2001年8月15日号

Last updated on August 4, 2001

特報

 今年のAMショーには昨年と比べ30%減の55社が14%減の941小間に出展することになった。

 産業用VR展で韓国製の吊り下げ型映像シミュレーターなどが披露された。

海外

 ルーマニア政府はテーマパーク「ドラキュラランド」を建設すると発表した。

 ゲーミング機大手の米国IGT社はアンカーゲーミング社を買収した。

国内

 フェニックスリゾート社など3社の管財人はリップルウッド社などへの譲渡を含む更正計画案を提出した。

 全日本遊園施設協会(JAPEA)の新副会長に森本武彦氏が選ばれた。


2001年8月15日号のニュースダイジェスト

産業用VR展で、上の写真は韓国シミュライン/天竜工業の「VRレーサー」、下の写真は富士重工業の「ミニモーション」を試しているようす。
ベストヒットゲームズ
TVゲームソフトウェア1位はカプコンの「機動戦士ガンダム・連邦vsジオン」、完成品タイプではナムコのガンゲーム機「ガンサバイバー 2」。

10年前の主なニュース

 AMショーの会場はTRCのままだが第3会場を加えたため小間の削減はなくなり、49社が536小間に出展することになった。ナムコは凹面鏡を応用したCGゲーム機「スターブレード」を発表した。景品用ぬいぐるみとネオジオソフトでSNKとタカラが提携した。セガ社は欧州向け家庭用ソフト強化で英国バージン・マスタートロニクス社を買収した(1991年8月15日号)。

20年前の主なニュース

 TVゲーム「ジャンピューター」の商標権問題は、メーカーの三立技研が商標権を買い取ったことで収束することになった。東京・晴海で開く3協会共催AMショーに71社が502小間に出展することになった。セガ社は単独展で米国グレムリン社製のカラーXYモニター方式「スペースフューリー」など披露した。昭和鉄工の森周一社長、日興精機の山口松太郎社長が死去した(1981年8月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.今年のAMショーには55社が941小間に出展することになった。JAMMA/JAPEA共催のこの業務用AM機器展は9月20―23日、東京ビッグサイトで開催される予定。6月14日に出展を締め切ったところ、前回を大幅に下回る規模となることが分かったため関係者はさらに出展依頼をかけたりした。その結果かなり盛り返したが、前回と比べ出展社で30%減、小間数でも14%減となった。前回出展し今回出展しないのはカプコン、彩京など27社、逆に前回出展せず今回出展するのは大平技研、セガ・ロジステイックスなど3社。セガ社、バンプレストは25小間増やしたが、アトラスは26小間減、アルゼは20小間減などとなった。

 2.CESA主催の家庭用ゲームソフト展、東京ゲームショウ01秋(TGS、10月12―14日、幕張メッセ)には47社(前回54社)が1,222小間(1,131小間)に出展する予定だ。7月17日に発表したもので、セガ社、タイトーなどが再び出展することになったが、アルゼ、SCEなどは出展社に含まれていない。展示会よりもイベントの性格が強く、初日の午後1時までは招待客しか入ることができないが、後は入場料制ですべて一般に公開される。TGSのポスターデザインなども発表されており、今回はCESAゲーム対象を受賞したセガ社開発子会社、ソニックチームが製作した。

 3.産業用バーチャルリアリティ(VR)展が7月4−6日、東京ビッグサイトで開催され、サミーは3D映像システム「ボルマトリクス」を出品した。天竜工業は韓国シミュライン社製映像シミュレーター「VRレーサー」を披露した。3軸吊り下げ型のカプセルが作動するもので注目される。また富士重工業は1人用映像シミュレーター「ミニモーション」の試作機を展示、模型で「地震体験装置」も紹介した。産業用VR展は93年以来毎年開催されており、今回はAM機に応用可能なシステムが結構出品されたことになる。

 4.全日本遊園施設協会(JAPEA、山田三郎会長、正会員40社)は6月7日、長崎・琴海で通常総会を開催、遊戯施設の事故防止対策の強化をテーマにした事業計画など総会議案を承認した。当日その直後に開いた臨時理事会では、山田數夫副会長(トーゴ)が理事を含めて辞任したことを受けて後任選びを進め、新副会長に森本武彦理事(サノヤス・ヒシノ明昌)を選んだ。山田數夫氏は前任の山田俊夫氏と交代する形で91年から副会長になっていた。通常総会には委任22社、実際の出席者17社という低迷ぶりで、業界不振を色濃く反映するものとなっている。

 5.会社更正手続き中のフェニックスリゾートなどグループ3社の管財人は7月11日、米国の投資会社リップルウッド・ホールディングス社などへの事業資産譲渡を内容とする更正計画案を宮崎地裁に提出した。宮崎市と宮崎県がそれぞれ25%ずつ出資し88年に設立されたフェニックスリゾート社は約2000億円を投じて「オーシャンドーム」などからなる大型複合リゾート「シーガイア」を建設、94年にオープンしたが、当初から不振が続き、今年2月に負債3200億円を抱えて会社更生法適用を申請した。3社は100%減資した上で、リップルウッド社が162億円出資し買い取ることになる。

 6.ルーマニアのトランシルバニア地方にあるシギショワラに吸血鬼ドラキュラ伯爵をテーマにしたテーマパーク「ドラキュラランド」が建設されることになった。ルーマニア政府が観光収入を目的に建設するもので、2003年オープンの予定。ルーマニアでは89年12月までの25年間、ドラキュラならぬ「バンパイアスク」と呼ばれた独裁者シャウシェスク大統領が支配していたが、その後は民主化が進んでいる。観光省ではテーマパークで3000人の雇用が生まれるなどのメリットを強調、ドラキュラをテーマにしてもルーマニアのイメージが損なわれることはない、と説明している。

 7.米国ゲーミング機大手のインターナショナル・ゲーム・テクノロジー社(IGT、本社リノ)は7月9日、アンカーゲーミング社を430百万ドルの負債付きで、935百万ドルで買い取ると発表した。北米市場のシェアこれまでIGT社70%、WMS社10―15%、アライアンス社子会社のバリー社8―11%となっており、その他にアンカーゲーミング社は含まれている。IGT社は今年、日本からコナミ、豪州からアリストクラット社が進出してきているのに備えたことになる。

 8.「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はカプコンの格闘ゲーム「機動戦士ガンダム・連邦vsジオン」(8回目)、2位はカプコンの「カプコンvsSNK プロ」。 TVゲーム完成品部門……1位はナムコのガンゲーム機「ガンサバイバー 2」(初登場)、2位はナムコの「太鼓の達人」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位は日立ソフトウェアの写真シール機「劇的美写」(9回目)、2位はオムロンの「チルティショット」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。