1999年3月1日号

Last updated on February 12, 1999

特報

 セガ社はゲーム場のAM機用にプリペイドのICカードを開発、新設の「クラブセガ渋谷」に導入した。

 昨年1月に倒産した九娯貿易の和議が裁判所によって認可され た。

海外

 米国のAMOAエキスポ99とファンエキスポ99は、同時に同じ会場で平行して開催されることになった。

国内

 SNKは3月19日に「ネオジオポケットカラー」(8,900円)を発売することを明らかにした。


1999年3月1日号のニュースダイジェスト

「クラブセガ渋谷」で、プリペイドのICカード「ゲームカード」(写真上)を受け入れるようにしたTVゲーム機のカード挿入口(写真下)

ベストヒットゲームズ

 TVゲームソフトウェア1位はカプコン「ジョジョの奇妙な冒険」、完成品タイプではコナミ「ダンスダンスレボリューション」。

10年前の主なニュース

 米国アタリゲーム社との訴訟で、米国任天堂がセキュリティチップの特許侵害を訴因に追加。バンダイはコアランドを買収、バンプレストとしてスタートさせた。ナナオが持つアイレムは、アイレム販売を統合した(1989年3月1日号)。

20年前の主なニュース

 和歌山県は改正青少年条例を施行、スロットマシンなどのメダルゲーム機を置くゲームセンターでは未成年者の入場は禁止となった。TVゲーム機「神風」など開発販売したフジエンタープライズが1月末に倒産した(1979年3月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. セガ社はICカードを使ったゲーム場運営システムを開発、2月2日オープンした「クラブセガ渋谷」に導入した。プリペイドカードシステムは86年以来磁気カードで断続的に実験していたが、ICカードにしたのは初めて。「ゲームカード」の名称で、AMゲームのみ使用可能(メダルゲームでは使えない)。100円単位でカードに書き込み(買い増し)できるなどの特徴がある。しかし「クラブセガ渋谷」では百円硬貨でも使える「2ウェイ」方式なので、まだ本格導入とは言えない。

 2. SNKは1月20日、ハンドヘルドTVゲーム機「ネオジオポケットカラー」を8,900円で3月19日に発売する、と発表した。モノクロ版と比べ、反射型カラー液晶を採用したほか、電池による連続使用時間を倍増させたり、サイズをやや大きくしたり改良点がある。同時発売のソフトはカラー用15タイトル。モノクロ版用ゲームソフトをカラー版で使用すると疑似カラーになる。ゲームソフトは今後カラー版のみ出荷されることになる。ゲームソフト供給面でカプコンも協力する。

 3. 家庭用などで人気の「ポケットモンスター」のキャラクター、「ピカチュウ」などをモデルにしたアダルト漫画が、1月13日京都府警によって摘発された。著作権を持つ任天堂が告訴していたもので、アダルト漫画を制作、販売していた福岡市博多区の道森幸恵容疑者を、著作権侵害(無断コピー)の疑いで逮捕した。調べによると、同容疑者は「ピカチュウ」などのキャラクターを無断使用したアダルト漫画のミニコミ誌(B5版29ページ)を作成、一部900円で販売していた。

 4. ソニーの第3・四半期(98年10−12月)連結決算が1月27日に発表され、ゲーム部門が大きく貢献していることが判明した。ゲーム部門の第3・四半期の売上高は前年同期比11.6%増の3,139億円、9ヶ月通算では17.1%増の6,288億円と伸ばした。営業利益は第3・四半期で33.0%増の784億円、9ヶ月通算では43.2%増の1,322億円となった。「プレイステーション」(PS)は12月21日に累計出荷台数5,000万台に達しており、1月23日には本体価格をまた値下げした。

 5. 98年1月に和議申請した九娯貿易(長崎県佐世保市、平岩重男社長)に対して、長崎地裁佐世保市部は12月21日、和議を認可した。12月14日の債権者集会で和議条件を決定していたもので、約22億円の負債のうち25%を、九娯貿易代表者の親族と関連企業分は11年目から3年かけて、それ以外は1年目から10年かけて返済する。同社は55年創業、65年設立のオペレーター会社だが、94年頃からAM自動販売機の開発、販売を手がけていた。

 6. 米国秋の展示会、AMOAエキスポとファンエキスポは今年同じ会場で平行して開催されることになった。このため元々の予定をファンエキスポは繰り上げることになり、いずれも9月23−25日、ラスベガスのサンズエキスポセンターで開かれることになった。似たような時期に同じような範囲の分野を対象とした展示会を開くより、いっそ同時並行開催して、出展者と来場者の便宜を図ったほうがいい、という見地から二つのショーの主催者が交渉してきた。

 7. ドイツのジュークボックスメーカー、NSM社はN、S、Mの頭文字を持つ創業者によって52年に設立されたものであるが、Sのシュルツ家が100%所有することになり、バリーウルフ社からウベ・クリスチャンセン氏を新社長に招いた。NSM社にはジュークボックス部門のほか、ゲーミング機部門、スポーツゲーム機部門などある。キディライド部門としてEMT社を92年に取得していたが、今回これを手放した。これらはすべて大掛かりな経営のスリム化の一環として行われている。

 8. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲーム・ソフトウェア部門……1位はカプコンの格闘ゲーム「ジョジョの奇妙な冒険」(2回目)、2位はセガ社の「バーチャストライカー2 ver.99」。 TVゲーム・完成品部門……1位はコナミのダンスシミュレーションゲーム機「ダンスダンスレボリューション」(6回目)、2位はコナミの「ビートマニア・サードミックス」。 TVゲーム以外のアーケードゲーム機部門……1位はトーワジャパンの写真シール機「ストリートスナップ」(13回目)、2位はアトラスの「スーパープリクラ21」。

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