2004年10月15日号

Last updated on October 13, 2004

特報

 米国AMOAエキスポ04で、景気底打ちの傾向が現れてきた。

 最高裁はウェストサイドの上告を受理せず、棄却した。

海外

 AMOAエキスポではセガ、サミー、ナムコ以外に米国の新興メーカーが新TVゲームを紹介した。

 英国AWP機メーカーのバークレスト社がメイゲイ社など3社を買収した。

国内

 ナムコは12月に「神戸スイーツハーバー」をオープンすると発表した。

 遊園地「りんくうパパラ」が10月末で閉園することになった。


2004年10月15日号のニュースダイジェスト

写真は米国AMOAエキスポ04で、上の写真はナムコアメリカ社の(左から)ケビン・ヘイズ社長と久恒健嗣EVP、下の写真はウルトラケイド社の小間で「フィーディング・フレンジー」。


10年前の主なニュース


 ナムコは家庭用「PS」に基づく業務用「システム11」基板を開発、第1作の格闘ゲーム「鉄拳」を発表した。セガ社はAMショーで「バーチャファイター2」を披露した。米国連邦地裁はカプコンの訴えを退け、データイーストの主張を認める部分的サマリージャッジメントを出した。東方総研主催の中国北京AM機展が8月に開かれた。(1994年10月15日号)

20年前の主なニュース


 東京地裁は業務用TVゲーム「パックマン」を「映画の著作物」と認定し、そのコピー品を設置営業したのは上映権侵害に当たるとの画期的判決を出した。JAMMAは新風営法に反対してきた根拠を公表し、NAOに対し公開質問状を送った。コナミ工業の株式が大証新二部に上場された。セガ社は新本社ビルの建設に着工した。(1984年10月15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.米国AMOAエキスポ04(9月30日−10月2日、ラスベガス)には前年並みの152社が473小間に出展し、4,267人の業者が登録入場し、同じ会場で開かれたファンエキスポ(同)には152社が272小間に出展し、2,485人の業者が登録入場した。米国ではSC内のゲーム場やシングルロケは年々減少傾向にあり、それらを背景にAMOA/ファンエキスポの登録入場者も少なくなっているが、下げ止まりの感がある。そのため業務用から撤退したミッドウェーゲームズ社が、業務用への再参入を検討しているという情報もある。日系の出展社は昨年と同じナムコアメリカ社、セガ・アミューズメントUSA社、サミーUSA社で、後の二社は二列並ぶ形で出展した。タイトーは海外向け製品をナムコアメリカ社の小間で展示した。春の展示会、ASIは来年3月、シカゴに会場を移すが、AMOAはラスベガスにとどまる予定となっている。

 2.米国AMOAエキスポ04で出品された日本製品は、ナムコの「鉄拳5」、セガ社の「頭文字D3」、「ゴーストスカッド」、サミーUSAの「フットボール」、「レンジャーミッション」、「キング・オブ・ファイターズ・ネオウェーブ」などさらに高い水準を示している。一方ではレトロゲームに人気があり、任天堂の「ドンキーコング」など3ゲームを内蔵したナムコの「ドンキーコングクラシック」や、ウルトラケイド社が展開している「アーケードクラシック」シリーズでタイトーのタイトルをさらに増やした「タイトー・アーケード・クラシック」などが注目された。新ゲームではロースリル社の「ターゲットテラー・ゴールド」、「ファースト・ファリウス」、グローバルVR社の「ニードフォースピード・アンダーグラウンド」、トリオテック社の「ウェイストランド」、ICE社の「アクションヒーロー」、ツナミ社の「リボルト」などTVガン/ドライブゲームが多数出品された。しかし最もユニークなのは、小さい魚を食べて育つ魚のゲーム、ウルトラケイド社「フィーディング・フレンジー」で、キャビネットもよく出来ていた。

