2007年12月1日号Last updated on November 15, 2007
特報
 バンプレストのゲーム事業は来春、バンダイナムコゲームスに統合される。

 セガサミーHDの中間決算は大幅な減収赤字になった。

海外
 米国オハイオ州はスロットマシンの規制を強化する州法を施行した。

 米国OKマニュファクチュアリング社はゲーム機部門の縮小を決めた。

国内

 カプコンの辻本憲三会長が今秋、藍綬褒章を受章した。

 オリエンタルランドの9月中間決算は増収で大幅増益だった。


2007年12月1日号のニュースダイジェスト
写真はセガ社の11月新作展(大阪会場)で。上は「三国志大戦3」、下は「ダービーオーナーズクラブ2008」を試しているようす。

10年前の主なニュース

 ナムコは英国ロンドン旧市庁舎に「ナムコステーション」を開設した。JAMMAがシンガポールで開催した「アジアAMショー」は主に一般客向けで、訪れた業者はわずかだった。アトラスはセガ社、伊藤忠商事らと合弁で米国アトラスドリーム・エンタテインメント社を設立した。コトの横井軍平社長が死去した。(1997年12月1日号)

20年前の主なニュース

 米国の税関はAMOAエキスポの直前、TVゲームのコピー品を扱っていた会長会社のR&Dスター社を摘発した。AMショーに引き続き、英国のALプレビュー、米国AMOAエキスポで日本製新TVゲームが多数紹介された。富山県協の役員会社、イダ製作所が遊技機賭博で摘発された。(1987年12月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.セガサミーホールディングスは11月9日、9月中間期連結決算を発表、売上高は約19%減の約2,311億円、経常損失は39億円(前年同期は660億円の利益)、中間損失は203億円(380億円の利益)と大幅な減収赤字になった。遊技機事業で売上高が31%減の1,003億円、営業利益が81%減の121億円と大きく後退したため。業務用AM機は売上高が0.6%減の367億円、営業利益が72%減の19億円で、ゲーム場運営(6店増22店減の433店)は売上高が11%減の479億円、営業損失が23億円(30億円の利益)。ゲーム場は効率の悪い店の整理(年間100店ほど)を決めた。家庭用は売上高が2%増の414億円、営業損失が125億円(67億円)だった。同社は通期業績予想をさらに大きく下方修正した。

 2.バンダイナムコホールディングスは11月8日、9月中間連結決算を発表、売上高は前年同期比約3%増の約2,135億円、経常利益は6%減の174億円、中間利益は28%減の80億円だった。部門別でトイホビーは売上高が3%減の836億円で営業利益は30%減の58億円だったが、ゲーム場運営は売上高が7%増の461億円(国内311店)で営業利益は10%増の21億円、ゲームコンテンツ(家庭用と業務用)は売上高が9%減の618億円で営業利益は162%増の49億円と伸ばした。なおネットワークの売上高は5%減の59億円で営業利益は20%減の4億円、映像音楽の売上高は7%減の179億円で営業利益は33%減の30億円だった。

 3.コナミは11月8日、9月中間連結決算(米国基準)を発表、売上高は前年同期比約12%増の約1,337億円、営業利益は29%増の130億円、中間利益は23%増の63億円と好調だった。うちデジタルエンタテインメント事業は家庭用ゲームソフトと業務用(TVゲームとメダルゲーム)が好調の上、トイホビーと携帯電話向けも順調で、売上高は16.4%増の739億7千8百万円、営業利益は16.8%増の133億円。海外カジノ向けゲーミング機事業の売上高は1.5%減の76億円、営業利益は5.4%減の10億円。また健康サービス事業は売上高が1.2%減の739億円、営業利益は7.1%増の36億円だった。

 4.カプコンは11月8日、9月中間連結決算を発表、売上高は前年同期比6.6%増の約311億円、経常利益は10.3%減の34億円、中間利益は16.4%減の16億円だった。増収だが減益となった理由に、為替差損の発生、過年度役員退職慰労引当金繰入額の特別損失計上を挙げている。部門別では家庭用の売上高が4%増の163億円で、営業利益が9%増の24億円、業務用は売上高が69%減の13億円で、営業損失は5億7千万円(前年同期は9億円の利益)、ゲーム場運営の売上高は1.4%減の64億円で、営業利益は40%減の7億円。業務用はメダルゲーム機「ドンキーコング・バナナキングダム」(289台出荷)で発火事故が起こり、原因となった不良部材を交換した。下半期は「機動戦士ガンダム ガンダムvsガンダム」を7千台販売する。

 5.東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド(OLC)は10月23日の業績予想上方修正に続いて11月6日、9月中間決算を発表した。売上高は前年同期比1.6%増の約1,631億円、経常利益は52.2%増の150億4千万円、中間利益は57.6%増の84億2千3百万円と好調だった。部門別売上高はテーマパークが1.5%増の約1,363億円で、営業利益は34.6%増の147億円、イクスピアリなど商業施設は1.3%増の114億円で、営業利益は144%増の7億円、ディズニーストアは4.1%減の81億円で営業損失は1億円など。

