2007年5月1日号Last updated on April 21, 2007
特報
 バンダイナムコHD、カプコンは前期業績予想を上方修正した。

 コナミは経済産業大臣から知財功労賞を受け取ることになった。

海外
 米国春の展示会、ASIでICE社製品が注目された。

 メリット社は中国と香港でコピー対策を進めている。

国内

 4月7日が「スーチーパイの日」と正式認定された。

 AQインタラクティブは子ども用カードゲームで業務用に参入する。


2007年5月1日号のニュースダイジェスト
写真はASI07にて、上はICE社のリデムションゲーム機「ディール・オア・ノー・ディール」、下はスターンピンボール社のフリッパー「ファミリーガイ」をそれぞれ試しているようす。

10年前の主なニュース

 インド初のAM機展、IAE(2月下旬、ニューデリー)が米国AAMA主催で開かれた。米国セントルイスにあったAM機博物館が閉鎖された。ビスコは新作展で「プレートメモリー」を紹介した。データイースト/セガ社「スタンプ倶楽部」のスタンプ材料が深刻な品不足となっている。(1997年5月1日号)

20年前の主なニュース

 米国春の展示会ACME87で、初のデータイーストフリッパー「レーザーウォー」などが紹介された。トレードウェスト社がシネマトロニクス社を取得した。JAMMAはゲーム機規制案についての意見書を、警察庁に提出した。人気集めるビリヤード市場に、タイトーとテクモが参入した。(1987年5月1日号)

  Copyright ©Amusement Press Inc. 2007    ゲームマシン、アミューズメントプレス、アミューズメント通信は登録商標です。無断で本紙記事を転載したり、その他アミューズメント通信社の知的所有権を侵害することは違法です。




【ニユースダイジェスト】

 1.シカゴを離れ、再びラスベガス開催となった米国ASI07(3月28−30日、AAMAが主催)は、出展規模(152社、446小間)こそ回復したが、登録入場者数(約3千人)はやや減らした。英国ATE07に続いて、ロースリルズ社の「ファースト&フュリアス・ドリフト」などTVゲームの新作が披露された。日系の主な出展社はセガアミューズメンツUSA社とナムコアメリカ社で、特にセガ社は「レッツゴー・ジャングル」、「エキストリームハンティング2」、「トゥースパイシー」などTVゲームを多数紹介し、ナムコは「ジャンピン・ジャックポット」などのリデムプションゲームの紹介に力を入れた。なお、タイトー「チェイスHQ2」はナムコの小間で紹介された。

 2.ASI07で最も話題になったのはICE社(イノベティブコンセプツ・イン・エンタテイメント)のリデムプションゲーム機「ディール・オア・ノー・ディール」で、液晶画面を使用するためプレイメカニックス社が開発に協力している。このゲーム機は、賞金獲得ゲームを内容とする米英豪で人気のテレビ番組「ディール・オア・ノー・ディール」に基づくもので、テレビ番組と同様にプレイヤーは制作者側の「バンカー」が持ちかける取引に応じる(ディール)か、応じない(ノーディール)かの駆け引きをしながら、獲得賞金を上げていく。あたかもこのテレビ番組に出て駆け引きをしているよう思わせるところが、このゲーム機の特徴となっている。もちろんテレビ番組の制作者側から許諾を得ている。

 3.バンダイナムコホールディングスは4月18日、07年3月期連結業績予想を修正、売上高は約4,570億円(2月の前回予想は4,600億円)だが、経常利益は450億円(405億円)、最終利益は245億円(235億円)と利益が増える見通しになった。売上高が前回予想を下回ったのは、内部取引額の変動があったため。利益面で上回ったのは、ニンテンドーDS用「平成教育委員会DS」など学習ゲームソフトが好調な上、為替差益も増加したためとしている。08年3月期は引き続き好調と見て、売上高4,800億円、経常利益470億円、最終利益265億円と予想している。なお同社は、ナムコアイルランド社を5月に清算することも明らかにしている。

 4.カプコンは4月17日、07年3月期連結業績予想を売上高約744億円(昨年10月の前回予想は696億円)、経常利益101億円(80億円)、最終利益56億円(44億円)と大幅に上方修正した。同社によると、海外でXbox360用「デッドライジング」、「ロストプラネット」、国内でもPSP用「モンスターハンターポータブル2nd」など家庭用ゲームソフトが好調だったことによる。なおカプコンは、完全子会社のフラッグシップを6月1日付で吸収合併することを決めた。フラッグシップはシナリオ作りを重視した家庭用ゲームソフト開発会社で、97年4月に設立され、これまで「バイオハザード」シリーズなどを手がけてきた。

