2007年8月1日号Last updated on July 16, 2007
特報
 倉敷チボリ公園は契約切れで、09年以後「チボリ」ではなくなる。

 今年のAMショーの規模は昨年より少しだけ大きくなる。

海外
 EUはギリシャ政府に対し、ゲーム禁止法の撤廃を求めた。

 米国バリー社の設立以来、今年で75周年になる。

国内

 セガ社は新作展で「WCCF2006−2007」など紹介した。

 イオンファンタジーの第1・四半期は大幅な増収減益になった。


2007年8月1日号のニュースダイジェスト
写真はセガ社新作展(東京)で、上は「WCCFインターコンチネンタルクラブ2006−2007」を試しているようす。下は6月末にレンタルを開始したキディライド「いっしょにワンワン」。払い出されたカードを読み取らせるとCG画像で愛犬が登場し、タッチスクリーンで可愛がることができる。

10年前の主なニュース

 米国アルペックス社の特許訴訟で任天堂は勝訴した。SNKは新作展で「ハイパーネオジオ64」システムとそのゲームソフトを披露した。セタは「N64」に基づく業務用「アレック64」を開発した。セガ社は「ロストワールド」など、ジャレコは「オーバーレブ」を紹介した。(1997年8月1日号)

20年前の主なニュース

 韓国の有力紙「東亜日報」にJAMMAとメーカーが連名で「TVゲームのコピー品を撲滅するため」の意見広告を出した。AMショーを機に、記念事業を実施することも決めた。米国シネマトロニクス社がレーランド社に社名変更した。占い機などのコンプティークが倒産した。(1987年8月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.デンマークの「チボリガーデン」を経営するチボリ・インターナショナル社(本社デンマーク、ラース・リーブスト社長)は7月9日、岡山の遊園地「倉敷チボリ公園」を経営するチボリ・ジャパン(本社倉敷、坂口正行社長)との契約更新を断念したと発表した。倉敷チボリ公園はチボリ社との提携に基づき建設され、97年7月にオープン。年間320万人の利用客を集めたが、06年は85万人まで減少している。提携により「チボリ」の名前は使えるが、年間25万クローネ(約5.5百万円)の許諾料が必要だった。提携契約は今年7月に切れるため更新交渉を進めてきたが、倉敷チボリは09年以後「チボリ」の名を使わないことで合意、提携は解消することになった。

 2.イオンファンタジーは6月29日、第1・四半期(3−5月)単独業績を発表したが、昨年8月マイカルクリエイトを吸収合併したのに伴い売上高が約115億円と前年同期比で約25%も増加したにもかかわらず、経常利益は50%減の5億円と大幅な増収減益となったことが判明した。期中新規に8店増加した。大幅減益は「ムシキング」などカードゲームが一年前にピークに達したためで、同社ではそれを予想してキッズ(子ども向け)メダルゲームなどを強化してきたが、カードゲームの落ち込みは予想以上だったので、とても埋め切れなかった。しかし第2・四半期以降は、カードゲームの落ち込みが一巡すると見込んでおり、業績予想に変更はないとしている。

 3.今年のAMショー(9月13−15日、幕張メッセ)には、47社と1グループ(前回は46社と1グループ)が計907小間(868小間)に出展する予定で、出展社数は1社、小間数も4.5%増加する。出展規模の大きいのは順に(カッコ内は前回小間数)セガ社175小間(165)、5社によるプライズフェアグループ128小間(130)、バンダイナムコゲームス100小間(120)、タイトー60小間(60)、バンプレスト55小間(60)、アールエス36小間(前回なし)、カプコン35小間(35)、アトラス30小間(35)など。ケイブ(前回16小間)の代わりにAMIが今回8小間で出展する。前回24小間出展したBLDオリエンタルの出展はなく、コナミは今回も出展しない。

