2004年1月15日号

Last updated on January 12, 2004

特報

 タイトーは1月中旬、海老名工場での内覧会で新作「ゾイド」を披露する予定だ。

 米国で往年の「ドラゴンズレア」がHD仕様で帰ってくることになった。

海外

 米国ラスベガスの「リオ」に世界最大の観覧車が建設される見込みとなった。

 世界最大のゲーミング展、G2E04の出展が早くも発表されている。

国内

 SCEは10日以上遅れ、しかも地域を狭め中国で「PS2」を出荷した。

 PCCWJは改めてジャレコに社名を戻すことになった。


2004年1月15日号のニュースダイジェスト

上の写真は1月9日の三協会合同新年会で(左から)ナムコの中村雅哉会長、木久四郎社長、タイトーの西垣保男社長、セガ社の小口久雄社長。下の写真は1月7日の近畿地区新年会で(左から)マタハリーの山中秀晃社長、セガ社の永井明取締役、サミーの鈴木義治常務、たつみ娯楽の入江昭造社長、タイトーの西垣保男社長。


10年前の主なニュース


 米国司法省は暴力シーンを含むTVゲームの自粛を求める文書をメーカーに送った。AAGの手配によりメキシコで大量のコピー基板が当局に押収された。セガ社は新作展で「バーチャファイター」を披露した。京都で開かれたAOU全国大会で、元警察庁防犯課長補佐の三島和男氏が新風営法立法化の経緯について講演した。東京都協総会で警視庁の担当官は、カジノバー増加について語った。(1994年1月1−15日号)。

20年前の主なニュース


 米国センテ社がカートリッジ交換式の業務用「SAC」を発表した。タイトーはフランスのキス社による自動現像焼付け機「キスカラー」を展開すると発表した。データイーストはテクノス開発の「ザ・ビッグ・プロレスリング」を、UPLは「ノバ2001」を各新作展で披露した。コナミは年末パーティーで菱川文博氏の会長就任を披露した。ナムコ「リブルラブル」が発売された。(1984年1月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.タイトーは1月15−16日、海老名工場に業者を招き、新作ゲーム「ゾイド」を披露する予定になった。これはトミーの組立て玩具「ゾイド」をテーマにした業務用TVゲーム機で、プレイヤーがゾイドの操縦士となってゲームを進めるという内容で、ICカードを使用する。またサミーは1月16日、東京と大阪で新作展を開催し、アトミスウェーブ(AW)用ゲームソフトの麻雀ゲーム「ネットセレクト・サラリーマン金太郎」、対戦格闘ゲーム「ザ・ランブルフィッシュ」を紹介する予定。AW用ゲームソフトは昨年末に「ギルティギア・イスカ」など出ているが、さらに拡充する方針だ。東京会場は池袋サンシャインシティプリンスホテルとなっている。さらにコナミ・タカラグループは1月15−16日、東京国際フォーラムで玩具を中心とした合同新作展を開催することになっており、これにアトラス、ブロッコリーなども参加する予定となっている。

 2.21年前に米国でヒットしたLDゲーム機「ドラゴンズレア」が、レーザーディスク(LD)の代わりにハードディスク(HD)を使用して開発し直されて、新会社のシステム99社から近く出荷される見通しとなった。「ドラゴンズレア」はドン・ブルースが描いたアニメ映画をLDに収録し、場面ごとにプレイヤーが選択するというゲームで、数ヶ月猛烈な勢いで人気を集めたことがある。日本ではその後ユニバーサルが持ち込んだが成功していない。システム99社は、70年代にあったラムテック社やエキシディ社などを経て、セガUSA社の執行副社長を16年間勤めたハゥエル・アイビー氏が、退職して設立したメーカーで、同氏はAM業界向けの技術開発で知られている。米国では近年クラシックゲームの見直しが行なわれ、ナムコアメリカ社の「ミズパックマン/ギャラガ」、「スペースインベーダー/キックス」などが発売されており、その流れでHD版「ドラゴンズレア」も企画されたことになる。

