1999年8月1日号

Last updated on July 22, 1999

特報

 6月下旬、SNKとアトラスが和解に合意し、米国での独禁法訴訟をSNKが取り下げた。アトラスが発表することになっているが、和解条件は公表されていない。

海外

 米国アタリゲームズ社の販売部門は、親会社のミッドウェー社販売部門に統合、一部を除き廃止されることになった。

 ソニー初のLBE「メトレオン」がサンフランシスコでオープン、DRE社2ヶ所目の「ディズニークエスト」がシカゴでオープンした。

国内

 バンプレストの3月期決算は増収で大幅増益だった。

 今年のAMショーの出展社と小間割りが決まったが、今年から追加出展がなし崩し的に認められており、締め切りが無意味になっている。


1999年8月1日号のニュースダイジェスト

「KOF99」を発表した7月6日、SNK本社での新作展で(左から)宮島博海外部長、メキシコのプラス社スタッフ(3人目がマリオ・プロニック社長)、米国SNK社の中南米担当エリダ・ダバロスさん

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はカプコン「ストリートファイターVサードストライク」、完成品タイプではコナミ「ダンスダンスレボリューション・セカンドミックス」。

10年前の主なニュース

 近畿4府県のオペレーター協会による「大阪アミューズメントマシンショー」が7月1−2日、インテックス大阪で開催され、44社が出展し、一般プレイヤーに公開された。韓国ソウルのテーマパーク「ロッテワールド」がオープンした。関西娯楽がタップスに社名変更した(1989年8月1日号)。

20年前の主なニュース

 「インベーダーゲーム」のブームに伴い、喫茶店で高得点を出したプレーヤーに景品を提供し、「7号営業」の無許可営業で摘発される例が各地で起こった。自治省はAMゲームに対する娯楽施設利用税課税の検討に入った。アイピーエムはアイレムに社名変更した(1979年8月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. SNKとアトラスは6月下旬、SNKがアトラスを米国連邦地裁で訴えていた独禁法訴訟で和解に合意、両者間の訴訟はすべて判決に至らないまま解決した。アトラスは97年10月にSNKを相手に特許訴訟を起こし、特許無効の疑いが強まったことから、98年6月に訴訟を取り下げた。SNKは98年10月、特許訴訟は根拠のないもので、米国での市場独占をねらうものだった、としてアトラスを訴えていた。アトラスは98年10月、「SNKと和解した」とアナウンスしたことがあり、今回はアトラスが発表することになっているが、直ちに発表とはならなかった(6月30日に和解合意したと、アトラスは7月16日に発表した)。和解金など和解条件は明らかではない。

 2. 米国アタリゲームズ社の販売部門は、親会社ミッドウェー社の販売部門に統合され、廃止されることになった。両社の製品販売はミッドウェー社のマーク・ストロー販売担当副社長が担当、アタリゲームズ社のTVゲーム新作「サンフランシスコラッシュ2049」から実施されることになった。これに伴い、両社の販売スタッフでは解雇される者(結構有名な業界人が多数含まれる)が相次いだ。両社は米国でも数少ない、本格的業務用AMゲーム機メーカーであるが、市場に対応したリストラ(再構築)だと説明している。

 3. アトラクションとゲーム機で構成されるロケーション・ベースド・エンタテイメント(LBE)施設のオープンが相次いだ。ソニーの米国子会社はサンフランシスコのダウンタウンに6月16日、「メトレオン」をオープンした。同日ディズニー・リージョナル・エンタテイメント社(DRE)はシカゴのダウンタウンに、2ヶ所目の「ディズニークエスト」をオープンした。シカゴ郊外ではセガ・ゲームワークス社が6月3日、10店目の「ゲームワークス」をオープンした。6月4日ナスダックからニューヨーク証券取引所に株式を上場したデイブ&バスター社(D&B)は6月7日、20店目の「D&B」をセントルイスでオープンした。

 4. バンダイの子会社、バンプレストの99年3月期決算が明らかになり、売上高は前年比5.9%増の13,166百万円、経常利益は15.9%増の3,002百万円と、好調だった。売上高のうち、業務用機器と景品は12.5%増の24,179百万円で、特に「ポケモン」キャラクターが押し上げた。ゲーム場運営は1店増1店減の6店で、プレイヤーの消費不信の影響を受けて18.2%減の2,007百万円となった。バンプレストでは新社長に伍賀槌太氏が就任している。

 5. JAMMA/JAPEA共催の今年のAMショーの出展は6月10日に締め切られ、23日に小間位置決定会が開かれたが、その後も新規出展申し込みなどを受け付けており、締め切りは事実上無意味となっている。6月30日までの変更を入れると、78社が1091小間に出展する予定になるが、さらに変更されることが予想されている。前回は73社、1,300小間だったので、出展面積で16.1%減少することになる。前回までは会員しか出展できなかったが、今回から非会員の出展も認められている。しかし、台湾、韓国からの出展を含め出展規定をショー事務局が十分理解させた上で受付けたのかどうかは不明。

 6. JAPEAは通常総会で、今年から2年間に限り会費を20%値下げすることを含む事業計画、予算を決めた。会員の事業環境に配慮したもので、すでに理事会で詰めていた。99年3月期には1社入会、8社退会で正会員は43社となっている。JAMMAでも総会で会費値下げの提案があり、理事会で検討することになっているが、総会の議事録ではそういう提案があったことすら記録されていない。JAMMAでは99年3月期に5社入会、9社退会で正会員は67社だが、さらに5月までに3社が退会しており、減少傾向が続いている。

 7. 「法人申告所得ランキング99」AM業界関連132社を一挙、本紙に掲載した。98年12月期までの1年間の申告所得を帝国データバンクが調べたものを、本紙でピックアップしたもの。テクモ、コナミなどが復活し、グレイド、アイモなどが新規登場した。「ポケモン」をヒットさせたゲームフリークスは全国2935位に急上昇した。本紙では業務用ゲーム機、乗り物機のメーカー、販売会社、オペレーターを中心に構成したが、家庭用ゲームソフト、カラオケ関連の主なものも収録している。

 8. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲーム・ソフトウェア部門……1位はカプコンの格闘ゲーム「ストリートファイターVサードストライク」(3回目)、2位はセガ社「バーチャストライカー2バージョン99」。 TVゲーム・完成品部門……1位はコナミのダンスシミュレーションゲーム機「ダンスダンスレボリューション・セカンドミックス」(6回目)、2位はコナミ「ダンスダンスレボリューション」。TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はオムロンの写真シール機「透明マジック」(初登場)、2位はメイクソフトウェア「エル」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。