2001年11月15日号

Last updated on November 5, 2001

特報

 風営法関係の「解釈基準」改正を警察庁が明らかにしたが、「8号営業」規定についての疑問点も出てきた。

 3協会による調査の結果、業務用市場は4年連続して縮小したことが判明した。

海外

 米国AMOAエキスポ01は同時多発テロのなどの影響で来場者は28%減になった。

 韓国アンダミロ社は特許裁判所の決定で、コナミに勝訴したと発表した。

国内

 テーマパーク「長崎オランダ村」は10月に閉園した。また小田急電鉄は遊園地「向ヶ丘遊園」の来年3月末閉園を決めた。

 「キング・オブ・ファイターズ2001」の販売ルートが判明した。


2001年11月15日号のニュースダイジェスト

米国AMOAエキスポ2001で、上の写真は開会式のようす。下の写真はスペインのデジタルセンター社が開発した「ドクターフェイス」を試しているところ。

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はカプコンの格闘ゲーム「機動戦士ガンダム 連邦vsジオン DX」、完成品タイプではナムコの太鼓叩き音楽ゲーム機「太鼓の達人 2」。

10年前の主なニュース

 JAMMAショー委員会は92年にAMショーの会場を幕張メッセに移転し、これまで業者のみ対象としてきたのを転換、3日目を一般公開することを7対3の多数決で決めた。SNK「ネオジオ」をイタリアで展開しているゼネラルゲーム社は欧州全体に販路を拡大することになった。香港のウィムジー社の55%をヤオハン・インターナショナル社が、20%をナムコの中村雅哉社長が買い取ることで合意した。(1991年11月15日号)。

20年前の主なニュース

 東京地裁は10月3日セガ社の申請を認め、ダイワ(本社東京、長谷部茂社長)に対し「フロッガー」のコピー基板の製造・販売を禁じる仮処分命令を決定した。JAMMAはコピー基板排除のための第2回国際会議を開催した。長崎県は青少年条例を改正、スロットマシンなどのメダルゲーム機を置くゲーム場に未成年者を入場させてはならないことにした。(1981年11月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.警察庁生活安全局は9月19日、風営法関係の「解釈基準」の改正を通達、10月上旬に公表した。警察庁は今回の改正について「内容に変化はなく明確化しただけ」と説明しているが、「8号営業」に関する限りいくつか重要な変更点がある。主な改正点は、営業者禁止事項で「遊技の結果を磁気カード等に記録したものを交付してはならない」と追加したこと、クレーン式などの遊技機で「800円以下の物品を提供する場合は商品提供に該当しない扱いとする」を明文化したこと、「遊技の結果が数字等で表示されるもの」はすべて「8号営業」規制対象遊技設備に含まれるとした上で、規制対象外とされた模擬操縦ゲーム機についても対象にするなど示した点である。

 2.これまで許容されてきた磁気カード使用や、規制対象外とされてきた模擬操縦ゲーム機について、AOUが10月22日に警察庁・生活環境課に疑問点を質したところ、対戦結果などの遊技の結果を記録した磁気カードの交付は従来どおりで違法ではない、コックピットタイプのゲーム機も現状のものは問題ない、との回答を得たとのこと。ではなぜこのような誤解を生むような行政解釈をわざわざ出したのかということになるが、そもそも原則的に「遊技の結果が数字等で示される遊技設備」はすべて射幸心をそそる恐れのある遊技に使用される、あるいは賭博に使用されるという可能性がある、として85年以来規制対象に指定してきていることに大きな原因がある。根本的な改善が必要だが、業界側もまた必要な努力をまったくしていない。

 3.JAMMAなど3協会によるAM業界実態調査の結果、2000年度の業務用市場は4年連続で縮小しており、前年比8.4%減の7,390億円となった。うち業務用製品(景品を含む)販売は23.8%減の1,426億円で、国内向けは17.2%減の1,202億円、輸出が46.6%減の224億円。ゲーム場などのオペレーション収入は3.7%減の5,964億円となっている。報告書によると、とくにTV音楽ゲーム機の落ち込みが激しく、その他TVゲーム機とクレーン機、景品も大きく減少しているが、逆に写真シール機は再び急増してきている。なおアンケートの有効回答率は27%で、多くは推定値となっている。

