2003年9月1日号

Last updated on August 26, 2003

特報

 レジャー白書03によると、ゲーム場の市場は5年ぶりに増加に転じ、参加人口も13%増になった。

 ラスベガスヒルトンの「スタートレック」テーマゾーンに、来春新アトラクションが加わることになった。 

海外

 リデムプションゲーム機の米国ベイテック社が、同業のメルテック社を買収することになった。

 セガ社は米国家庭用子会社のひとつ、セガ・ドットコム社の資産の一部をフィンランドのノキア社に売却した。

国内

 ナムコの「ナンジャタウン」にオープンした二つ目のフードテーマゾーン「アイスクリームシティ」が人気を呼んでいる。

 タイトーの株式が9月1日付けで、東証一部に移行することになった。


2003年9月1日号のニュースダイジェスト

写真は東京・池袋のナムコ「ナンジャタウン」にできたフードテーマパーク「アイスクリームシティ」で、世界の珍しいアイスクリームを目当てにやってきた人びと。


10年前の主なニュース


 TVゲームのコピー基板業者への法的手続きを世界各地で進めるため、米国AAMAと日本のJAMMAが国際組織AAGを発足させた。タイトーの株式が東証2部に上場された。愛知県協会の定時総会で加藤駿介会長らが退任、新会長に位田宗一氏が選出された。米国マイクロプローズ社は業務用部門を閉鎖した。ホットビィが倒産した。(1993年9月1日号)。


20年前の主なニュース


 タイトーはLDを利用した実写カーレースゲーム機「レーザーグランプリ」を開発した。アイレムを退社した辻本憲三氏が新会社、カプコンを発足させた。「Qバート」をヒットさせた米国のD・ゴットリーブ社がマイルスター社に社名変更した。アイビスとテクノスジャパンが謝罪したため、データイーストは訴訟を取り下げ、和解した。(1983年9月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.今年の「レジャー白書2003」によると、02年の余暇市場は全体で前年比0.5%増と6年ぶりに上向いた。市場別ではゲーム場が0.5%増の5,490億円と5年ぶりに拡大に転じ、カラオケボックスは7.8%減の4,150億円で、家庭用TVゲームは13.5%減の5,300億円でともに5年連続縮小、遊園地は5.4%増の6,590億円で2年連続拡大となった。ゲーム場の参加人口は13.4%増の2,160万人で、これも増加に転じた。ゲーム場オペレーター133事業所から得た景気判断では、02年実績で利用客数、売り上げ、利益ともにマイナスが続いているが、事業所収支バランスで10年目にわずかながらプラスが見えてきた。しかし03年の見通しはいぜんマイナスとなっている。白書によると、ゲーム場離れは弱まり、TVゲーム復活の兆しが見られ、またSCなどでの大規模店が増えている。特に「WCCF」、「麻雀格闘倶楽部」、「太鼓の達人3」などが貢献した。同白書の発行元は、自由時間デザイン協会から社会経済生産性本部に変わった。

 2.タイトーの株式が9月1日付けで、これまでの東証第2部から第1部に指定替えになることが、8月20日に東京証券取引所から発表された。同社は1950年にミハイル・コーガン氏が太東洋行として創業、53年8月に太東貿易として設立したのが始まりで、ジュークボックスの賃貸営業、ゲーム場経営で伸ばし、72年8月にタイトーと改称した。TVゲーム機では78年6月のTVゲーム機「スペースインベーダー」で一世を風靡、世界中に名が知られることになった。86年3月に京セラの資本傘下に入り、93年8月に東証2部に株式を上場した。それ以来東証第一部への移行が待たれていたが、ちょうど10年後にやっと実現することになった。現在、西垣保男社長のもとで、経営を回復させていることから実現した。ちょうど太東貿易設立から50年、「スペースインベーダー」から25年で、記念すべき東証一部上場となる。

 3.米国ラスベガスヒルトン内にある「スタートレック」テーマゾーンに有名なアトラクション「スタートレック・ザ・エキスピアリアンス」があるが、04年春にもうひとつ新タイプのアトラクション「ボーグ・インベーション4D」が加わることになった。「スタートレック・ザ・エキスピアリアンス」は98年1月にオープンしたアトラクションで、宇宙船エンタープライズ号に乗船し、宇宙での冒険を経て帰還するというライド型映像シュミレーター「ボイジ」を中心に構成されている。「ボーグ・インベーション4D」は特殊効果と人間の演技を組み合わせたもので、ボーグ集団に捕まり、24世紀の人工知能技術によってかれらの仲間にさせられかけるという恐ろしい体験をすることになる。視聴覚だけでなく、触覚も活用されることになる4D体験となる。TV映画「スタートレック」シリーズを生んだパラマウント映画社のテーマパーク部門、パラマウントパークス社が制作する正式アトラクションで、8月初めに発表された。

