2001年9月1日号

Last updated on August 22, 2001

特報

 東京ディズニーシーが9月4日開園に向け、8月1日から報道関係者らに公開された。

 日立製作所は衛星サービスを使う、映像シミュレーターのコンテンツ配信に乗り出した。

海外

 香港AAE01は規模、来場者とも大きく減らした。

フランスのパルク・アステリスク社はグレバン・コンパーニ社に社名変更した。

国内

任天堂は週刊「ファミ通」発行所のエンターブレインらを家庭用ゲームソフトの著作権侵害で訴えた。

サミーはセガ社の子会社だったSIEの株式を90%取得、DCグラフィックエンジン300万個も入手した。


2001年9月1日号のニュースダイジェスト

東京ディズニーシーのプレビューで、上はアラビアンコーストから見たミステリアスアイランドのプロメテウス火山。下は「センター・オブ・ジ・アース」のライド発車地点。

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はナムコの格闘ゲーム「鉄拳 4」、完成品タイプではナムコの太鼓叩き音楽ゲーム機「太鼓の達人」。

10年前の主なニュース

 歴史的なフリッパー、TVゲームなど75点以上を展示するAM機博物館「ナショナル・ビデオゲーム&コインオプ・ミュージアム」が米国セントルイスに誕生した。北海道・苫小牧の「ファンタジードーム」に映像シミュレーションシアター「パラドックス」が完成した。サミーの協力でキョクイチがゲーム場運営に進出した(1991年9月1日号)。

20年前の主なニュース

 TVゲーム「パックマン」に別の基板をつけ「ハングリーマン」とする改造基板についてイグレック/ユウビスは謝罪し、ナムコと和解した。こうした改変目的の追加基板についてJAMMAはガイドラインを定めた。米国ミッドウェー社はTVゲーム機のコピー対策でITC(国際貿易委員会)による排除命令を引き出し、効果を上げた(1981年9月1日号)。

Copyright © Amusement Press Inc. 2001     ゲームマシン、アミューズメントプレス、アミューズメント通信は登録商標です。無断で本紙記事を転載したり、その他アミューズメント通信社の知的所有権を侵害することは違法です(そのため処罰された出版社があります)。

【ニユースダイジェスト】

 1.東京ディズニーランド(TDL)の隣に作られた東京ディズニーシー(TDS)が9月4日開園に向け8月1日から報道関係者らに公開されている。TDSは約71haの敷地中央に火山を設け全体で23種の新規アトラクションを配した、世界で最も新しいディズニー系テーマパーク。海をテーマとしており、アリエルと仲間たちのエピソードを海底から見上げて楽しむ「マーメイドラグーンシアター」や火山の中を地底探検する「センター・オブ・ジ・アース」などがある。パークと一体化した付属のホテルミラコスタを含め3,380億円を投資して建設された。オリエンタルランドではTDLと合わせ年間2,500万人の入場を見込んでいる。

 2.日立製作所・産業機器グループは7月25日、英国のシミュレーターメーカー、キャンバー社とコンテンツ供給で提携、キャンバー社が持つ約100タイトルの映像ソフトなどコンテンツを日立が衛星を使って配信することになったと発表した。これは日立の衛星データ配信トータルサポートサービス「HKチャンネル」を使用するもので、10月からシミュレーターを設置するロケーションからのリクエストに応じて必要なコンテンツをHKチャンネルの管理センターから配信する予定。日立ではコンテンツを容易に交換することにより映像シミュレーターの価値を高めることができるとしている。なお日立自体も映像シミュレーターを開発しており、ナムコなどに供給している。

 3.任天堂とインテリジェントシステム(IS)は7月25日、両社が開発、販売してきた家庭用TVゲームソフト「ファイアーエンブレム」シリーズの著作権を侵害されたとして東京地裁に訴えを起こした。ティルナノーグが開発し、エンターブレインが今年5月に発売した「ティアリングサーガ・ユトナ英雄戦記」は任天堂/IS「ファイアエンブレム」の著作権を侵害し、また出所誤認を生じさせているという訴えで、販売禁止と損害賠償を求めている。エンターブレインはアスキーから昨年5月分社化した出版社で、プレイヤー向けゲーム雑誌を発行するほか、家庭用ゲームソフトの開発販売も手がけている。今回の訴訟に対しエンターブレインはとくにコメントしていない。

 4.サミーは8月2日、セガ社子会社のエスアイエレクトロニクス(SIE)の株式を1億6千万円で90%取得するとともに、「ドリームキャスト」のグラフィックエンジン約300万個を入手した。グラフィックエンジンの購入価格は約30億円と見られている。サミーはこれらをパチンコ/パチスロ機向け液晶表示装置に使用するほか、NEWS(ニュー・エンタテインメント・ワールド・オブ・サミー)事業で活用、アミューズメント、コンテンツ、ニューテクノロジー、マーチャンダイジングの各分野で2002年から具体的に展開する予定。SIE社長にはSNK前社長だった高堂良彦氏が就任した。

 5.コナミはハドソンが発行する第三者割当増資の株式を20億円で買い取るなどして、ハドソンの経営権を握ることになった、と発表した。新株取得は8月21日に行われ、これだけでコナミは38.8%所有の筆頭株主になる。またコナミ子会社のコナミエンタテインメントスタジオの札幌事業「スタジオ札幌」を分割、それをハドソンが吸収し、ハドソンの新株をコナミに割り当てるので、12月までに計45.5%の株主となる。ハドソンは昨年12月にナスダックジャパンに株式を上場したが、思うような資金調達ができなかった。コナミは経営基盤強化が急務と考え、シナジー効果を期待して資本提携した。

 6.東南アジア総合AM機展のAAE01(7月11―13日、香港)は出展規模も小さくなり、訪れる業者も激減した。中国とインド市場に対する期待は大きいがその見通しも明らかでなく、また同時期台湾の展示会TAMA・GTI(7月12―15日、台北)が開催され、韓国や香港の業者までが台北に行ったのもこたえた。AAEは94年以来のものでIAAPAと米国AAMAが共催、AIC社に代わるテラピン社が主催するもの。しかし強力な出展社だった米国ミッドウェー社が業務用から撤退し、勢いを失った。日本から岡本製作所だけが出展した。日本のJAMMA、JAPEAはまったく関心を示していない。

 7.フランス、パリ郊外のテーマパーク「パルク・アステリスク」を経営するパルク・アステリスク社は7月2日、グレバン・コンパーニ社に社名変更した。オランダのレジャープラン社が持つ2つの遊園地(ドルフィナリウムとアボンツーレンパーク)を買い取り、さらに拡大する方針を固めたことによる。パルク・アステリスク社は98年以来、蝋人形館のミューズ・グレバンや、ミニチュア・フランス、水族館などを次々し取得しており、すでにパルク・アステリスクを経営するだけの会社ではなくなっていた。同社は欧州での総合レジャー施設運営企業として拡大する計画だ。

 8.「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はナムコの格闘ゲーム「鉄拳 4」(初登場)、2位はカプコンの「機動戦士ガンダム・連邦vsジオン」。 TVゲーム完成品部門……1位はナムコの太鼓叩き音楽ゲーム機「太鼓の達人」(9回目)、2位はカプコン/ナムコの「ガンサバイバー 2」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位は日立ソフトウェアの写真シール機「劇的美写」(10回目)、2位はオムロンの「チルティショット」。


 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。