 4.米国AMOAエキスポ(10月4−6日、ラスベガス)は前回同様ファンエキスポとの併催になったが、9月11日に起きた同時多発テロのよる影響が大きく、そのため閑散としたものになると予想されたけれども一定の水準を保った。登録入場者は二つの展示会の合計で前年比27.6%減の7,934人だった。展示会場にはIT社などの米国勢とサミー、セガ社、ナムコ、コナミなど日本勢(それぞれ米国子会社)、それにアンダミロ社、イオリス社、KESAグループなど韓国勢が出展、とくに韓国勢は強い開発意欲を示した。SNK「ネオジオ」ソフトは米国アップルフォトシステム社が紹介した。唯一のフリッパーメーカーとなったスターン社の「モノポリー」など新ゲームは少なかったが、多彩な製品で展示会としては充実した。

 5.韓国アンダミロ社は9月14日、韓国特許裁判所が同社音楽ゲーム機「パンプ・イット・アップ」はコナミ「DDR」の意匠権を侵害していないとする決定を出し、同社は事実上コナミに勝訴したと発表した。コナミは韓国で「DDR」意匠登録を受けて昨年3月意匠権侵害でアンダミロ社を訴え、今年6月ソウル地裁はコナミの主張を認める判決を出したが、アンダミロ社は控訴している。それとは別にアンダミロ社は特許裁判所に訴えを起こしていたもので、「パンプ」意匠は「DDR」と別物との決定を得た。コナミは特許裁判所決定について、「パンプ」の著作権や特許が認められたわけでもないのでとくに反論しない、高裁で勝訴することを確信している、と説明している。

 6.テーマパークの長崎オランダ村(長崎県佐世保)は10月21日で閉園することになった。83年7月、風車のあるドライブインとしてスタートし、拡張を続け90年には年間200万人が訪れるテーマパークとして成長した。その成功から「ハウステンボス」が建設され92年3月にオープン、長崎オランダ村も93年4月に再オープンしたが、入園客は23万人に落ち込んでいた。巨額を投資したハウステンボスも経営危機に陥っており、このほど2度目の債権放棄を主力銀行に要請している。一方、小田急電鉄は9月23日、向ヶ丘遊園(川崎市多摩区)を来年3月末で閉園し、遊園地事業から撤退すると発表した。1927年にオープン、本格遊園地として発展してきたが、年間55万人まで入園客が減少したため閉園を決めた。

 7.注目の「ネオジオ」ゲームソフト「キング・オブ・ファイターズ2001」が11月下旬に出荷されることになった。これは韓国イオリス社が昨年10月SNKから開発、製造、販売について許諾を受けていたもので、日本ではサンアミューズメント(大阪府吹田市)が販売元となり、エイブル、ユウビス、リバーサービスを通じて出荷されるもの。韓国ではイオリス社が販売、その他輸出は開発を担当したブレッツァソフト(大阪府吹田市)が行う。シリーズ8作目になるこのゲームソフトでは、チームキャラクターが4人増え、支援キャラのストライカーシステムに新要素を追加、新キャラも総勢40人に増えている。

 8.「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はカプコン/バンプレストの格闘ゲーム「機動戦士ガンダム 連邦vsジオン DX」(2回目)、2位はセガ社の「バーチャファイター 4」。 TVゲーム完成品部門……1位はナムコの太鼓叩き音楽ゲーム機「太鼓の達人 2」(5回目)、2位はコナミの「ビートマニアUDX シックスススタイル」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位は日立ソフトウェアの写真シール機「劇的美写」(15回目)、2位はタイトーの「ハードパンチャー・はじめの一歩」。


 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。