2005年9月15日号

Last updated on September 7, 2005

特報

 セガ社は新CG基板「リンドバーグ」の仕様を明らかにした。

 AMショーで披露された基板タイプのTVゲームは少なかった。

海外

 ハリケーン「カトリーナ」による被害の影響は米国の業界にも広がっている。

 ナムコはソニーBMGとの著作権訴訟で和解した。

国内

 ナムコは日活の株式をインデックスに売却することで基本合意した。

 ネクストジャパンとディッシュファイン間の訴訟が明らかになった。


2005年9月15日号のニュースダイジェスト
写真上はAMショーのセガ社小間で(左から)鈴木義治常務、里見治会長兼CEO、小口久雄社長兼COO。下はナムコとバンプレストの小間で紹介されたチーム対戦ゲーム「機動戦士ガンダム戦場の絆」のPODキャビネット

10年前の主なニュース


 京セラとタイトーによる京セラマルチメディアが配信サービスを開始することになった。米国ウォルトディズニー社が三大ネットのひとつ、ABCを買収した。米国カプコン・コインオプ社が初のフリッパー「ピンボールマジック」をDBに紹介した。米国SNKがメキシコで21社を集めたDB会合を開催した。(1995年9月15日号)

20年前の主なニュース


 データイースト「カラテチャンプ」(空手道)のコピー基板を米国で輸入販売したティム・オラリー被告ら5名に対し、有罪の評決が出された。AMショーに伴う各社レセプションに代わり、委員会運営の合同パーティーを開くことになった。タイトーは「ザ・ビタミンズ」など新作ロボットを披露した。(1985年9月15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.8月末に強力なハリケーン、「カトリーナ」が襲った米国ニューオーリンズなどの地域では、多くのゲーム業界関係者も被害を受けているもようだが、携帯電話も使用できないなど通信手段も不安定で、断片的な事実しか分かっていないのが現状だ。ニューオーリンズには業界誌「プレイメーター」の発行所があり、その近辺に住むスタッフも住居を失うなど大きな被害を受けており、9月6日になってやっと安否が確認されたほどである。90%の住居が全壊となったポンチャーントレーン湖北岸に住む、バレリー・コネビック編集長の場合、千キロ以上離れたバージニア州から迎えに来た兄弟のトレーラーに乗って実家にたどり着いて、やっとEメールで連絡をすることができたという。

 2.セガ社は9月1日、新たなCGシステム基板「リンドバーグ」の仕様と、これに基づくCGゲームの開発計画を明らかにした。このシステムは一段と高画質、高音質を実現するため、ペンティアム4CPU、エヌビデア社製GPUを搭載し、512MBのRAMを2個使用するもので、外見的にはハイスペックのパソコンに近い。このシステムに基づくCGゲームとしては、今冬出荷予定の「ザ・ハウス・オブ・デッド4」を筆頭に、「バーチャファイター5」、「サイファイ」、「パーワースマッシュ3」、「アフターバーナー(仮称)」など予定されている。AMショー05(9月1−3日、幕張)ではこのうち来春出荷予定の「サイファイ」のみ実物が出品され、他は映像などでの紹介にとどまった。

 3.AMショー05で披露された基板タイプのTVゲームは、セガ社「北斗の拳」(AW用アークシステムワークス開発)、「メタルスラッグ6」(同SNKプレイモア開発)、「アンダーディフィート」(グレフ開発)、ナムコ「鉄拳5」、ケイブ「エスプレーダ」、「虫姫たま」、エイブル「ラルジギ」(マイルストーン開発)、「クルクルカメレオン」(スターフィッシュ開発)と、12月発売予定のバンプレスト「超ドラゴンボールZ」ぐらいで、ヒットが見込めるタイトルがあるものの、タイトル数は少なかった。このほかカードを使用するネットワークシステムゲームがいくつか出品され、とくにナムコとバンプレストが出品した、ドーム状キャビネット(POD)を使用するチーム対戦ゲーム「機動戦士ガンダム戦場の絆」が注目された。

 4.ナムコは9月7日、映画制作子会社の日活の経営権を、コンテンツ配信のインデックスに9月中にも譲渡することで基本合意したと発表した。ナムコは日活株式を74%保有しているが、インデックスはその大部分を買い取ることで日活の株式の50%以上を取得し、コンテンツ事業に活用する方針。日活労組も反対しないもよう。日活は93年7月に会社更生法適用を申請し事実上倒産したが、ナムコの中村雅哉会長が管財人となって経営再建を進め、97年1月ナムコの子会社となり、01年2月に更正手続きを終了した。ナムコではコア事業へ経営資源を集中するため、日活の売却を模索しており、USENに株式売却をする案もあったが、これは日活労組の反対が強く、実現しなかった。

 5.セガサミーグループの米国業務用子会社再編について、セガサミーホールディングスが8月31日に正式発表した。セガ・ホールディングスUSA社が間接所有するセガ・アミューズメンツUSA社(本社サンフランシスコ、森啓二代表)が、サミーUSA社をこの日付で吸収合併し、サミーUSA社のあったシカゴ郊外の事務所でこれまでどおり販売業務が行なわれる。また国内のゲームソフト開発会社、ディンプス(本社大阪府豊中市、西山隆志代表)について、サミーが51%所有してきたが、セガサミーグループとして10%程度は保有するものの、ディンプスの役員と持株会に持株を譲渡し、資本関係を大幅縮小することになった。

 6.ナムコとナムコアメリカ社は8月29日、米国のソニーBMGミュージック・エンターテインメント社との訴訟で和解したと発表した。ソニーBMG社は米国ソニーとドイツのメディア大手のベルテスマン社が04年8月に共同で設立した音楽制作会社で、ネット配信も進めている。そのソニーBMG社が昨年リリースした、リル・フリップのヒット曲「ゲームオーバー」で、ナムコのTVゲーム「パックマン」のサウンドが無断使用されていたため、ナムコがニューヨークにある連邦地裁に著作権訴訟を起こしていた。和解内容については、双方が知的所有権尊重を確認した、としか明らかにされていない。

 7.コナミは8月25日、家庭用ゲームソフト「実況パワフルプロ野球」に似たキャラクターを使用したとして、オンラインゲーム「新野球」を配信している韓国のネオプル社を相手取ってソウル地裁に著作権訴訟を起こしたと発表した。コナミはまた、韓国大法院が8月19日、家庭用「ウイニングイレブン7インターナショナル」を業務用ゲーム機に組み込み販売するため、ゲームコリア社がコナミに無断で映像物等級委員会に等級分類を申請、同委員会が分類決定したことに対し、分類決定を取り消す決定を支持する判決を言い渡したことも明らかにした。この件では04年5月の提訴後、ソウル行政裁、ソウル高裁ともにコナミの訴えを支持し、同委員会が上告していた。
   
 8.時間制ゲーム場「JJクラブ」を経営するネクストジャパン(大阪府吹田市、長江芳実社長)はフランチャイズ契約を結び、その後契約解消に合意したディッシュファイン(東京都千代田区、酒井雅英社長)を今年3月30日に提訴し、ディッシュファインは7月25日に反訴を提出したことが、このほど明らかになった。ネクストジャパンは、ディッシュファインが展開している「U−PARA」はフランチャイズ契約で得た営業の秘密を不当に使用しているとして、4億円余りの損害賠償を求めている。これに対しディッシュファインは、ネクストジャパンが事業を妨害しているとして、3億7千万円余りの損害賠償を求めている。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。