2006年11月15日号

Last updated on November 9, 2006

特報

 アトラスはタカラトミーの手を離れ、インデックスHDの子会社となる。

 中国製のニセ商品が景品に使用され、警察庁が問題にした。

海外

 欧州裁判所はギリシャの法律をEU違反と決定した。

 ナムコヨーロッパ社は1月を期して再構築する。

国内

 セガ社は「トゥースパイシー」など新作を披露した。

 コナミの上月景正社長が藍綬褒章を受章した。


2006年11月15日号のニュースダイジェスト
写真上はセガ社新作展で披露された「トゥースパイシー」を試しているようす。下はナムコ新作展での「マリオカートアーケードグランプリ2」(いずれも大阪会場)。


10年前の主なニュース


 米国マイクロソフト社はAMOA96で「ウィンドウズNT」を使った業務用TVゲームの標準化を提案した。ナムコはアタリアイルランドの工場と販売権を取得した。ナムコはゲーム料金の後払いカードシステムを、ニッパツと共同開発した。SNKは「ネオプリント」、コナミは「プリプリステーション」を発売した。(1996年11月15日号)

20年前の主なニュース


 JAMMAと米国AAMAは国際会議を開催、日米欧におけるTVゲームコピー対策を協議した。AMショー前日の夜にセガ社が、2日目の夜にカプコンとデータイーストがそれぞれ海外業者の招待会を開いた。セガ社の株式が店頭市場で公開された。AOUは地区ブロック制を発足させた。(1986年11月15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.セガ社は10月1日に東京で新作展を開催し(7日大阪、9日福岡)、幅広く新製品を披露した。「トゥースパイシー」はスキルとストーリー展開を重視したガンゲームで、銃を画面外に向けるとリロードとともに物陰に隠れることができ、左右のフットペダルを踏むと移動できる。またズームショットなどのフィーチャーを盛り込み、ゲームとしての奥行きを持たせている点が注目される。リンドバーグ・レッド基板使用。2台セットOP価格210万円で、4月出荷予定。このほか2月出荷予定の対戦麻雀ゲーム「MJ3リボリューション」、3月出荷予定の「機動戦士ガンダム0083カードビルダー」、4月予定の座席可動式「アフターバーナークライマックス・スーパーデラックス」と、いくつかメダルゲーム機の新作を紹介した。

 2.欧州裁判所は10月26日、プールテーブルを除くあらゆるゲーム機を禁止したギリシャの法律はEU法令に違反している、との決定を出し、この問題を決着させた。02年以来停止していた、ギリシャのゲーム機産業は直ちに再スタートの準備に入った。この問題は違法なスロットマシンの横行が原因となって、ギリシャ政府がPC向けや家庭用を含むすべてのゲーム機を禁止したため起こった混乱で、ゲーミングとそうでないゲームを区別しなかったため拡大した。ギリシャの裁判所は違憲との判決を出し、EUはギリシャ政府に禁止法の廃止を含む是正を求めたが、政府がそれに従わなかったため、04年10月欧州裁判所に提訴していた。今回の決定はギリシャの法律より優先されることになっている。

 3.ナムコヨーロッパ社は07年1月から持株会社のナムコホールディングスUK社となり、従来からの業務を引き継ぐ新会社のナムコヨーロッパ社と、モバイル新会社のナムコバンダイネットワークスヨーロッパ社を担当することになった。11月8日に明らかになった組織改革で、これに伴い新ナムコヨーロッパ社の社長(MD)に、販売部長だったジョン・マッケンジー氏が就任、これまで社長だったマイク・ネビン氏は持株会社とゲーム場運営会社(ナムコオペレーションズヨーロッパ社)の社長にとどまる。なお英国・アイルランドでの販売子会社であるブレントセールス社は、これまでと同様新ナムコヨーロッパ社の下で業務を続ける。

