2007年1月15日号Last updated on January 3, 2007
特報
 三協会統合目的の「アミューズメント産業協会」が設立された。

 セガサミーとサンリオが戦略的業務提携で合意した。

海外
 IAAPA06はやや低調で、今年はオーランド、09年はラスベガス開催となる

 香港ディズニーランドは今年、毎日6千人分だけ拡張する

国内

 「ラブベリー」商標を持つ衣料品会社の訴えが一部認められた。

 「宇宙戦艦ヤマト」著作権訴訟で東北新社が敗訴した。


2007年1月15日号のニュースダイジェスト
写真は「ピンボールの殿堂」( http://www.pinballmuseum.org/ )の珍しい所蔵品から。上はミッドウェー社のフリッパー「フライングターン」(1964年、バックボックスに仕掛けがある)、下はバリー社のルーレット式ゲーミング機「ターゲットロール」(1957年、フリッパーはなく、ピンボールでもない)。

10年前の主なニュース

 セガ・ゲームワークス社による最初の店は97年3月、シアトル市内に開設されることになった。米国春の展示会、ACMEは再びASIへ名称変更した。バンプレストは新作展で「マクロスプラス」を披露した。苫小牧の全天候型AM施設「ファンタジードーム」が閉鎖された。(1997年1月1−15日号)

20年前の主なニュース

 JAMMAとAOUは賭博犯罪対策を討議するため、初めて健娯委の合同会合を開いた。国内初のトーゴ「ウルトラコースター」が後楽園ゆうえんちでオープンした。エレメカ技術普及のための「ニューテクノロジー振興財団」が設立された。水野商会創業者の水野諡g会長が死去した。(1987年1月15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.JAMMA、AOU、NSAの三協会統合を目的とする任意団体、「アミューズメント産業協会」が12月12日に設立された。会長には里見治JAMMA会長、副会長には内田博NSA会長、飯沢幸雄AOU会長が就任するなど、29名の役員もすべて決まった。3協会統合に向けての動きについては明確でない点が多いが、最近では06年5月以後、三団体統合準備委員会が担当してきたとのこと。なおJAMMAの説明では、「三団体の上部組織」となる新団体設立により、業界での意思統一を図ることが容易となり、取り組むべき課題に対しても素早く対応できる、としている。しかし何のための意思統一か、どういう課題なのか、など具体的な方向付けは明らかでない。

 2.遊園地関係の世界的な展示会、IAAPA2006(11月15‐18日、米国アトランタ)には前年よりやや少ない約1,050社が出展し、89ヶ国から前年並みの約2万2千人の業界関係者が登録入場した。展示会規模はここ数年縮小しており、登録入場者数も2年連続して低調となっている。日系ではセガアミューズメンツUSA社、ナムコアメリカ社が継続して出展し、最新のTVゲーム、アトラクション、リデムプションなどを紹介した。今後IAAPAショーは07年、08年にオーランドで開かれた後、09年に初めてラスベガスで開かれることが決まった。これまでダラス、ニューオーリンズを含め米国東部での開催が多く、西部での開催を望む声に応える計画と説明されている。

 3.セガサミーホールディングスとサンリオは12月25日、それぞれが所有するキャラクターの相互許諾を含めた戦略的な業務提携を行なうことで合意した。セガサミーは純投資を目的にサンリオの株式を買い進めてきており、その結果現在13.98%を所有する筆頭株主になっている。そこで、サンリオのキャラクターとセガサミーのエンタテインメントコンテンツを融合することにより、相乗効果が期待されることから、幅広い戦略的業務提携を進めることにしたものだが、提携の具体的な内容はこれから詰めていくとしている。なお、サンリオは「セガサミーの傘下に入るわけではない」と説明している。

 4.「LOVEBERRY」(ラブベリー)の商標権を持つ衣料品会社のジェイ・エイ・イー(東京都江東区亀戸、釜谷佳和代表)が、業務用ゲーム機「オシャレ魔女ラブ&ベリー」のキャラクターグッズ(Tシャツとサンダル)を販売したセガ社を相手取って、05年9月に起こした訴訟で、東京地裁(市川正巳裁判長)は12月22日、訴えの一部を認める判決を言い渡した。判決は「外観、呼称、観念」の三点から考察し、「LOVE&BERRY」などは99年7月登録の商標に類似しているとして、使用差止めと約22万円の損害賠償をセガ社に命じた。しかし「Love★Berry」などについては侵害を認めなかった。セガ社は「類似しているとされるロゴの商品は05年夏、期間限定で試験販売したもの。ゲーム機とは関係ない」としている。

 5.東北新社がアニメ映画「宇宙戦艦ヤマト」の著作権を侵害されたとして、パチンコメーカーの三共に対し04年7月に、損害賠償などを求める訴訟を起こしていたが、東京地裁(清水節裁判長)は12月27日、訴えを全面的に退ける判決を言い渡した。判決はそもそも東北新社によるこの映画の著作権取得を認めなかっただけでなく、特徴的とされる映像についてもそれぞれ「ありふれた表現であり、特に目新しい表現と言えない」とした上で、「宇宙を戦艦が飛行すること自体はアイデアに属し、著作権法の保護対象ではない」など、原告の主張する著作権侵害についてもすべて否定した。この訴訟で東北新社はパチンコ、パチスロ、家庭用ゲームソフト(PS用)を問題にしていた。

 6.「狭い小さい」と言われながらも05年9月オープンした香港ディズニーランドは、このほどトゥモローランドゾーンに3つのアトラクションを導入することにより、少しだけキャパシティを広げることができ、07年から毎日6千人分だけ入園客を増やせることになった。追加されるアトラクションは「イッツ・ア・スモールワールド」と「アニメーション・アカデミー」、「ミッキーズ・ウォーターワークス」。このため一日の最大入園客は2万8千人から3万4千人へと約2割増え、一年前には満員のため入場制限せざるをえなかった旧正月の需要にも応じられるとしている。

 7.新潟地裁高田支部(河畑勇裁判長)は12月26日、横浜市の雑貨商「忠成」の呉暁斌社長(41歳)に対し懲役3年と罰金3百万円(求刑懲役3年3月、罰金同)、執行猶予5年を、また忠成に罰金5百万円(求刑同)を言い渡した。判決によると、呉らは中国から輸入した携帯ゲーム盤2,097個を、「GAMEBOY」と印刷した箱に入れて所持したほか、「機動戦士ガンダム」をコピーしたDVD4,800枚を販売などし、著作権法と商標法に違反した。量刑については、「会社が経営危機に陥るなど社会的制裁を受けた」と理由を説明した。これらの賞品はゲーム場の景品用として中国で製造され、日本に輸入されたとされている。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。