2001年5月15日号

Last updated on May 11, 2001

特報

 家庭用ゲームソフト開発の高コスト体質から脱却するため、ナムコなど3社が提携した。

 会社分割制創設に伴う改正風営法と施行令が4月から施行された。

海外

 IAAPAの常勤会長の後継者として、ブレット・ラブジョイ氏が指名された。

 ウォルトディズニー社の第2・四半期決算は、ポータルサイト閉鎖に伴い減収赤字になった。

国内

 カプコンとナムコは業務用CGガンゲーム機を共同開発した。

 コナミの子会社、ピープルは社名を変更、本社も移転することになった。


2001年5月15日号のニュースダイジェスト

ASI2001で上の写真はナムコ・アメリカ社で開発中の「タレットタワー」。下の写真はOKマニュファクチュアリンク社のアーケードゲーム機「グラビティヒル」。

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はカプコンの「機動戦士ガンダム・連邦vsジオン」、完成品タイプではナムコの「太鼓の達人」。

10年前の主なニュース

 セガ社は「ハイテクセガJR下関」を皮切りに佐世保、金沢、別府とJR駅構内の直営店を展開し始めた。米国連邦取引委員会(FTC)は家庭用「NES」本体価格維持が独禁法違反に当たるとしていたが、米国任天堂が保証金を支払うことで和解した。警察庁・保安課は90年中の「8号営業」関係の調査結果を発表、TVポーカー、エイトラインなどによる遊技機賭博は3年続けて減少したことを明らかにした(1991年5月15日号)。

20年前の主なニュース

 JAMMAは第2回理事会でTVゲームのコピー対策など共同宣言を採択、具体的活動に向けて5部会、4委員会を設置した。NAOの東京第1、第2、第3支部が発足した。米国バリー社は飛躍的な好決算を示した。タイトーの商品部長だった島田信幸氏が胃がんで死去した。新宿アルタでナムコ「ニューラリーX」ゲーム大会が行われた。(1981年5月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.ナムコ、エニックス、スクウェアの3社は4月23日、家庭用ゲームソフト関係の幅広い分野で提携すると発表した。3社のそれぞれ実質的筆頭株主である中村雅哉会長兼社長、福嶋康博会長、宮本雅史元社長が3社の協力で合意し、それぞれ4―5%の株式を持ち合うことにした。ゲームソフト開発や海外販売などで協力するとしているが、具体的な提携内容は今後詰めていくとのこと。家庭用ゲーム機の性能アップに伴いゲームソフト開発には高いコストがかかるようになり、市場への対応が困難になってきたことから、3社は何らかの打開策を見つけようということになったもようだ。

 2.カプコンとナムコは4月19日、業務用CGガンゲーム機「ガンサバイバー2・バイオハザード・コードベロニカ」を共同開発し、6月末にも出荷すると発表した。カプコンの人気家庭用ゲームソフト「バイオハザード」シリーズの新作、PS2/DC用「バイオハザード・コードベロニカ」完全版を元に業務用CGガンゲーム機にするもので、プレイヤーは備え付けの銃を使って3D空間に現れる化物を倒していく。業務用は2Pタイプで、家庭用にはなかった2人同時協力プレイができる。これら2社による共同開発は初めて。

 3.遊園地関係の国際協会、IAAPAは3月27日、長年事務局を運営してきたジョン・グラフ会長兼CEOの後継者として、ブレット・ラブジョイ氏を指名したと発表した。グラフ氏はすでに22年勤務しており、来年春までの引退を表明していた。このほど決まったラブジョイ氏は5月から常勤会長となり、グラフ氏は12月までCEOにとどまる。現在42歳のラブジョイ氏はワシントンDCでの法律関係、議会関係の仕事を経て、91年から業者団体の役員になった。なおIAAPAでは98年から、会員から選ばれるトップを議長とし、常勤のトップを会長としている。

 4.米国ウォルトディズニー社は4月24日、第2・四半期(1―3月)決算を発表、ポータルサイト「ゴー・ドットコム」閉鎖に伴い、減収赤字となった。売上高は4%減の6,049百万ドル、営業利益は14%増の1,037百万ドルだったが、純損失は567百万ドルと赤字になった。部門別では遊園地・ホテル部門が増収増益で好調なのに対し、他の4部門が減収となっている。遊園地・ホテル部門ではディズニーワールドが好調で、さらにアナハイムの第2テーマパーク「カリフォルニアアドベンチャー」が加わった。

 5.会社の分割法制が昨年5月に創設され今年4月から施行されたのに伴い、ゲーム場に関係のある風営法も改正されており、今年3月末に公布された改正内閣府令、改正国家公安規則とともに施行された。会社分割とはある部門を別会社にする方式のひとつで、子会社として分社化するのとは異なり、分割してできた新会社の株式を株主に割り当てるというもの。ゲーム場などの風俗営業でも会社分割がありうることから、その規定を盛り込んだ風営法改正が行われた。ゲーム場は84年の大改正以来風俗営業に取り込まれたが、その見直しは一度も行われていない。

 6.米国フォトファンタジー社は3月、「ポートレイトスタジオ」の特許を侵害したとして、韓国・ソウルのクンヤン社とその米国子会社のKYアメリカ社を相手取って連邦地裁に提訴したが、KYアメリカ社は4月16日、全面的に争う姿勢を明らかにした。KYアメリカ社によると、同社の勝訴は確実であり、利益のない訴訟をなるべく早く裁判所が退けるよう望んでいるとのこと。フォトファンタジー社はすでにポートレイトスタジオ」の米国特許を取得しており(日本や欧州でも特許申請している)、特許侵害に対して正面から戦う姿勢だ。

 7.コナミのフィットネス子会社、ピープルは4月12日、今年2月期決算とともに、社名変更、本社移転、役員異動など発表した。社名は6月1日付けでコナミスポーツに変更、本社はコナミHE事業部のある新宿に4月23日から移転、決算期は3月期に変更する。役員派遣では5月の株主総会を経てコナミから太田護、舘野登史郎専務執行役員がそれぞれ代表権のある会長、取締役を兼任する。ピープルの石原悟社長、黒岩忠則副社長はそれぞれ代表権を持ったまま執行役員としての社長、副社長となる。

 8.「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はカプコンの格闘ゲーム「機動戦士ガンダム・連邦vsジオン」(2回目)、2位はカプコンの「ストリートファイターZERO3アッパー」。 TVゲーム完成品部門……1位はナムコの太鼓叩き音楽ゲーム機「太鼓の達人」(3回目)、2位はセガ社の「ダービーオーナーズクラブ2000」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位は日立ソフトウェアの写真シール機「劇的美写」(3回目)、2位はアトラスの「めちゃキレイ!」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。