1998年12月15日号

Last updated on December 12, 1998

特報

 日立製作所は米国EDW社、カナダのアイマックス社と提携、インタラクティブ映像シミュレーターを開発し、本格的にAM業界に参入した。

海外

 遊園地関係の国際展、IAAPA98で大手TVゲーム機メーカーが出展するなか、ナムコ・アメリカ社は2年ぶり4度目の優秀新製品賞を受賞した。

国内

 SNKは、「ネオジオ」ソフトのコピー品用マスクROMを供給していた韓国の大手半導体メーカー、LG半導体との訴訟で、勝訴した。

 コナミの販売会社は新ゲーム、「スリルドライブ」、「グラディウス W」などを披露した。


1998年12月15日号のニュースダイジェスト

IAAPA98で上は、優秀新製品賞を受賞したナムコ・アメリカ社の(左から)フランク・コーゼンチーノ副社長、中村雅哉会長、ケビン・ヘイズ社長。下はサービス賞を受賞したトーゴの山田数夫社長。

ベストヒットゲームズ

 TVゲームソフトウェア1位はセガ社「バーチャストライカー2バージョン98」、完成品タイプではコナミ「ダンスダンスレボリューション」。

10年前の主なニュース

 遊園地関係の国際展、IAAPA88(11月16−19日、ダラス)にトーゴと明昌特殊産業が例年どおり出展したが、ドル安のため日本からの輸出は困難で、欧米製品の輸入に関心が向けられている(1988年12月15日号)。

20年前の主なニュース

 米国AMOAエキスポ78(シカゴ)を訪れた日本人は150人と、従来の数倍の規模になったことが判明した。AM通信社主催が36人、アイピーエム主催が38人と大型グループで多数訪れたため(1978年12月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. 日立製作所は、ライドフィルム「バック・ツー・ザ・フューチャー」などの製作で知られるダグラス・トランブル氏のエンタテインメント・デザイン・ワークショップ(EDW)社と提携、映像シミュレーター「シミュレーション・ライドシアター」と、インタラクティブ・ライドフィルム「コントラップション」を開発、カナダのアイマックス社と日立が来年6月にも発売することになった、と11月18日発表した。日立がAM業界へ本格参入したことになり、IAAPA98のアイマックス社の小間で、実物が披露された。

 2. IAAPAショーは遊園地関係の展示がメインだが、大型ロケの増加に伴いここ数年AMゲーム機の出展が多くなっている。今年出展した日本関係のゲーム機メーカーはSNK、コナミ、サミー、セガ社、ナムコのそれぞれ子会社。うちナムコは「タイムクライシスU」で優秀新製品賞を受賞した。同社は94年、95年、96年に続いての受賞となる。なおトーゴの山田数夫社長は、同協会の国際部役員だが、業界の地位向上に貢献したとして今回サービス賞を受賞した。

 3. セガ社は11月19日に9月中間決算を発表、業務用と家庭用の売上高を大幅に減らし、大幅減益になった。オペレーション収入は横ばい。下半期は業務用で「ナオミ」システムを投入、家庭用では「ドリームキャスト」が貢献する予定だが、99年3月期の業績予想はさらに下方修正した。カプコンも中間決算を発表、業務用売上高が大幅減となり減収だが、税負担が減り増益となった。業績予想は修正していない。店頭登録したばかりのシグマはカジノ用ゲーミング機の輸出で増収、税負担増で減益となった。各社ともゲーム場は全般に売り上げ減で、大型店新設などでカバーしている。

 4. 米国春の業務用AM機器展、ASI(アミューズメント・ショーケース・インターナショナル)は99年、ゲーミング機器展のIGBE99と同じ日程、同じ会場で並んで開催されることになった。出展社、来場者の都合がいいとのことで、99年3月10−12日、ラスベガス・コンベンションセンターで開かれる。米国ではAM機とゲーミング機は明らかに区別されており、業界もまったく別になるので、今回のように展示会が並んで開催されるというのは異例となる。

 5. SNKは、「ネオジオ」ゲームソフトのコピー品用にマスクROMを供給していた韓国の大手半導体メーカー、LG半導体(旧社名は金星、本社ソウル)を著作権侵害で訴えていたが、ソウル地裁はこのほど、LG半導体に偽造マスクROMの製造など禁止する命令を出したことを明らかにした。しかし、LG半導体は、コピーヤーからの注文であることを知らなかったとしており、損害賠償請求は認められなかった。SNKはそれでも、コピーマスクROMを一掃するための大きな手がかりになった、としている。

 6. コナミの販売会社は11月中旬から下旬にかけ、各地で新製品商談会を開催、「スリルドライブ」、「グラディウス W」など新作を披露した。同社は「ダンスダンスレボリューション」など音楽系ゲーム機でヒットを飛ばしており、大勢の業者が集まった。またバンプレストは11月10−11日、新作展を開催。AMショーで参考出品した新作3機種と、99年4−6月用景品新作を披露した。

 7. タイトーは11月5日、鹿児島県隼人町のホテル京セラで2回目の「お取引きさま感謝会」を催し、主だったオペレーターなど30名を招待した。中村紘一社長は「業界は厳しい状況にあるが、タイトーは生まれ変わり新しい道を切り開こうと努力を続けている。継続して安定した発展が望ましく、そのためプレイヤーに長期間心から楽しんでもらえるヒット商品を提供するようにしたいが、その成果を示すに至っていない、もう反省し、今まで以上に努力したい」と述べた。

 8. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲーム・ソフトウェア部門……1位はセガ社のCGサッカーゲーム「バーチャストライカー 2バージョン98」(9回目)、2位はSNKの「幕末浪漫第二幕・月下の剣士」。 TVゲーム・完成品部門……1位はコナミのダンスシミュレーションゲーム「ダンスダンスレボリューション」(2回目)、2位はコナミの「ビートマニア・サードミックス」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位は辰巳電子/アトラスの写真カード機「ラブゲッティステーション」(3回目)、2位はトーワジャパンの「ストリートスナップ」。

 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。