1999年12月1日号

Last updated on November 29, 1999

特報

 ナムコは家庭用TVゲーム機のCD−ROM読み込み中のミニゲーム特許を侵害されたとして、コナミを訴えた。

 これに対しコナミはナムコの特許を侵害していないと反論している。

海外

 米国ウォルトディズニー社と香港特別行政区政府は、ランタオ島で2005年に香港ディズニーランドをオープンすることなどで合意した。

 ブラジル政府は許可制ビンゴパーラー以外のゲーミング機設置営業を全面禁止とした。

国内

 アトラスは9月中間期と通期業績予想を修正し、SNKとの訴訟早期解決に備えて、有価証券などを売却したと発表した。

 コナミはインターネットで業務用AM機の中古機オークションを開始した、と発表した。


1999年12月1日号のニュースダイジェスト

香港ランタオ島に2005年オープンする香港ディズニーランドを、上空から見た夜景のイメージ図。左側遠方に香港中心街の明かりが見える。

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はカプコン「ジョジョの奇妙な冒険・未来への遺産」、完成品タイプではコナミ「サイレントスコープ」。

10年前の主なニュース

 コナミのTVゲーム機「ティーネイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ」(TMNT)が米国など海外でヒットした。日本物産のTV麻雀ゲーム機「AV麻雀・ビデオの妖精」が業界にとって好ましくないとして、JAAMA、AOU両協会が問題にした。岐阜県協はAOUからの退会を断念した(1989年12月1日号)。

20年前の主なニュース

 米国AMOAエキスポ79(11月9−11日、シカゴ)は「スペースインベーダー」、「ギャラクシアン」など日本の人気機種が主役となり、熱気にあふれた展示会となった。アタリ社はヒット作となる「アステロイド」を出品。この催しに日本からも200名近くが視察に訪れた(1979年12月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. 米国ウォルトディズニー社と香港特別行政区政府は11月2日、「香港ディズニーランド」を香港新空港のあるランタオ島北部に建設、2005年にオープンすることで合意したと発表した。米国以外のディズニーランドは、83年開業の東京、92年開業のパリに続く3ヵ所目となる。香港政府が57%、ディズニー社が43%出資して設立する香港国際テーマパークが建設する。しかし投資額となると、32億米ドルのうち大部分の28.9億ドルを香港政府が負担し、さらにディズニー社にロイヤリティを払うことになる。

 2. ナムコは家庭用TVゲーム機でCD−ROM読み取り中にミニゲームをできるようにする特許を94年12月に出願、98年1月特許庁で登録された。この特許はPS用「リッジレーサー」などに使用され、一般にも知られるようになっているが、コナミが99年7月に出荷したPS用「実況パワフルプロ野球99開幕版」でこの特許が無断使用されていることから、警告した上で、10月27日に特許侵害訴訟を提出した。コナミは、ナムコ特許は無効でありコナミは侵害していない、と説明している。

 3. 南米ブラジル政府は10月23日、「ビデオビンゴ」などと呼ばれるスロットマシン、TVポーカーなどのゲーミング機を改めて全面禁止し、設置営業する違法業者の一斉摘発に乗り出した。ブラジルでは元々ギャンブル機営業は禁止されているが、許可制(スポーツ振興資金のため)のビンゴパーラーがあることからゲーミング機の扱いは曖昧になっていた。ゲーミング機をブラジルに輸出してきた欧州の業者は大きなショックを受けているが、地元のAM機業者は今回の処置を歓迎している。

 5. アトラスは10月29日業績予想を修正したのに伴い、SNKとの訴訟早期解決のための出費に備えて、有価証券などを売却し、営業外利益と特別利益に計上することになったと発表した。11月19日発表の中間決算では、特別利益に計上した有価証券売却益が85百万円、特別損失に計上した訴訟費用が290百万円、棚卸資産評価損が83百万円となっている。これらは単独決算ベースだが、子会社の業績不振のため通期連結では最終損失を490百万円まで広げる、とアトラスでは予想している。

 6. コナミは業務用TVゲーム機の中古品オークションをインターネット上で行う専用サイト「コナミアケードネット」を10月4日開設した、と28日に発表した。子会社のコナミアミューズメントオペレーションが担当するもので、約1000社の会員オペレーターに、パソコンを無料貸与し、会員は売買したい機種、価格を提示するという。具体的なURLやシステムは会員以外知ることができない。インターネットによる中古機オークションはこれまで、ニッコウ電子や倒産したK&Uが会員制でなくオープンで実施したことがある。

 7. 業務用カラオケ業者の団体、全国カラオケ事業者協会は9月27−28日、東京で「カラオケフェスタ」を開催したが、95年以来新製品展示会となってきたのに、今年は新製品展示会はなく、カラオケのこれまでの歴史を振り返る資料展示にとどまった。最も古い71年クレセント製「8ジューク」などが展示された。協会では「2000年の区切り目として記念イベントを組んだ」と説明しているが、「不況で製品が売れず、新製品も少ないため、これまでのような展示会は中止になった」と見る向きが多い。

 8. ヒューマン梶i東京都武蔵野市吉祥寺、鈴木長四郎社長)が11月1日、東京地裁八王子支部に和議開始を申請した。負債約40億円。83年5月設立のTVゲーム開発メーカーで、開発者養成学校も運営していた。TVゲームは業務用ではヒット作が少なく、むしろエレメカの占い機などでよく知られている。業務用部門は昨年中に撤退、家庭用ゲームソフトでも苦戦、撤退することになっていた。

 9. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はカプコンの格闘ゲーム「ジョジョの奇妙な冒険・未来への遺産」(2回目)、2位はセガ社「バーチャストライカー2バージョン2000」。TVゲーム完成品部門……1位はコナミのガンゲーム機「サイレントスコープ」(5回目)、2位はコナミ「ドラムマニア」。TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はトーワジャパンの写真シール機「ストリートスナップ」(17回目)、2位はメイクソフトウェア「エル」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。