2005年8月1日号

Last updated on July 23, 2005

特報

 CESAは成人用ゲームソフトの販売規制を強化することにした。

 アルゼのCT特許も無効が確定し、敗訴見込みとなった。

海外

 米国家庭用「GTA」最新作にポルノ画面が出るという新たな問題が発生した。

 NBCユニバーサル社は中国進出を断念していないことを明らかにした。

国内

 ナンジャタウンで点検中の従業員が重体となる事故が起こった。

 ケイブの5月期決算は大幅増収減益だった。


2005年8月1日号のニュースダイジェスト
写真は7月のセガ社新作展で紹介された、SNKプレイモアの「ザ・キング・オブ・ファイターズ・イレブン」(上)と、アークシステムワークスの「ギルティギア・イグゼクス・スプラッシュ」を試しているようす。

10年前の主なニュース


 5月ロサンゼルスで、米国家庭用TVゲーム展「E3」が初めて開かれ、成功した。タイトーの海老名工場が完成、業務を開始した。タイトーは事業本部制を導入した。新作展でナムコは「鉄拳2」、「レイブレーサー」を、セガ社は「インディ500」を披露した。マイクロソフトとソフトバンクがゲームバンクを設立した。(1995年8月1日号)

20年前の主なニュース


 セガ社はオートバイ走行のライドオン型TVゲーム機「ハングオン」を発表した。任天堂は家庭用8ビット機「NES」を米国で9月に発売することになった。タイトーで中西昭雄社長が単独代表になり、高見時治専務は常任顧問に退いた。テーカンは新作展でTVポーカー機やTVピンボール機など披露した。(1985年8月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.家庭用TVゲームソフトメーカー協会のCESAは7月19日、レーティング機構のCEROが「18歳以上対象」としたゲームソフトを18歳未満に販売しない、という自主規制を決めたと発表した。このため「年齢区分」を認識しやすい商品陳列など、販売店の協力を求めるとしている。CEROは02年10月から年齢別レーティング制度を実施しているが、実効性に乏しかった。ところが神奈川県が6月7日、PS2用「グランド・セフト・オートV」の残虐性などを理由に、青少年条例で有害図書類に指定、販売を禁じたことから、CESAも対応を迫られていた。なお全国知事会議では14日、神奈川県の提案を受け、都道府県での広域的な指定などを検討することになっている。

 2.米国ロックスターゲームズ社が開発した「グランド・セフト・オート3」の続編「グランド・セフト・オート・サンアンドレアス」に露骨な性交渉場面が隠されている、という疑惑が米国で持ち上がり、さらに波紋を広げることになった。米国のレーティング機関であるESRBによると、ネット上で無料配布されている改造プログラムを使えば、同シリーズの最新作「サンアンドレアス」でそういったシーンを見ることができることが判明しており、「成人用」に指定した。このため全米家族メディア研究所(NIMF)は7月8日、これを重大問題だと発表(http://www.mediafamily.org/)、さらにヒラリー・クリントン上院議員も調査に乗り出した。

 3.アルゼがサミーを訴えていたもうひとつのパチスロ特許訴訟でも、アルゼの特許を無効とする特許庁審決、東京高裁判決に続いて、最高裁が7月14日に上告を棄却し、アルゼの特許無効が事実上確定した。7月7日に最高裁がアルゼの上告を棄却し、無効としたのは特許2574912号(フラグ持越し特許)だったが、今回のは特許1855980号(CT特許)。アルゼはCT特許に基づき2件の損害賠償請求訴訟を起こしており(ウルトラマンクラブ3とジャパン2に関する訴訟ではサミーが控訴して東京高裁で審理中、トリプルライダーに関する訴訟は地裁で審理中)、根拠とする特許自体の無効が確定するので、アルゼの敗訴が確実になった。

 4.ナムコの都市型テーマパーク「ナンジャタウン」(東京・池袋)で7月21日朝、開園前の点検作業をしていた女性従業員(29歳)が、意識不明の重体となる事故が起こった。これは園内の「もののけ番外地」エリアにあるアトラクション「地獄旅館」で、客が立ち入ることのできない仕掛け設備を点検中、演出用の釜のふたが閉まり、それに胸を挟まれたもの。ナムコではとりあえず「もののけ番外地」エリアを利用停止して、もともと点検範囲外だったのになぜ立ち入ったかという点も含めて、事故原因の究明とともに、警察の調べに協力するとしている。

 5.ナムコはレンガ販売の岸煉(きしれん)とその関連会社から温浴施設「クアオルト・リバティ泉州健康センター」を買収、温浴施設運営に進出することになった、と7月14日発表した。大阪府岸和田市にある同施設は天然温泉を中心にレストラン、大宴会場などを擁し、88年4月にオープン、家族連れなど幅広い客層に利用されている。しかし、岸煉と関連会社は借入金負担などが重なり04年12月、整理回収機構(RCC)の申請により会社更生手続きを開始している。ナムコは温浴施設を22億円で買収し、遊びの要素を取り入れて12月に再オープンする予定。

 6.ケイブは7月22日、06年5月期単独決算を発表し、売上高が前年比29.3%増の1,640百万円、経常利益が29.5%増の342百万円、当期利益が11.4%減の193百万円とした。売り上げのうち着うたやオンラインゲームなどのコンテンツ提供は15.7%増の1,355百万円、ビーズアクセサリーなどのコマースは約8倍の162百万円、業務用TVゲーム(虫姫さま、鋳薔薇)は60.7%増の123百万円だった。ケイブは7月15日付で、子会社のケイブ・オンライン・エンターテイメントを設立している。

 7.米国ゼネラルエレクトリック社のメディア・娯楽部門、NBCユニバーサル社は7月20日、中国・上海でのユニバーサルスタジオ建設は昨年見送られたが、ウォルトディズニー社の動きに対抗して、将来中国本土へ進出する足がかりを残していることを明らかにした。NBCユニバーサル社は04年7月以後、中央政府の承認を得らなかった「ユニバーサルスタジオ上海」計画について一切コメントしていなかった。中国では2010年の上海万国博までテーマパーク建設の可能性は少なく、今年9月「ディズニーランド香港」をオープンするウォルトディズニー社との間で、NBCユニバーサル社が将来のプロジェクトを競っていることになる。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。