2002年9月15日号

Last updated on September 12, 2002

特報

 ギリシャは業務用だけでなく家庭用も含めゲーム機を禁止する法律を施行した。

 テクモはキャラクターが裸になる「DOA2」著作権訴訟の第1審で勝訴した。

海外

 米国S&Sパワー社は7月に閉鎖した木製コースターのメーカースタッフを引き取り、新部門にした。
 
 米国ベトソン社はミッドウェー社の業務用TVゲームを許諾を受けて生産継続している。

国内

 宮崎のアリサカが10月10日付でジャスダックに上場することになった。

 国際福祉機機展にナムコが出展し、障害者でもできるゲーム機などを出品した。


2002年9月15日号のニュースダイジェスト

写真は国際福祉機器展(HCR)2002のナムコの小間で、上は車椅子に乗ったまま、持ちやすいばちを使ってプレイする「太鼓の達人3」などを出品しているようす。下はコミュニケーション機器「パソパルマルチver.4.0」などの説明をしているようす。

10年前の主なニュース

 会場を幕張メッセに移し、3日目の一般入場を採り入れたAMショーが開催された。米国任天堂は業務用からの撤退を発表した。愛知県警はクレーン用ぬいぐるみの景品に無断コピー品の「ごまちゃん」があるとして捜査した結果、著作権法違反で4社5名を書類送検した。JAMMAとAOUの初の幹部懇談会が開かれ、風営法の矛盾点など意見交換した。(1992年9月15日号)。

20年前の主なニュース

 米国著作権法の罰則強化に伴い、連邦捜査局(FBI)がゲーム機の無断コピーに対する調査に入り、刑事事件として扱うことが開始された。NAOは子どもにメダルゲームをさせるのを容認する方向で、メダルゲーム場運営基準を改定した。データイーストはDCシステムのゲームソフト「ハンバーカー」(海外名はバーガータイム)を出荷した。(1982年9月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.テクモはPS2用「デッドオアアライブ2」(DOA2)のキャラクターを無断で裸体にしたとして01年11月、潟Eェストサイド(兵庫県尼崎市、湯川貴弘社長)を相手に著作権訴訟を起こしていたが、東京地裁は8月30日、ウェストサイドの「お楽しみCD」によるゲームソフトの同一性保持権侵害と認定し、200万円の損害賠償を命じる判決を言い渡した。ウェストサイドは控訴した。判決によると、ウェストサイドが販売した「お楽しみCD」を使って作成されたメモリーカードを使用すると、テクモ「DOA2」のキャラクター「かすみ」がコスチュームなしの裸体になる。これはもともとテクモが裸体の「かすみ」を作成、最大6種類のコスチュームを付けることができるようにしたところ、メモリーカードによりコスチュームなしにできるため。森義之裁判長はなにかと批判の多いコナミ「ときめきメモリアル」メモリーカード事件最高裁判決(2001年2月)に基づき判決を下したが、ゲームソフト自体を改変していないことや、プレイヤーが個人的に楽しむ目的に限られていることなどには一切触れなかった。

 2.オペレーター会社の潟Aリサカ(本社宮崎、有坂順三社長)の株式が10月10日付でジャスダック市場に上場されることになった。9月3日に日本証券業協会が発表した。アリサカは1978年4月設立の泣Aリサカを1991年5月株式会社に改組したもの。2002年3月期の売上高は前年同期比13.3%増の4,021百万円、経常利益は40.3%増の372百万円、当期利益は60.3%増の202百万円。売上高のうちゲーム場は3,166百万円(全体の78.7%)、ボウリング場は272百万円、スーパー銭湯は232百万円、カラオケは134百万円などとなっている。新規出店を進めてきており、今年7月末現在で九州を中心に単独店16、複合店14の計30店を運営している。ただし有利子負債も27%増の6,846百万円と増えてきている。

