2001年11月1日号

Last updated on October 20, 2001

特報

 アルゼの矛盾した態度で、SNKは再生を断念、破産へ進むことに。

 遊園施設メーカーの真砂工業が倒産、自己破産へ。負債40億円。

海外

 オランダの遊園施設メーカー、ベコマ社が倒産、ハウスマン社に資産売却した。

 米国ミッドウェー社の卓上式TVゲームはイーキャスト社に譲渡、パーツはハープ社に。

国内

 ナムコは9月中間期業績を上方修正、通期は下方修正。テクモは中間期赤字見通しに。

 タイトーは恒例の「感謝会」を東京湾遊覧船上で開催した。


2001年11月1日号のニュースダイジェスト

タイトーの「感謝会」で、上の写真はTIT会長の内田氏(右)に感謝状を送る西垣保男社長(左)。下の写真は遊覧船乗船の記念写真から。

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はカプコンの格闘ゲーム「機動戦士ガンダム 連邦vsジオン DX」、完成品タイプではナムコの太鼓叩き音楽ゲーム機「太鼓の達人 2」。

10年前の主なニュース

 米国ネバダ州GCBは、AMOAエキスポで無許可製造のゲーミング機を出品したテクノロジー・エクスクルーシブ社を摘発した。経営難の続く米国バリー社は、宝くじ会社のサイエンティフィックゲームズ社を売却した。サミー工業が新本社ビルを披露した。ナムコは花博に出品した映像シミュレーター「ギャラクシアン3」を自社ロケに常設した(1991年11月1日号)。

20年前の主なニュース

 米国AMOAエキスポ81(シカゴ)は空前のTVゲームブームにより大盛況となり、登録入場者も1万人を突破した。しかしそれとともに、国際的な無断コピー品排除への取り組みがいよいよ重要となってきた。米国バリー社は、遊園地経営のシックスフラッグス社を買収した。東洋娯楽機は社史「観覧車はまわる」を出版した(1981年11月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.親会社アルゼとの対立が表面化しているSNKは9月28日が提出期限となっていた再生計画案の提出を断念、大阪地裁は10月1日再生手続き廃止を決定し、破産手続きに進むことになった。SNKが10月3日に債権者会合で明らかにしたところによると、アルゼはSNKに3月30日の1回目不渡り、民事再生申請を指示したにもかかわらず、4月2日にはSNKへのパチスロ供給を停止、SNK商品をとりこむなど民事再生を妨げる態度に変わった。SNKは自主再生案をまとめるべく努力したが、アルゼは7月から東京地裁で、SNKに10名のアルゼ社員を役員として送り込むべく臨時株主総会開催の手続きを進めてきた。 アルゼによるSNK臨時株主総会は10月11日、アルゼ社内で開かれる予定になっていた。

 2.SNKによると「ネオジオ」ゲームソフト開発に重点を置く自主再生案に対し、アルゼが東京地裁で示した再生案ではすでに実現不可能になったパチスロ販売代理業を中心としたものになっており、またSNKの自主再生案で認可を得てもアルゼによる役員が多数を占めれば実行不可能と見て、再生計画案提出を断念した。10月5日にはアルゼは大阪地裁がSNKの民事再生手続き廃止を決定したため、SNK臨時株主総会の開催を中止した。アルゼによると、民事再生廃止の責任はSNK経営陣にあるのに、アルゼに責任を転嫁していると非難している。しかしSNKが具体的に掲げた一連の事実に対して、アルゼはなにも具体的に反論していない。

 3.真砂工業梶i東京都足立区南花畑、真砂幸男社長)が10月5日に1回目不渡りを出すとともに事業を停止、自己破産手続きに着手した。9日に2回目不渡りを出した。負債は約40億円。1956年創業、58年設立の建設・荷役用機械メーカーで、75年から遊園施設メーカーとなった。ローラーコースターなどの他、屋内のライドアトラクションも手がけた。借入金負担が重いことに加えて、遊園施設の受注が大幅に減少し、不採算の直営ロケを閉鎖しても追いつかなかった。97年3月期売上高4,936百万円に対し、01年3月期は3,039百万円だった。同社は今年9月のAMショーにも出展していた。真砂光生専務はJAPEA理事でもある。

 4.世界的な遊園施設メーカー、オランダのベコマ・インターナショナル社が8月24日に倒産、9月17日に同社資産の80%を建設会社のハウスマン社に売却して再スタートした。倒産原因は米国の遊園地経営会社、シックスフラッグス社が遊園施設の代金を支払わなかったため、と伝えられている。8月に240人いた従業員は104人に減った。ベコマ社は1926年に農具メーカーとして設立され、60年代に鉄工、建設へと事業を広げ、67年から遊園施設メーカーになった。「ブーメラン」、「インバーティゴ」などのスリルライドの開発、建設で知られている。

 5.米国ミッドウェー社は7月に業務用ゲーム機から撤退したが、そのうち卓上式TVゲーム機「タッチマスター・インフィニティ」関係の業務を10月9日、ネットワークシステム会社のイーキャスト社に譲渡した。またミッドウェー社業務用TVゲーム機のパーツ、保守サービスは10月2日、パーツ専門のハープコントロール社が引き受けることになった。イーキャスト社はロウ・インターナショナル社のネット式ジュークボックス「ネットスター」を実現したことで知られる。卓上式TVゲーム機は大手メリット社の「メガタッチ」シリーズが有名。懸賞金付きトーナメント方式で業績を伸ばしたインクレディブル・テクノロジー社も「タッチイット」で卓上式市場に参入した。

 6.ナムコは10月2日、9月中間期業績予想を上方修正した。主力のゲーム場経営が収益基盤を回復したのに加え、業務用販売と家庭用販売がともに好調だったことによる。株式市場低迷による有価証券評価損など特別損失11億円を計上しても、連結中間利益は950百万円となる見込み。しかし02年3月期については一転して、米国同時多発テロによる環境悪化からとくに家庭用販売で影響が大きいと消極的に(ナムコは「保守的に」と表現している)判断し、下方修正した。連結通期の最終利益の予想は、5月の前回予想26億円に対し19億円と下げた。なお、テクモは9月中間期予想を赤字と下方修正した。

 7.タイトーは9月18日夜、東京湾遊覧船上に取引業者など25名を招待して「感謝会」を催した。97年以来開催しているもので、西垣保男社長は、「業務用のGM事業本部については荒療治をした。小島理一本部長以下スタッフは成果を挙げるべく努力している」と挨拶した。小島本部長は「新製品の開発、生産、販売を担当しており、良い製品を一刻も早くお届けできるようにしたい」と述べた。林隆専務は「業界の一部では競合しながら提携するという動きがあり、当社も必要に応じてそういう取り組みも進める。創造性、刺激、遊び心を失わないで努力すれば必ず壁を突破できると確信している」と語った。

 8.「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はカプコンの格闘ゲーム「機動戦士ガンダム 連邦対ジオン DX」(初登場)、2位はセガ社の「バーチャファイター 4」。 TVゲーム完成品部門……1位はナムコの太鼓叩き音楽ゲーム機「太鼓の達人 2」(4回目)、2位はコナミの「ドラムマニア・フォースミックス」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位は日立ソフトウェアの写真シール機「劇的美写」(14回目)、2位はメイクソフトウェアの「フォト&シール・ハテナ」。


 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。