 5.ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを経営するユー・エス・ジェイ(USJ、グレン・ガンベル社長)は4月17日、07年3月期業績予想を大幅に上方修正した。新型ローラーコースターの導入、イベントの成功、海外からの集客などにより入園者数を伸ばし、売上高は約721億円(3月の前回予想では693億円)、経常利益は52億円(24億5千万円)、当期利益は37億円(10億円)が見込まれることになった。なお同社は4月9日、2億円かけて「ランズ・オブ・オズ」内に、同園初の大型メリーゴーラウンド「マジカル・オズ・ゴーラウンド」(直径約15メートル)を建設中で、7月にオープンすることも明らかにしている。

 6.香港の裁判所は1月25日、米国メリット・エンタテイメント社製品のコピー品を販売目的で所有していたエクセレントコム社とその役員キン・フゥイに対し有罪判決を出し、また中国の広東省番禹(パンユー)市工商行政管理局(AIC)はEXL社に有罪判決を出した。パンユー市では他にチェンタイ社、トーテム社もいずれ処罰を受ける見通しとなっている。メリット社のコピー品対策部長、ボブ・フェイ氏が明らかにした。フェイ氏はメリット社の国際担当副社長フランク・バルー氏とともに3月23日、一連の取締りに功績のあった香港の税関と取り締まり機関を訪問し、記念の盾を贈るとともに、さらに具体的に取締りを進めるよう促している。

 7.家庭用ゲームソフト受託開発のAQインタラクティブ(東京都港区六本木、石井洋児社長)は4月11日、子ども用カードゲーム機「ポケモントリオ」の7月出荷を機に、業務用に進出することを明らかにした。「ポケモントリオ」は直径4センチ、厚さ3.4ミリの「パック」を使ってデータを読み込ませるだけでなく、ゲーム機のフィールド上で「パック」を手で動かして、対戦を進めていくのが特徴。1プレイ百円で1パック獲得でき、3対3で対戦することも可能。タカラトミーと共同開発した。AQインタラクティブは元セガ社社長の中山隼雄氏が大株主のベンチャー企業で、今年2月にジャスダックに上場している。

 8.コナミは4月4日、「産業財産権制度活用優良企業」に選ばれ、経済産業大臣が表彰する「知財功労賞」を受賞することを明らかにした。特許庁によると、コナミが選定されたのは、「DDR スーパーノバ」など業務用音楽TVゲームのマシンインターフェイスの技術を特許化し、コンセプトコピーが横行していた業界で、積極的に権利を活用し、成果を挙げたほか、海外でも成果を挙げたことによる。今回大臣表彰を受けるのは2名と7社、長官表彰は4名と10社。 なおコナミおよびコナミグループ各社は予告どおり、4月9日から東京ミッドタウンへの事務所統合移転を順次実施している。

 9.ジャレコは4月6日、麻雀ゲーム「アイドル雀士スーチーパイ」シリーズにちなんで、4月7日を「スーチーパイの日」とすることが日本記念日協会により正式認定された、と発表した。「スーチー」が中国語読みで4と7になることによる。同シリーズは漫画家の園田健一氏が描く美少女キャラクターを特徴とする対戦麻雀ゲームで、93年に業務用と家庭用(SFC用)で出荷されて以来、最近まで家庭用とPC用で続けられてきた。人気ゲームにちなむ記念日の前例には、コンパイル/セガ社「ぷよぷよ」シリーズの「ぷよの日」(2月4日)がある。

 10.ウェッブサイト評価機関のゴメス・コンサルティングは4月3日、カプコンのIRサイトを、今年の「IRサイト総合ランキング」第4位(前回第8位)に選定した。同社IRサイト総合ランキングは、国内全上場企業3,917社のウェッブサイトを対象に、ウェッブサイトの使いやすさ、企業財務・決算情報の充実度、経営組織・戦略情報の充実度、きめ細かな情報開示の4項目からそれぞれ評価するもの。カプコンは今回、NTTドコモ、東芝、KDDIに次ぐ高い評価を得た(ウェッブサイトの使いやすさでは3位だった)。なお総合ランキング200位以内では他に、36位にセガサミーホールディングス、77位にバンダイナムコホールディングス、134位にコナミが入っている。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。