 3.米国ラスベガス大通りに近いカジノホテル、リオ・オールスイートホテルの敷地に、世界最大の観覧車「ボイジャー」(高さ158m)が05年7月完成を目指して建設される見通しになった。これはユニークで巨大な観覧車建設を計画しているボイジャー・エンタテイメント社(VEII、リチャード・ハンニガン社長)と、ハラーズ・エンタテイメント社が経営するリオ・オールスイートホテルとが12月23日に発表したもので、英国ロンドンの「ロンドンアイ」(高さ135m)をしのぐものとなる。「ボイジャー」は当初アウトランド・ディベロップメント社が計画していたが、建設地点と資金がなかなか定まらず、このため事業目的を絞り込んだボイジャー・エンタテイメント社がこの事業を引継ぎ、さらに建設地点について交渉を重ねていた。今回の計画によると、「ボイジャー」では16−20人乗りで乗客がゆっくりくつろげるゴンドラが30個あり、27分で一周する。建設予定地はリオ・オールスイートホテルの南東側にある駐車場付近で、大通りを見渡せる位置にある。利用料金は1人18ドルを予定しており、年間750万人が利用するとしている。VEII社はさらに米国のダラスとニューヨークで、米国以外ではアジア地区にそれぞれ建設する計画を立てているが、これらについてはまだ具体的な計画がまとまっていない。

 4.ソニー・コンピューターエンタテインメント(SCE)は12月20日から中国の5大都市で家庭用「PS2」を発売することになっていたが、1月1日に上海と広州の2都市でやっと発売を開始した。ゲームソフトは中国語版の2タイトルを予定していたが、これも「イコ」の1タイトルのみとなった。販売はソニーの中国子会社、ソニーチャイナを通じて中国の販売会社が担当することになっており、03年11月末に「許認可を含めてすべての準備が整った」として12月20日発売を発表していた。しかし、中国では「PS」本体と「PS」用ゲームソフトはもとより、「PS2」用についても無断コピー品が氾濫しているとの情報があり、それらの取締りを含めた対策についての説明が望まれるが、これまでのところなんら説明はなく、今回の発売延期についても詳しい説明をしていない。

 5.パシフィック・センチュリー・サイバーワークス・ジャパン(本社東京、荻野玲会長、PCCWJ)は1月23日の臨時株主総会を経て、26日付で社名をジャレコに戻すことになった。同社は、「ジャレコの名称は国内外でよく知られている上、子会社の米国ジャレコが現にあり、ジャレコブランドを使用していることもあり、すでに認知されているジャレコに変更することにした」と説明している。ジャレコは1971年創業、74年設立の業務用ゲーム機メーカーで、家庭用に進出したが、2000年9月に香港のパシフィック・センチュリー・サイバーワークス(PCCW)の子会社となり、同11月からPCCWJに改称、業務用部門を閉鎖していた。しかし02年12月期の業績は売上高約27億円、経常損失約53億円、当期損失約61億円で、03年12月期も売上高約30億円、経常損失約37億円、当期損失約50億円と見込まれており、業績回復はかなりかかる見通しだ。

 6.世界最大のゲーミング機器展、グローバル・ゲーミングエキスポ(G2E)は巨大化しており、10月5−7日にこれまでと同じラスベガスのコンベンションセンターで開かれるG2E2004でも、すでに多数の出展申し込みがあり、この傾向が続くと予想されている。主催するリード社と業界団体のAGAによると、昨年のG2E2003では661社が約2万uに出展し、94ヵ国から約22,700人の関係業者が訪れたが、出展規模は2年前と比べて1.5倍、ビジターは前年比7%増となっており、世界的なゲーミングビジネスの拡大を示すものとなっている。1月5日現在でのG2E2004の出展予定社リストには、大手ゲーミング機メーカーのIGT社、アリストクラットテクノロジー社、シルサ・インタラクティブ社、バリーゲーミング&システム社、WSMゲーミング社などとともに、日系企業のコナミゲーミング社、マツイゲーミングマシン、シグマゲーム社、ユニバーサル・ディストリビューティング・オブ・ネバダ社なども名を連ねている。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。