 6.ラウンドワンは11月9日、9月中間連結決算を発表、売上高は前年同期比約24%増の約384億円、経常利益は6%増の85億円、中間利益は1.6%増の49億円だった。4店増で77店となっており、今後さらに増やす計画で、09年3月までに99店になるもよう。中間期の部門別売上高は、ゲーム場が16.4%増の165億円、ボウリング場が24.5%増の137億円などとなっているが、既存店ではボウリング場が5.5%増なのに、ゲーム場は6.7%減となっている。一方、アドアーズは11月12日に中間決算を発表、売上高は19%増の115億円、経常利益は331%増の13億円、中間利益は410%増の6億5千万円だった。

 7.バンダイナムコホールディングスは11月8日、完全子会社バンプレストの一部事業を08年4月1日付でそれぞれ移管すると発表した。バンプレストのゲーム事業(家庭用と業務用)はバンダイナムコゲームスに統合し、バンプレストの施設運営子会社であるプレジャーキャスト(山本宏史社長)と花やしき(田中英利社長)はナムコの子会社になる(再編後のバンプレストには景品事業などが残る)。また映像音楽ソフトなどを担当し、バンダイナムコHDが62%所有するバンダイビジュアルと、携帯電話向けソフトなどを担当し70%所有するバンダイネットワークスについては、直ちにTOB(株式公開買い付け)を通じて完全子会社にする、としている。

 8.関西空港対岸の「りんくうタウン」に再び観覧車が出現、12月8日にオープンすることになった。94−04年に遊園地「りんくうパパラ」があった場所を大和ハウス工業が再開発することになり、今年5月から工事を進めてきたもの。2階建てのSC「りんくうプレジャータウン・シークル」(延べ床面積約5万4千u)に、物販、飲食、温浴、遊戯の各施設を組み合わせている。屋内1階にはカプコンが運営するゲーム場「プラサカプコン」が、2階にはBLDオリエンタルが運営する子ども向け遊戯施設「キッズゼロ」が入り、また屋外部分には泉陽興業が運営する観覧車(高さ85m、1回13分で料金700円)が設けられている。

 9.カプコンの辻本憲三会長(66歳)が今年秋の藍綬褒章を受章することが明らかとなった。政府が11月3日付で発令する褒章受章者778名と17団体を、2日に発表した。辻本憲三氏は69年にアイ・ピー・エム商会(IPM、74年に法人化)を設立して業務用に参入(82年まで社長、83年退任)。83年6月にカプコンを設立、社長となり(今年7月から会長兼CEO)、業務用と家庭用のTVゲームソフト業界をリードしてきた。日本コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)の理事長。これまでCESA会長、JAMMA副会長を務めたことがある。

 10.タイトーは10月31日、「ハードパンチャー・はじめの一歩」(01年)など同社製パンチングマシンについて、安全性を確保するため、メンテナンスと運用面での注意呼びかけてきたが、改めて点検するよう関係者に要請した。保守管理が不十分だったため中古の「ソニックブラストマン」(91年)で、客が怪我をする事故が9月に起こったことによる。また同社は発売後10年以上経過している「ソニックブラストマン」、「キャプテンゾディアック」(93年)、「リアルパンチャー」(94年)について、メンテナンス部品の取り扱いを08年3月に停止するとしている。詳しくはテック事業部まで。お知らせ全文

 11.米国のオハイオ州議会両院はスロットマシンの規制を強化する法律を可決、同法は州知事の署名を得て10月25日に施行された。同州には以前からスロットマシン禁止法があるが、「チックタックフルーツ」などのTVスロットマシンが、スキルの要素があるから禁止されない、とする業者の主張により約5万台も蔓延し、また裁判所の判断も二転三転したため、大きな社会問題となった。新法はこれらの混乱を解消するもので、電子/メカ式機器を問わず、スキルの要素があっても、一回に払い出す現金または賞品が10ドル以上のものは、スロットマシンと同等として禁止している。なお、参加料が無料のボウリング、ダーツ、プール(ビリヤード類)大会などでの賞品は該当しないとしている。

 12.人気のあるアーケードゲーム機「グラビティヒル」で知られる米国のOKマニュファクチュアリング社(ユタ州ソルトレイククシティ郊外)は11月8日、ゲーム機部門を段階的に廃止すると発表した。92年設立の同社は、99年以来スポーツゲーム機、ノベリティゲーム、プライズマシンなどのゲーム機を製造販売してきたが、いっこうに改善の兆しが見えない米国業務用市場の現状から、ゲーム機部門の縮小を決めたもの。主力のカプセルベンダーやゲーム場向け景品などは順調で、経営も安定しており、今後も業務用業界にとどまるが、新規にゲーム機を開発することはないとしている。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。