 3.ギリシャの国会は7月16日にゲーム機禁止法を成立させ、同法は7月31日に施行された。セガ社とナムコの欧州子会社や地元業者たちは、憲法違反などを理由に、この法律の廃止を欧州裁判所(ECJ)や欧州委員会などに訴えている。ギリシャではもともと違法な賭博営業に対処するため国会内に委員会を設けていたが、今年初めその委員長が賭博に手を染めていたことが判明した。このためギリシャ政府は賭博を一掃するどころか、2月21日に業務用ゲーム機を全面禁止にした。この間違った方向は是正されず、ついにゲーム機禁止法の成立となったもの。業務用だけでなく、家庭用、PC用もすべて禁止となった。適用除外となるのはビリヤードなどのプールテーブル、エアホッケー、伝統的なダーツなどに限られる。ギリシャ政府の狙いは、パチンコのような制限付きの射幸遊技機営業を国営で展開することにある、と見られている。

 4.「スペースショット」や「スラストエアー」などの遊園施設開発で知られる米国S&Sパワー社(ユタ州ローガン、スタン・チェケット社長)が、ライバルメーカーの資産を手に入れ業務を拡張している。まず今年7月に業務を閉鎖したカスタムコースター・インターナショナル社(CCI)からデニス・ラリック元社長らスタッフを採用、木製ローラーコースター部門を新設した。CCI社は1970年創業の木製ローラーコースターの大手メーカーだったが、元社長の離婚を理由に閉鎖した。次に、昨年12月に連邦破産法第十一条を申請した大手遊園施設メーカー、アローダイナミックス社(ユタ州クリアフィールド)を買収することで債権者たちと交渉を続けている。しかしシックスフラッグズ社がアロー社と「エックスコースター」の権利を巡って訴訟を続けており、これが片付くまで交渉は決まらないとされている。

 5.米国ミッドウェー社は2001年6月に業務用AMゲーム機の生産から撤退し、家庭用ゲームソフトだけに集中しているが、業務用TVゲーム機の需要が少なくないため、大手ディストリビューターのベトソン・エンタープライゼス社(ニュージャージー州カールスタット)がミッドウェー社から許諾を受けて製造を続けている。これはグランドプロダクツ社が下請けメーカーとして生産しているもので、すべてもとのミッドウェー社製品と同じ内容だが、アップライトや基板キットもある。「クルージンUSA」、「クルージンワールド」、「クルージンエキゾティカ」など「クルージン」シリーズのほか、「オフロードチャレンジ」、「アークティックサンダー」、「ラッシュ2049」などを供給している。

 6.国際福祉機器展(HCR)2002が9月10―12日、東京ビッグサイトで開かれ、ナムコが出展。障害者用コミュニケーション機器や身体障害者でもプレイできるよう工夫したゲーム機などを出品し、訪れた関係者に注目された。この展示会は保健福祉広報協会と全国社会福祉協議会の共催により国内外の福祉機器とサービスを紹介するもので、1974年から毎年開かれており、今回は国内535社と海外12ヶ国83社の計618社が参加、車椅子や歩行機などを展示した。ナムコは10月初旬発売予定のコミュニケーション機器「パソパルマルチver.4.0」や発売中の「トーキングエイド」、車椅子に乗ったままでプレイできる「太鼓の達人3」や「ワニワニパニック2」などを出品。とくにゲーム機は楽しみながら機能回復訓練ができるという特徴をアピールした。

 7.今年のAMショー(9月19‐21日、東京ビッグサイト)に出品される主なTVゲームが判明した。タイトーは「バトルギア 3」がメイン。ナムコは独特のカードを使用する「ドラゴンクロニクル」を参考出品するほか、基板もので「宇宙大作戦チョコベーター」、「クルクルフード」、「ソウルキャリバー UVer.D」など。久しぶりに出展するカプコンはシステム246を使った3D格闘「ファイティングオールスターズ」。アルゼは子会社セタの業務用を引き継ぎ、麻雀ゲーム新作「ハイパイ・パラダイス」を予定している。セガ社とコナミは新作について前日まで出品内容を公表しないとしている。


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