 4.セガ社は7月6日東京(大阪は10日)で新作展を開催し、TVゲームではWCCFシリーズ初のフルモデルチェンジを実施、全24チームとなった「WCCFインターコンチネンタルクラブ2006−2007」(リンドバーグ基板を使用、オールネット対応。08年1月出荷予定、8台セット約千8百万円)を紹介した。他に前日出荷となった「ネットワーク対戦クイズ・アンサー×アンサー」(4台セット約2百万円)を出品。発売未定の「クエスト・オブ・D・ザ・バトルキングダム」と「ダービーオーナーズクラブ2008フィール・ザ・ラッシュ」は映像のみ紹介した。このほか「お茶犬「ほっ」とメダル」などメダルゲームを紹介した。

 5.米国ブランズウィック社がこのほど新製品「バーチャルボウリング」を関係者に披露し、注目されている。米国セガ・エンタテインメント社が所有する「ゲームワークス」など主なロケーションへの導入が5月に決まったほか、7月には大手DBのベトソン社が販売を担当することも決まった。「バーチャルボウリング」は通常のボウリング設備の半分の面積で済む、モニター利用のボウリングゲーム機(1セット2レーン)で、横幅3.5m、奥行は9.7m。ボールは直径33ないし37インチの実物を使用するが、ピンなどは大画面で示される。通常のボウリングゲームと新開発の「チキンラン」、「スペースボウリング」、「トマトファクトリー」、「アークティックアレイ」の5ゲームから選択できるのが大きな特徴。

 6.EU(欧州連合)はギリシャの政府と国会があらゆるゲーム機の使用を禁止しているのは国内市場原則に反しているとの決定を出し、ギリシャ政府が2ヵ月以内にこの決定に従わないと金融制裁を発動することになった。EUはギリシャが02年以来法律で(カジノは別として)公衆の出入りする場所で、電気を使う/使わないに関わらず、あらゆるゲーム機の使用を禁じているのは通商の自由や、施設の自由、サービス提供の自由に反している、との判断を示した。06年10月に出された欧州裁判所判決を踏まえたもので、ギリシャ政府の立場は極めて不利と見られている。違法なスロットマシンの横行が原因で、ギリシャ政府がPC向けや家庭用を含むすべてのゲーム機を禁止したために、5年間も混乱が続いていることになる。

 7.ネクストジャパンホールディングス(HD)は7月11日、筆頭株主だった創業者の長江芳実会長が個人所有してきた全持株を同日、リゾート施設運営のトップワン(本社東京都港区西麻布、戸塚大輔社長)に売却したので、トップワンが32.1%の筆頭株主になったと発表した。同社はこの資本異動に伴って、トップワンとの協業を開始したとのことだが、業績の悪化したネクストジャパンの経営権をトップワンが取得した理由が明らかでないうえ、具体的な協業内容も示されていない。なお、ネクストジャパンHDの大株主には、2位の泣Gムエムエム(5.6%)のほか、3位にインデックスHD(5.5%)、4位にセガサミーHD(2.9%)が名を連ねている。

 8.米国バリー社は32年1月の設立から数えて、今年で75周年を迎えたが、その間栄枯盛衰、M&Aを繰り返すなど波乱の歴史となっている。社名は、創業者レイ・モロニーによるバリー・マニュファクチュアリング社から、バリー・ゲーミング社(92年)を経て、同社を買い取ったアライアンス・ゲーミング社が06年に改称したバリー・テクノロジーズ社へと変化した。本社所在地もシカゴからラスベガスへと89年に移転した。バリー・テクノロジーズ社は現在、スロットマシンなどゲーミング機とそのネットワークシステムの製造、販売、運営に特化している。75周年チラシ(http://ballytech.com/front_page_headlines/history_broch.pdf)参照。

 9.タイトーは千代田区平河町から渋谷区代々木三丁目22番7号、新宿文化クイントビルに本社を移転、7月30日から移転先での業務を開始することになった。移転するのは管理部門、AM事業統轄本部、ON!AIR事業本部・KT研究センター(8月6日に移転先の業務開始)で、電話はダイヤルイン方式。73年7月以来34年ぶりのの本社移転となる。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。