日オープンしたAM施設「ゲーセンクレヨンしんちゃん嵐を呼ぶブリブリシネマスタジオ」において限定提供している景品で、15日までにすでに出てしまった3,298個は回収、代替品と交換する、としている。この件では、日本玩具協会によるST(セーフティトイ)検査の申請が遅れた上、合格通知を待たずにSTマークを付けて提供する、などミスが重なったが、検査機関が鉛を検出して発覚した。

 6.セガ社は11月9日東京(大阪は12日)で新作展を開催し、リンドバーグ基板に基づくネットワークゲームの新作など披露した。うち、「三国志大戦3」(メインCVT、サテライトCVT各OP価格59万8千円)は最も早く12月に出荷する。パワーアップした「ネットワーク対戦麻雀MJ4」は08年2月出荷。6年ぶりにフルモデルチェンジした「ダービーオーナーズクラブ2008」の出荷時期は未定。子ども向けダンスゲーム「マジカルダンス・オン・ドリームステージ」は専用基板使用で11月末に出荷。ホープのアーケードゲーム「バンバンバスケット」は82万円で12月発売。メダルゲーム機は2月出荷の「セガネットワークカジノクラブver.2」など紹介した。

 7.米国ウォルトディズニー社(カリフォルニア州バーバンク、ロバート・アイガー社長)は11月8日、07年9月期決算を四半期業績とともに発表、年間売上高は前年比5%増の約355億ドル、営業利益は23%増の78億ドルと好調だった。部門別では、メディアネットワークス(放送関係)の売上高が7%増の150億ドルで、営業利益は23%増の42億ドル、パークス&リゾーツ(遊園地関係)の売上高は7%増の106億ドルで、営業利益は11%増の17億ドル、スチューディオ・エンターテイメント(映画関係)の売上高は1%減の74億ドルで、営業利益は65%増の12億ドル、コンシューマープロダクト(キャラクター商品)の売上高は7%増の23億ドルで、営業利益は2%増の6億ドルだった。

 8.米国イリノイ州のオペレーターはこのほど、法律的な成果を二つものにした。そのひとつは州法改正により、リデムプションゲームやクレーン機の賞品の限度額が、従来の5ドルから25ドルに引き上げられ、2008年1月に施行されること。もうひとつは、IT社TVゴルフゲーム「ゴールデンティー」など(偶然性に左右されるのではなく)スキルによって結果が決まるゲーム機を使った競技大会を通じ、賞金や賞品を提供しても賭博罪とはならない、と決めたこと。クイズゲームの「トラビア」競技も同様に扱われるとしている。競技大会を通じての賞金提供などについては、結果的に同じ内容で州法案が可決されたが、行政解釈で済ませることにした。

 9.ネジメーカーのヤマシナ(本社京都、谷川満社長)は06年10月末にアールエス(本社福岡、神宮司憲人社長)の株式の49%を取得、持分法関連会社にしていたが、期待された効果が望めないとして、ちょうど一年後の10月31日に株式をアールエス関係者に売り戻し、資本関係を解消していたことがわかった。ヤマシナが10月18日に発表したもので、資本提携はアミューズメント分野への進出などを期待して実施したが、アールエスが製品仕入先を価格の安い韓国・台湾に変更したことなどから、話し合った上で解消したとしている。アールエスへ派遣していた役員3名も退任している。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。