 3.最高裁第一法廷(甲斐中辰男裁判長)は9月30日、ウェストサイドの上告に対し、上告理由に該当せず、上告を受理すべきでないとして、棄却する決定を出した。ウェストサイドは、テクモのPS2用「デッドオアアライブ2」で使用されるメモリーカードのデータを、収録されている裸のキャラクターの動きが見ることができるよう、書き換えることができる編集ツールプログラムを収録したCD−ROMを販売したため、著作物を改変したとしてテクモに訴えられた。東京地裁はテクモの訴えを認め、200万円の損害賠償を命じる判決を出し、東京高裁はウェストサイドの控訴を棄却したので、ウェストサイドが今年四月に上告していた。原判決は、書き換えたメモリーカードを使用することを前提に編集ツールを販売したのが不法行為に当たり、損害賠償責任があるとするので、「ときめきメモリアル」事件の最高裁判決を踏襲したもの。著作物の同一性保持権の侵害を根拠にしたが、元の著作物の改変がないことや、プレイヤーによる個人的な使用にとどまることなどはまったく検討されておらず、いぜんとして未解決のままとなっている。

 4.ナムコは神戸ハーバーランド(神戸市中央区)内に改装オープンする商業施設「ビーズ・キス」の地下1階に、フードテーマパーク「神戸スイーツハーバー」を12月3日にオープンすると発表した。2,847uのフロアに明治・大正期の神戸港をモチーフとした雰囲気を漂わせながら、この中に設けられたスイーツショップ22店を通じてスイーツ情報を発信する予定。ナムコによると、初期投資額は10億円で初年度200万人の入場と19億円の売り上げが見込まれている。なお、神戸ハーバーランド内の商業施設「神戸ハーバーサーカス」は、西武百貨店撤退後の95年に、パソナ創業者の南部靖之氏の主導でオープンしたが、ハーバーランド全体の不振が響いて、経営が低迷していたため、04年8月に商業施設運営会社のジオ・アカマツが建物所有者の住友生命保険から受託することに決まっており、「ビーズ・キス」と改称した上で、12月に改装オープンすることになっている。

 5.イオンファンタジーは10月5日に8月中間決算を発表し、直営店が順調に増加していることから、売上高は前年同期比21.5%増の13,558百万円、経常利益は12.8%増の1,196百万円、中間利益は10.5%増の625百万円と、引き続き増収増益を示した。上半期に直営で14店出店し、1店閉鎖、フランチャイズで2店解約し、直営185店、フランチャイズ14店の計199店となった。また大幅増床が5店あった。ゲーム機は人気機種「ムシキング」やファミリー客用大型メダルゲーム機「ダイノキング2」などを積極的に投入した。同社はスーパーマーケットなどを主力とするイオングループの77%子会社で、親会社の展開する店舗内で「室内ゆうえんち」を経営している。

> 6.関西空港対岸のりんくうタウンにある入園無料の遊園地、「りんくうパパラ」が10月末で閉園することになった。同園は94年9月の関西空港開港に伴い、(当時はダイエーの不動産子会社、ダイエーアゴラの子会社だったが、95年9月に十字屋がダイエーアゴラを吸収合併しており、十字屋の子会社となっている)鰍閧くうパークが、大阪府から当初5年間の借地契約を結んで、同9月にオープンしたもので、観覧車を含めた遊園施設の大部分をサノヤス・ヒシノ明昌が運営し、またセガ社がテナントとして8号営業のゲーム場「セガワールドりんくう」を運営してきた。このほど再契約期限が切れるため、大阪府は年約8千万円で20年間の借地契約をするよう求めていたが、開園当初は百万人を越えていた入園者も03年には63万人まで落ち込んでおり、長期的な見通しが立たないことから運営会社は経営を断念し、閉園を決めた。

 7.英国のバークレストグループ社は10月8日、レジャーリンク社からAWP機メーカーのメイゲイ社、インパルスゲーミング社、エキストリームゲーミング社のブランドを含む知的所有権を買い取ったことを明らかにした。バークレスト社は英国の制限つきのゲーミング機、AWP機(現金を払いだす射幸遊技機)の大手メーカーのひとつで、最近ではヨーロッパ各国に積極的に進出を図っている。同社は98年3月以来、ゲーミング機で最大手メーカーの米国IGT社傘下にある。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。