2006年5月1日号

Last updated on April 21, 2006

特報

 SC遊園協会は共同購入を停止、事務所移転作業を進めている。

 タイトーの06年3月期は12億円の営業赤字が見込まれている。

海外

 米国ラスベガにアトラクション「ザ・ドライバー」が誕生した。

 セガ社の米国業務用子会社はシカゴ郊外の新社屋を関係者に披露した。

国内

 フェイスはタイトーと音楽配信の合弁会社を設立する。

 アルゼは前期業績予想をさらに大幅下方修正した。



2006年5月1日号のニュースダイジェスト
写真は4月14日夜、東京・晴海に停泊中の豪華客船「ザ・ワールド」で開催された、元セガ社社長デビッド・ローゼン夫妻によるパーティーで、上は(左から)アミューズキャピタルの中山隼雄会長、デビッド・ローゼン夫妻、元セガ社代表の小形武徳氏、下は元セガ社役員の北村裕昭氏(左から3人目)と、テクモの柿原彬人会長夫妻および子息。

10年前の主なニュース


 米国任天堂は偽造マスクROMを生産した台湾集積回路(TSMC)を訴えていたが、和解した。CESAは初の催し「東京ゲームショウ」(TGS)の具体的計画を明らかにした。警察庁・生活環境課は「8号営業」の営業所数など調査結果を発表した。米国ラスベガスで高さ350mのストラトスフィアタワーが完成した。(1996年5月1日号)

20年前の主なニュース


 中国・北京で開かれたAM機展には泉陽興業など日本企業4社も出展した。文化庁はプログラム著作物登録法案をまとめ、政府は国会に提出した。プライズマシンの景品値上げは、警察庁通達のないまま実施される見通しになった。警察庁・防犯課は「8号営業」の営業所数など調査結果をまとめた。(1986年5月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.タイトーの親会社となったスクウェア・エニックスは4月18日、06年3月期連結業績予想を大幅に下方修正した。修正後の売上高は1,250億円(昨年11月の前回予想は1,360億円)、経常利益は150億円(285億円)、最終利益は100億円(175億円)の見込み。中核となる家庭用ゲームソフト、オンラインゲーム、モバイル・コンテンツの3事業で計84億円ほどと、タイトーに関わるAM事業で50億円ほど、売上高が計画を下回ったためとされている。うちタイトーは親会社の異動に伴い中間期で資産見直しによる特別損失があったほか、下半期でのキッズカードビジネスの苦戦とゲーム場運営の伸び悩みにより、12億円の営業赤字が見込まれることになった。

 2.アルゼは4月12日、06年3月期連結業績予想をさらに大幅に下方修正し、赤字幅を大きく広げる見通しとなった。修正後の売上高は487億円(2月の前回予想では531億円)、経常損失は111億円(52億円)、最終損失は160億円(118億円)の見込み。第4・四半期に主力のパチスロ機事業で、レンタルを含め6万5千台の販売を計画し、5万台のレンタル契約を得たものの、昨年度内の納品を望まないホールが多かったため、設置台数が2万9千台にとどまったことによるとのこと。アドアーズ、セタなど関連会社の不振も影響している。アドアーズの株式売却による特別利益を計上するが、とても追いつかないほどの赤字になる見込みだ。

 3.着信メロディ(着メロ)配信を最初に手がけ、そこからPC上のコンテンツ決済事業大手に発展したフェイス(本社京都、平沢創社長)は4月20日、携帯コンテンツ配信で実績のあるタイトーとデジタル音楽配信の合弁会社、ブレイブ(本社東京、殿村裕誠社長)を4月末に設立することで合意したと発表した。新会社は新人アーティストの発掘、プロデュースからネット配信まで総合的に行なう予定で、音楽流通の新しい仕組み作りを進めていくとしている。出資比率はフェイス60%、タイトー30%、スクウェア・エニックス10%。フェイスはつい最近、ギガネットワークスの携帯コンテンツ配信事業を買収しており、これら配信事業拡充の一環と見られている。

 4.最新モデルの自動車を運転して楽しむというアトラクション、「ザ・ドライバー」が4月10日、米国ラスベガスでオープンした。これはゼネラルモーターズ社(GM)がサハラホテル&カジノの敷地のうち約4千4百uを借りて開設したもので、専門家が設計したループコース(1周約8百m)と土砂や悪路からなるオフロードコースを使って、それぞれ実際に運転を楽しむことにより、初めての「オートテインメント」を実現するという。用意される新車は当面13種で、さらに増える見込み。モノレール駅前にあり、10ドルの料金を払えば運転できる(同乗者は無料)が、運転免許証や誓約書なども必要となる。GMは販売促進につながると期待して、NSACARカフェを持つサハラ、集客につながるモノレールとタイアップしたことになる。

 5.セガサミーグループの米国業務用販売子会社、セガ・アミューズメンツUSA社がASI06の前日である3月15日、シカゴ郊外のエルクグローブビレッジ市に設けられた新社屋に関係者を招いて披露した。1千4百uの事務所部分を含む広さ約6千5百uの新社屋に今年1月、サンフランシスコから本社を引越し、従来からのシカゴ販売拠点と統合したもので、ショールームや保守サービス部門を備えている。披露会には当地のクレイグ・ジョンソン市長を含む約200人が招かれ、セガサミーホールディングスの里見治会長、セガ社の小口久雄社長、セガ・アミューズメンツUSA社のリック・ロカティー社長らがテープカットを行なった。

 6.警察庁・生活環境課は、風営法で規制されている「8号営業」(ゲームセンター等)の営業所数は05年12月現在9,515ヵ所で、その設置台数は445,025台とまとめた。4月7日付けで発表した04年1−12月の「風俗関係事犯等について」で明らかにしたもので、営業所数と設置台数はともにここ数年減少傾向にあり、営業所数はさらに減少したが、設置台数は04年から増加に転じ、05年はさらに増加した。なお遊技機を使用した賭博犯は05年中に111件、816人を検挙し、約3億円の賭け金を押収した。この種の賭博犯の検挙人数も04年に増加に転じている。警察庁では基本的に、どのようなゲーム機も賭博に使用されるおそれがあると見ている。

 7.日本SC遊園協会(NSA)は3月20日、85年の設立当初から継続してきた景品の共同購入事業を終了した。また協会事務局は5月末にも、会長会社の建物である友栄ビルに移転する予定となった。AOU、JAMMA、NSA3協会の統合に向けた作業が進められていることに基づくもので、NSA以外はほとんど広報していないため統合の見通しはいぜん明らかではないが、統合に向けた作業は確実に進んでいるとの判断がNSAにあるものと見られる。実際2月17日の通常総会でも、統合が実現すればNSAを解散することが承認されている。従って、事務局が友栄ビルに移った後も、3協会統合までの暫定的な期間に限るとしている。

 8.民間の信用調査機関調べによると、竃「来考房(愛知県安城市、鈴木博己社長)が3月10日、名古屋地裁岡崎支部から破産開始手続きを受けた。負債は14億8千6百万円。87年11月設立のゲーム場、カラオケボックス11店を運営するオペレーター会社で、年間売上高はピーク時の90年12月期に12億円もあったが、その後競争激化などにより赤字店の閉鎖を進めたところ、さらに減少し、98年12月期は3億7千万円まで落ち込んでいた。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。