 4.東京・池袋の「ナンジャタウン」に7月18日、2つ目のフードテーマゾーン「アイスクリームシティ」がオープンし、一日あたりの入園者が8月16日に2万2203人と新記録になるなど、好調な滑り出しになった。「アイスクリームシティ」はナムコの企画設計集団「チームナンジャ」が5番目に手がけたエンタテインメント型集客施設で、大胆なオブジェを配しながら、ドイツ、トルコ、韓国など海外の珍しいアイスクリームや、日本各地のアイスクリームを取り揃えて、人気を集めている。ヒットした主な要因は、トルコ政府公認の「ドンドルマ」職人による本物のパフォーマンスと味が楽しめるなど、日本と海外の未体験のアイスクリームが1カ所で楽しめることにある。エリア自体は660平方メートルあり、店舗は海外3店、国内4店とナムコの直営2店。初年度百万人の入場を見込んでいるが、すでに33万人以上が入場ずみ。入場料は1つ目のフードテーマゾーン「池袋餃子スタジアム」と同様、「ナンジャタウン」の300円のみ。

 5.米国ベイテック社(本社ウイスコンシン州プラスキ)のオーナー兼社長、ラリー・トリーンクラー氏は8月18日、メルテック社(本社オレゴン州タイガード)を買収する方向で交渉に入ったと発表した。AMOAエキスポ03(9月17−19日、ラスベガス)をめどに交渉を済ませる見込みとなっている。この買収交渉についてはメルテック社のジョン・マクエバン社長も支持する意向を示している。交渉が成立すれば、メルテック社の製造、販売部門はベイテック社の本社に移転する予定だ。ベイテック社は77年設立の年少者向けのリデムプションゲーム機メーカーで、ボールを転がして得点を競う「アレーボウラー」などで定評がある。同社は99年夏にセイダルゲームズ社を買収しており、ベイテックとセイダルゲームズの二つのブランドを持っている。メルテック社は80年設立のリデムプションゲーム機メーカー。

 6.フィンランドの携帯電話大手のノキアが8月19日、セガ社の米国家庭用子会社のひとつであるセガ・ドットコム社の資産の一部を買い取ることで、セガ社と合意した。金額などは明らかにされていない。これはセガ・ドットコム社が持つ、オンラインゲーム開発サポート技術「セガ・ネットワーク・アプリケーション・パッケージ」(SNAP)を含む、モバイル端末向けのゲーム開発技術を対象としたもので、ノキア社では10月7日に発売する予定の電話・ゲーム複合機「Nゲージ」にSNAP技術を採用し、これは同社モバイルフォンのエンターテイメントメディア事業部の中核を担うことになる。セガ社の小口久雄社長は、「セガ社はオンラインゲームに早くから取り組んできた。ノキア社はセガ・ドットコム社の開発したSNAP技術を活用することでNゲージのタイトルを充実させることになる。セガ社はNゲージへのコンテンツ供給を含め、ゲームソフトビジネスへの集中と強化を進めていく」と説明している。

 7.テクモは8月15日、第1・四半期(4−6月期)決算の概略のみ発表。今回が初めてのため前年同期との比較ができないが、売上高は1,345百万円、経常利益は141百万円、純利益は51百万円だった。同社によると売上高の内訳は、ゲーム場運営が862百万円で全体の64.1%を占めており、また家庭用ゲームソフトおよびパチスロ用液晶画面が順調だったとしている(実数表示はない)。家庭用は「デッドオアアライブ・エキストリームビーチバレーボール」のリピート、パチスロ用は「将軍首」によるとのこと。なおオリエンタルランドは8月8日に第1・四半期決算の概略を発表しており、それによると売上高は70,865百万円、経常利益は3,883百万円で、悪天候などによりテーマパークの売上高(59,275百万円)が当初見込みを下回ったものの、費用が計画を下回ったのと、リテイル事業が好調だったため、利益は当初の見込みどおり推移しているとしている。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。