 4.コナミの創業社長である上月景正氏(65歳)が今年秋の藍綬褒章を受章することが、11月2日に明らかになった。69年3月創業、73年3月設立のコナミ工業は、業務用から家庭用へと業容を拡大し、91年6月コナミに改称。01年2月にピープル(現コナミスポーツ)を買収し、フィットネス産業に進出しており、コナミ自体はこれらの持株会社となっている。上月氏は同社で一時期(85―94年)社長職を菱川文博氏と西村靖雄氏に譲り、会長となっていたが、一貫してコナミのトップであり、今も社長兼CEOに就任している。なお上月氏は、家庭用メーカー団体のCESA初代会長(95‐02年)を務めたことがある。

 5.インデックス・ホールディングス(小川善美社長)は10月30日、アトラスの株式の55%を翌日から11月20日までに公開買い付け(TOB)で取得すると発表。アトラスおよびアトラスの41%を所有してきたタカラトミーも、今回の買い付けに同意することを表明しているので、TOBは成立すると見られている。買い取り金額は約41億円を予定している。インデックスHDは日活、マッドハウスなどを擁するコンテンツ配信業者で、今年6月に持株会社に移行し、コンテンツ、ソリューション、コマース、出版の4事業を展開中。今回のTOBにより、アトラスはタカラトミーの手を離れ、インデックスHDの子会社となるが、ジャスダック市場での株式上場は維持する予定。

 6.任天堂の9月中間期連結決算は売上高が前年同期比69%増の2,988億円、経常利益が67%増の946億円と好調だったのに対し、ソニーの中間決算(米国会計基準)ではゲーム部門の売上高が24%減の2,928億円、営業損失が703億円と振るわなかった。任天堂はハンドヘルドTVゲーム機「DS」(Liteを含む)が累計2,682万台普及している上、勢いがあってDS用ソフトを伸ばしているのに対し、SCEの「PSP」は累計約2,600万台(07年3月予定)を目前にしながら、伸び悩んでいる。11月発売の次世代TVゲーム機「PS3」も対抗上やむなく値下げはするが、任天堂「Wii」との価格差はいぜん大きく、難しい局面となっている。

 7.新潟県警は9月29日までに、中国製の「機動戦士ガンダム」コピーDVDソフトとニセモノ携帯ゲーム盤(箱に「ゲームボーイ」表示、中身は「DS」に似た単一ゲーム盤)を大量に輸入販売した、横浜市の雑貨商「忠成」と経営者の中国籍、呉暁斌容疑者(41歳)ら2名を商標法および著作権法違反で逮捕し、新潟地検高田支部は起訴したことを明らかにした。またこれらの中国製コピーDVDやニセモノゲーム盤が、各地のゲーム場で、クレーン機用景品として使われていたことを、警察庁・生活環境課は重視し、AOUに対し法令順守を促す文書を出した。AOUは10月18日その会員である地方協会に対し、同様に注意するよう伝えた。

 8.バンダイナムコホールディングスは10月26日、9月中間期連結業績予想を修正、7月3日の前回予想に比べ売上高は40億円少ない2,060億円、経常利益は60億円多い185億円、中間利益は15億円多い105億円とした。一部ゲームソフトの出荷が下期にずれたため売上高は下回ったが、「たまごっちプラス」などトイホビー事業とDVDビデオなど映像音楽事業で利益を伸ばした。なお「ナンジャタウン」を広告塔と位置づけ、その固定資産を減損処理することにした。通期業績についても最終利益が15億円多い235億円に修正している。

 9.ヤマシナ(本社京都、谷川満社長)は10月31日にアールエス(本社福岡、神宮司憲人社長)の株式の49%を取得、持分法関連会社とした。神宮司社長夫妻が所有していたアールエス株式の一部を取得したものだが、金額は公表していない。アールエスは1982年10月創業、90年4月設立のリバーサービスが06年4月に改称したAM機器販売会社で、大証上場のヤマシナは資本提携によるシナジー効果を期待しているとのこと。(この項07年5月に追加)


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。