2001年9月15日号

Last updated on September 4, 2001

特報

 コナミは「遊戯王」の売り行きダウンで業績予想を大幅下方修正した。

 アルゼはパチスロ不振で業績予想を大幅下方修正したが、回復するとのこと。

海外

 コナミゲーミング社はデータベースシステムのパラダイム社を買収した。

 直進宙返りの「シャトルループ」を開発したシュワルツコフ氏が死去した。

国内

 公正取引委員会はSCE「PS」の独占禁止法違反を認定する審決を出した。

 アトラスはMBO方式で、国内子会社のアピエス、ムーシステムを処分した。


2001年9月15日号のニュースダイジェスト

東京ディズニーシーのプレビューで、上はメインエントランスにある「アクアスフィア」、下は「マーメイドラグーン」にある「ジャンピン・ジュリーフィッシュ」。

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はセガ社の格闘ゲーム「バーチャファイター 4」、完成品タイプではナムコの太鼓叩き音楽ゲーム機「太鼓の達人 2」。

10年前の主なニュース

 米国ルイジアナ州で、リバーボートカジノとビデオラッタリー(TVポーカーなど)の運営ができるようになった。東京・渋谷にダイフレックスの「MMランド」がオープンした。タイトーの映像シミュレーター「遊アーツ」第1号機が「新潟ふるさと村」に設置された。ナムコの株式が東証2部から1部に指定替えとなった。(1991年9月15日号)。

20年前の主なニュース

 ロケ先との歩合を少なくとも四分六分(売上の60%をオペレーターが得る)とするよう、NAO正副会長と大手3社が合意した。任天堂レジャーサービスは「ドンキーコング」をセガ社など国内3社に基板販売の形で製販許諾した。コナミ工業はレジャックの技術サービス部門を継承した。米国でTVゲームブームに伴う規制問題が出てきた(1981年9月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.コナミは8月9日、第1・四半期(4―6月期)連結決算を発表するとともに9月中間期と来年3月期の連結業績予想を大幅に下方修正した。これまで高収益を上げてきたゲームカード「遊戯王」の売れ行きがダウンしているためで、業務用AM機も見込みを下げている。来年3月期連結売上高は5月段階で2,500億円と予想していたが2,330億円に、経常利益は400億円と予想していたが310億円に、最終利益は240億円と予想していたが175億円にそれぞれ修正し、前年比増収減益の見通しとなった。部門別では「遊戯王」などのCP事業での売上高予想を480億円から300億円に修正、業務用AM機も160億円から125億円へと修正した。

 2.アルゼは8月9日、第1・四半期の業績が振るわなかったことから9月中間期と来年3月期の業績予想を大幅に下方修正した。4−6月期にパチスロ新機種を2機種(前年は4機種)しか投入できなかったため売上高が前年比49%減となり、宣伝費増加で経常利益は85%減になった。しかし第2・四半期から新機種投入で回復するとしている。来年3月期は5月段階で2,043億円と予想していたが1,840億円に、経常利益は804億円と予想していたが650億円に、最終利益は376億円と予想していたが294億円にそれぞれ修正した。前年比9.5%減収で経常利益は10.6%減益の見通しになった。

 3.公正取引委員会は8月1日、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)に対し家庭用「PS」ゲームソフト販売で独占禁止法に定める違反行為があったと認定する審決を出し、SCEはこれを受け入れた。審決によると、SCEは「PS」発売に先立つ94年6月までに、値引き販売の禁止、中古品取扱の禁止、横流しの禁止を内容とする流通政策を決め、小売店などに要請した。このため公取委は98年1月SCEに勧告したが、これに応じなかったため3年半に及ぶ審判手続きが進められた。審決では値引き禁止、横流し禁止は独禁法違反としてこれらの行為を取りやめるよう命じた。中古品取扱の禁止は独禁法違反である再販売価格の拘束に含まれる、とも示した。

 4.アトラスは8月10日、子会社のアピエスとムーシステムをMBO方式で処分し、国内子会社の整理を終えたと発表した。アピエスはアトラスが99年4月にユウビスから買い取ったゲーム場オペレーター会社で、当初32店あったが不採算店を整理し今では8店となっている。債務超過などを改善した上で、アピエスの長堀真美社長にわずか1000円で売却した。ムーシステムは96年9月設立の「プリント倶楽部」関連のレンタル子会社。その主業務を元役員が設立した新会社の泣ーシステムに機械代500万円で処分した。残ったムーシステムは和田正光社長にわずか600円で売却、和田氏は社名をコムフォートと変更した。

 5.コナミの米国子会社、コナミ・ゲーミング社は8月7日、パラダイム・ゲーミングシステムズ社を1,200万ドルで買収、一部門とすることになったと発表した。パラダイム社は98年設立の小さな会社だが、カジノ賭客のデータベースシステム構築で業績を伸ばしてきている。コナミゲーミング社は昨年1月ネバダ州でのゲーミング機製造販売の許可を得て、12月以来販売しているが、こうした賭客管理システムとのセット販売が不可欠であるとして、パラダイム社買収を決めたもの。コナミでは、最大の競争相手IGT社が展開しているプログレッシブシステムにも活用できるとしている。

 6.直進式宙返りコースー「シャトルループ」を開発したドイツの「ローラーコースター王」、アントン・シュワルツコフ氏がディンケルシャーベンにあるに自宅で死去した。77歳。86年以来パーキンソン病を患い、92年に仕事から離れており、ここ3年間は車椅子ですごした。第1次世界大戦でドイツ軍としてイタリアに行き、あまりの悲惨さに直面し、帰国後は人々に喜びをもたらす仕事につこうと決心した。50年代中ごろ遊園施設の再建を手がけて、60年代には独自の乗物を開発し始めた。76年に米国の遊園地向けに「シャトルループ」を開発、建設した。その功績は大きく、IAAPAは93年に栄誉殿堂にかれを加えた。息子のビーランド・シュワルツコフ氏が後を継いでいる。

 7.バンプレストは8月2日、東京(大阪は7日)で単独展を開催、景品をおまけとする新作ゲーム機「空中大回転」、「プチポンコレクション」、参考出品の「みんなのしゃしんかん」などと景品を披露した。セガ社、システムサービス、エイコーの3社も同日(大阪も同じ)ゲーム機用の新作景品の合同展を開催した。アルゼも景品展を催した。なおバンプレストは8月21日、子会社のユニファイブを9月1日付けで吸収合併するが、これに伴いユニファイブ事業部を新設、また子会社のミューラスを9月末付けで清算し、解散することになったと発表した。

 8.「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はセガ社の格闘ゲーム「バーチャファイター 4」(初登場)、2位はカプコンの「カプコンvsSNK 2」(同)。 TVゲーム完成品部門……1位はナムコの太鼓叩き音楽ゲーム機「太鼓の達人 2」(初登場)、2位はナムコの「太鼓の達人」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位は日立ソフトウェアの写真シール機「劇的美写」(11回目)、2位はタイトーの「ハードパンチャーはじめの一歩」。


 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。