2000年8月1日号

Last updated on July 27, 2000

特報

 約1年間特許問題で争ってきたナムコとコナミが和解したが、ジャレコとコナミの争いは続いている。
 米国の3協会はFEC用展示会「ファンエキスポ」を買収、統合に向け前進した。

海外

 米国SCE社は、エミュレーター「VGS」訴訟で特許関係分を取り下げてしまった。
 ミラージュ社の元社長、スティーブ・ウィン氏は、ディザートインホテルを買い取り、新ホテル建設計画を発表した。

国内

 タイトーは、ユニバーサルスタジオのキャラクターを使ったキッズ向けロケを展開することになった。
 和議申請していたデータイーストに対し、東京地裁は和議を認可した。


2000年8月1日号のニュースダイジェスト

セガ社新作展で、上は「コズミックスマッシュ」、下は「東京バス案内」 ベストヒットゲームズ

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はナムコ「ミスタードリラー」、完成品タイプではセガ社「ダービーオーナーズクラブ」。

10年前の主なニュース

 AOUの警察関係社団法人化に伴い、プライズマシンの景品は従来の200円以下から500円以下に引き上げられたが、法的根拠は示されていない。セガ社は体感ゲーム機「R−360」を発表した。任天堂は16ビット「スーパーファミコン」を11月に発売すると発表した。AAMAは初のメキシコ展を開催した(1990年8月1日号)。

20年前の主なニュース

 インベーダーゲームブームが去ったあと、違法なギャンブル営業機が蔓延している。明昌特殊産業は成田工場竣工を披露した。ナムコのTVゲーム「パックマン」が出荷された。アタリ社のTVゲーム「ミサイルコマンド」のテーブル型がセガ社、タイトーから発売されることになった(1980年8月1日号)。

Copyright © Amusement Press Inc. 2000     ゲームマシン、アミューズメントプレス、アミューズメント通信は登録商標です。無断で本紙記事を転載したり、その他アミューズメント通信社の知的所有権を侵害することは違法です(そのため処罰された出版社があります)。


【ニユースダイジェスト】

 1. ナムコとコナミは7月3日、特許紛争について和解したと発表した。両社で紛争の発端となったのは、ジャレコ「VJ」をナムコがオペレーションに使用したというもので、ナムコとジャレコはコナミ「ビートマニア」特許の無効審判を特許庁に申請、まもなく何らかの審判が言い渡される予定。こういう時期だけに、和解内容と理由が気になるが、両社は和解内容を公表しないことを和解条件に含めているため、不明である。しかし、ジャレコが申請している無効審判事件についてはいずれせよ近く結果が示される予定となっている。

 2. ジャレコによれば、ナムコがコナミと和解したのはコナミが譲歩案を示したためと見られるが、ジャレコに対しては譲歩するものもないので和解はありえない。ナムコが応じたのは、今年4月からプロ野球のデータをTVゲームで使用する独占権をコナミが獲得しており、コナミ以外のメーカーはコナミからサブライセンスを得なければならなくなったという事情に関連している、とみられている。ジャレコは実用新案権に基づく仮処分を申請、コナミは特許に基づく仮処分を申請したままで、本訴はないままとなっている。

 3. 米国AAMA、AMOA、IALEIの3協会はFECオペレーター向け展示会「ファンエキスポ」をリードエキジビション社から買い取った、と6月30日発表した。買収額は公表していないが、IELAが50%、AAMAとAMOAが各25%出した。米国の業務用展示会は低迷しており、AAMAのASI、AMOAのAMOAエキスポとファンエキスポを統合し、大規模なIAAPAショーに対抗しようという動きが以前から続けられているので、そのための一歩と見られている。

 4. 米国MGMグランド社はミラージュリゾーツ社を64億ドルで買収したが、これに伴いミラージュ社を退職したスティーブ・ウィン元社長は株式売却で約4.8億ドルを手に入れた。それを元にラスベガス大通りにあるディザートインを約2.7億ドルで買い取り、今年9月で閉鎖し、新たに3000室クラスのカジノホテルを二つ建設する、と6月22日発表した。ディザートインは50年の歴史を持つ古いホテルで、ゴルフコースなど広い敷地がある。

 5. 米国SCE社は、コネクティックス社のエミュレーター「バーチャルゲームステーション」(VGS)を訴えているが、6月29日に特許侵害訴訟を取り下げた。著作権、商標についてはすでに連邦裁判所が却下しており、残るトレードシークレットと不正競争については9月1日からヒアリングが始まる予定。SCEはブリーム社のエミュレーター「ブリーム!」についても訴えているが、かなり苦戦している。ブリーム社はDCでPSソフトが作動するエミュレーターも発表しており、注目される。

 6. タイトーは6月27日、米国ユニバーサルスタジオ社のキャラクターを使った、キッズ向けの店舗を全国のSCなどで展開する、と発表した。店舗名称は未定だか、ウッドペッカーなどのキャラクターをふんだんに使用し、33−66uに12−22台のクレーン機などAMゲーム機、自動販売機を設置する。10月に1号店をオープン、2001年3月までに100店まで、2002年3月までに300店まで増やす計画。1店当たり約1千万円を投資し、年間2千万円の売り上げを見込んでいる。

 7. 99年1月に和議申請したデータイーストに対し、東京地裁は7月5日、和議債権の75%放棄などを条件とする和議を認可した。残り25%については2001年12月から毎年2.5%ずつ10年間で返済する予定。データイーストは76年設立の業務用ゲーム機メーカーだが、86年から家庭用に参入し、97年には業務用から撤退している。セガ社はデータイーストの主な株主で大口債権者だが、和議に賛成するかどうかが注目されていた。

 8 「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はナムコのアクションゲーム「ミスタードリラー」(2回目)、2位はセガ社「バーチャストライカー2バージョン2000」。TVゲーム完成品部門……1位はセガ社のCG競走馬育成ゲーム「ダービーオーナーズクラブ」(8回目)、2位はコナミ「ダンスマニアックス」。TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はメイクソフトウェアの写真シール機「フォト&シール・キララ」(8回目)、2位はオムロン「ピュアショット」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。