2000年12月15日号

Last updated on December 9, 2000

特報

 国民生活センターは、店頭販売やゲーム機景品のレーザーポンターでの事故例で、業界側に警告した。
 米国アトランタでのIAAPAショーで、TVゲーム機の新作がいくつか紹介された

海外

 アルゼは、スティーブ・ウィン氏のバルビノラモーレ社に約280億円出資し、50%取得した。
 ナムコの米国ゲーム場運営子会社は、直営店48店など取得し、さらに規模を拡大した。

国内

 11月末までに9月中間決算が発表され、セガ社は業務用とゲーム場運営で健闘していることが明らかになった。

 コナミは「遊戯王」が続伸したが、家庭用と業務用は大幅に後退した。


2000年12月15日号のニュースダイジェスト

写真はIAAPAショー2000で、上は米国サリー社の小間のようす。下はミッドウェー社が出品した「アーテックサンダー」

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はカプコン「カプコンvsSNK」、完成品タイプではセガ社「ダービーオーナーズクラブ」。

10年前の主なニュース

 国際団体IAAPAの理事にトーゴの山田數男社長が日本から初めて選ばれた。明昌特殊産業を取得したサノヤスは91年4月に合併すると発表した。SNKは1タイトル用「ネオジオ」を12月に出荷した。AOUは質疑の機会を増やすため、初めて全国大会を開催した(1990年12月15日号)。

20年前の主なニュース

 大蔵省は物品税をTVゲーム機にも課税することで検討していることを明らかにした。米国ミッドウェー社は「ギャラクシアン」類似品問題でユニバーサルを訴えていたが、和解した。風営7号営業のスロットマシンメーカーが日電協を設立した(1980年12月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.国民生活センターは子どもがレーザーポインターを遊びに使って事故を起こした例が少なくとも97年から14件あるとして11月2日、関係業界に要望書を送った。それによると事故を起こした子どもたちは、店頭自動販売機やゲーム場のクレーンゲームの景品で入手し、人の目に当てて網膜損傷などの事故を起こしているという。要望先はJAMMA、AOUなど4団体だが、JAMMAは会員に配布するだけで終えたとし、AOUはすでにマスコミ報道ずみとして何もしていない。

 2.米国アトランタで開かれたIAAPAショー2000には、約3,300社が5万uに出展して規模を増やしたが、訪れた業者は前年比6%減の約28,000人となった。業務用ゲーム機関係では、コナミ、サミー、セガ社、ナムコの米国子会社とスペインのガエルコ社、米国のミッドウェー社などが出展、それぞれ新ゲームを紹介するなど意欲的だった。ナムコは「タワータレット」、ミッドウェー社は「アークチック・サンダー」を初めて公開した。

 3.アルゼは11月6日、スティーブ・ウィン氏のバルビノラモーレ社に約280億円出資し、同社を50%取得したと発表した。ウィン氏はベラージオなどのカジノホテルを成功させた後、3月にMGMグランド社がミラージュ社を買収したのに伴い退社、ディザートインを買い取りそこに3000室級の二つのホテルを建設することを6月に発表していた。アルゼはウィン氏の事業に参加することにより、エンタテインメントビジネスのノウハウを得ることが出来るとしている。

 4.ナムコの米国ゲーム場運営子会社、ナムコ・サイバーテインメント社は11月1日、オペレーター会社のポケットチェンジ・アメリカ社から採算の良いゲーム場48店などを買い取った。同時にポケットチェンジ社の社長だったアート・ヘルマット氏らもナムコサイバー社に転職しており、人事面でもかなり吸収した。ナムコサイバー社は旧アタリゲームズ社のオペレーション部門を取得して発足、アラジンズキャッスル社を吸収したもので、規模を増している。

 5.11月末までに9月中間決算が各社から発表された。今回から連結中間決算が中心となっており、セガ社の場合業務用販売、ゲーム場運営は営業利益が出ており、344億円の営業赤字を出した家庭用に比べ、堅調であることが明らかとなった。コナミはカードゲーム「遊戯王」が続伸したが、家庭用、業務用とも大幅に後退、輸出も大幅に減らした。ナムコは業務用が後退、営業赤字となったが、ゲーム場運営は黒字だった。カプコンは業務用がマスクROM不足などで伸び悩んだが、家庭用が好調だった。

 6.バンプレストはAM(機器と景品)が好調だった。アトラスは業務用、家庭用とも苦戦し、営業赤字となった。テクモの業務用売上高はわずか164百万円だったが、家庭用で支えられた。PCCWジャパン(旧ジャレコ)の業績はまったく振るわなかったが、PCCW社の傘下で経営の建て直しが進められている。タイトーは単独決算のみで、オペレーション収入が4.2%減の22,930百万円となり、リストラを進めている。

 7.AOUは「AOUエキスポ2001」の開催要領を11月14日にやっと明らかにした。それによると2月23‐24日、幕張メッセで開催、12月15日に出展申し込みを締め切る。出展できるのはAOUの賛助会員(年会費10万円)に限られている。募集要領などはこれまでと同じだが、出展社に義務付けられていた仮設電話の設置は不要となった。また家庭用については業務用と連動させる例が出てきたことから、出品できることになった。

 8.「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はカプコンの対戦格闘ゲーム「カプコンvsSNK」(6回目)、2位はセガ社「バーチャストライカー 2バージョン2000」。TVゲーム機完成品部門……1位はセガ社の競走馬育成ゲーム「ダービーオーナーズクラブ」(17回目)、2位はコナミ「ビートマニアUDXフォーススタイル」。TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はオムロンの写真シール機「フラッシュショット」(8回目)、2位はメイクソフトウェア「フォト&シール・キララ 2」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。