2000年11月15日号

Last updated on November 8, 2000

特報

 タイトーは本社ビルと中央研究所の売却を含むリストラ計画を発表した。

 オリエンタルランドさえもが消費不況で最終赤字になる、との業績下方修正を発表した。

海外

 米国インディアナポリス市条例について、連邦地裁は業界側による条例差し止め申請を却下した。

 アンダミロUSA社の訴えに、コナミは全面対決の姿勢を打ち出した。

国内

 タイトーはお取引様感謝会を開催、西垣社長は客が望む機械開発を進めると意欲を語った。

 ナムコはリハビリエンターテイメント施設の企画開発を本格化させた。


2000年11月15日号のニュースダイジェスト

東京ゲームショウ秋のカプコンの小間で開催された「カプコンvsSNK」決勝大会で、上の写真中央は上位の3人

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はカプコン「カプコンvsSNK」、完成品タイプではセガ社「ダービーオーナーズクラブ」。

10年前の主なニュース

 住友銀行系の造船会社、サノヤスは総合ライフと田村町興産が持っていた明昌特殊産業の全株式を約80億円で取得した。タイトーはAMショーに出品した「D3−BOS」を3月にも出荷することになった。SNKは「ネオジオ」の1タイトル用基板キットを開発した。米国バリー社はミューレーン会長の退任、ゴールドバーグCEO就任を発表した(1990年11月15日号)。

20年前の主なニュース

 米国AMOAエキスポ80(10月31日‐11月2日、シカゴ)ではTVゲームへの傾斜が強まり、フリッパーメーカーまでもがTVゲームに参入、日本からも大勢業者が訪れた。ボナンザは「スーパースコープ」無許諾製造事件で争っていたが、800万円の支払いを受けることでオリエンタル興業との訴訟を和解した(1980年11月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. タイトーは10月20日、業績予想を下方修正するとともに、リストラ計画を発表した。修正後の2001年3月期予想は16億円の当期損失と、2年連続赤字になる見通し。市場回復の遅れから主力のゲーム場収入が伸び悩んでいるため、全社員の17%にあたる300人の希望退職を募るのが理由。特別退職金など13億円を特別損失に計上する予定。また平河町の本社ビルと、横浜の中央研究所の土地建物を今期中に売却する計画だ。2002年3月期は黒字回復すると予想している。

 2. 東京ディズニーランドを経営するオリエンタルランドは10月24日、業績予想を下方修正、初の最終赤字になることを明らかにした。修正後の2001年3月期は最終損失が17億円となる見込み。これは長引く不況で個人消費の低迷が続いており、このため入園者が減少、また一人あたりの消費額も少なくなっているため。連結ではこれらの理由に加え、来年秋オープン予定の「ディズニーシー」投資負担がかさむためとされている。

 3. 米国インディアナポリス市が定めた、ゲーム場で暴力ゲームを未成年者に触らせないとする条例について、業界側は条例施行中止を求める申請をしていたが、連邦地裁は10月11日、施行して良いとする決定を下した。ハミルトン判事は、合衆国憲法修正第1条違反とする業界側の意見に対し、違反しないとの判断を示したが、この判断には問題があるとの意見が法律家の間からも出ている。業界側は直ちに緊急の抗告を連邦控訴裁判所に対して行った。

 4. 韓国アンダミロ社の米国子会社、アンダミロUSA社がコナミの米国子会社を相手に特許侵害訴訟を起こしたことに関して、コナミは10月13日、問題の特許をアンダミロ社が持っているかどうかを含めて全面的に争うとのコメントを発表した。米国で音楽ゲーム機「パンプ」を展開するアンダミロUSA社は、コナミが米国特許4720789を侵害する「DDR」を販売し、アンダミロUSA社に損害を与えた、などと主張している。

 5. タイトーは9月19日、有明のホテルで「お取引様感謝会」を催し得意先など26名を招待した。97年以来毎年鹿児島で催してきたのを、今年から趣向を変えAMショー直前会場近くで開催した。今年6月に就任した西垣保男社長は、「業務用AM業界の経営環境は先が見えない状況が続いているが、機械に硬貨を投入する客の望んでいることを考えてゲーム機を開発していく。林隆専務、佐藤充昭GM事業本部長と若返り人事を実施したので、積極的にかつ地道に努力したい」と挨拶した。

 6. ナムコはリハビリエンターテインメント施設の企画開発を本格開始し、その最初の施設を千葉市内の「ケアプラザ銀の鈴・検見川浜」内に設置、11月1日オープンした。「ワニワニパニック」など福祉仕様のAM機などを設置したもので、高齢者でも楽しく遊べるよう工夫しているのが特徴。介護サービス研究所の梅畑雅信社長はナムコと昨年12月に資本提携した、と語った。ナムコの中村雅哉社長は映画製作についての意欲を披露した。

 7. JAMMAなど3協会は99年度の業界を示す「AM産業界の実態調査報告書」を発表したが、それによると業務用では販売が前年比5.6%減の1,872億円、ゲーム場などオペレーションが1.5%減の6,195億円の、合計2.5%減の8,067億円と、3年連続して減少したことを示した。しかし、輸出はわずかしかなく、国内は個人消費の落ち込みが続いているので、販売・オペレーションともここ数年大きく下落しているという現実からすると、実態とは異なるのではないかとも見られている。

 8. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はカプコンの対戦格闘ゲーム「カプコンvsSNK」(4回目)、2位は彩京/カプコン「ガンスパイク」。TVゲーム完成品部門……1位はセガ社の競走馬育成ゲーム「ダービーオーナーズクラブ」(15回目)、2位はセガ社「東京バス案内」。TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はオムロンの写真シール機「フラッシュショツト」(6回目)、2位はメイクソフトウェア「フォト&シール・キララ2」。


 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。