1998年10月1日号

Last updated on September 28, 1998

特報

 アトラスとAPBI社は写真シール機に関する互いの特許をクロスライセンスすることで和解したと発表した。これ以上の和解内容は公表されないことになっている。

海外

 米国WMS社の98年6月期決算のうち、フリッパー部門は前年比11%減の売上高で、国際的なフリッパー人気後退を裏付けるものとなった。

国内

 セタが開発した業務用CG基板「ALECK64」はビスコが総発売元となり、ハドソン開発のゲームソフトとともに出荷されることになった。

 任天堂は「ゲームボーイ・カラー」を10月21日に発売することになった。本体8,900円で、ソフト2作も同時発売する。


1998年10月1日号のニュースダイジェスト

米国AMOAエキスポ95(95年9月)のセガ社の小間で出品されたアトラス「プリ ント倶楽部」。この後、96年1月にAPBI社が写真シール機の米国特許を申請した。

ベストヒットゲームズ

 TVゲームソフトウェア1位はセガ社「バーチャストライカー2バージョン98」、完成品タイプではコナミ「ビートマニア・セカンドミックス」。

10年前の主なニュース

 国税庁調べによると97年中のビリヤード輸入は前年比17倍と急増し、すでに終った急激なビリヤードブームを数字で確認するものとなった。タイトーは社内行事として創立35周年パーティーを開催した(87年10月1日号)。

20年前の主なニュース

 全日本遊園協会(JAA)は10月18日から3日間、東京・晴海の東館で開催される第16回AMショーに、65社が出展することを確認した。タイトー「スペースインベーダー」がいよいよブームとなりだした(77年10月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. アトラスら3社と米国アメリカン・フォトブース社(APBI)は連邦地裁で特許侵害など争っていたが、両社は互いの特許をクロスライセンスして和解したと8月31日に共同発表した。アトラス側には米国アトラスドリーム・エンタテインメント社(ADE)が含まれている。アトラスは「プリント倶楽部」を開発95年7月に国内出荷したが、その後96年1月にAPBI社が米国特許を申請、97年4月に取得した。アトラスは約8億円で米国イメージウェアソフトウェア社の株式を取得し、同社の特許使用独占権を手に入れ、APBI社の特許に対抗できるとして97年11月訴訟を提起していた。しかしアトラスが独占権を得た特許には問題があったことが後に判明した。

 2. 任天堂は「ゲームボーイ・カラー」を10月21日に国内出荷する、と9月1日発表した。価格は8,900円で、カラー用ゲームソフト2作も同時発売となる。モノクロ版「ゲームボーイ」は89年以来、世界で計65百万台出荷されているヒット商品。これまでのモノクロ用ゲームカートリッジをカラー版本体に入れると、疑似カラー(4−10色)で楽しめる。反対にカラー用をモノクロ版本体に入れると単にモノクロ表示となるだけ。互換性があり、このためカラー版本体は8ビットCPUシステムとなっている。同時発売のカラー用ソフトは「ワリオランド2」「テトリスDX」で各3,500円。

 3. セタ開発の業務用CGシステム基板「ALECK64」(アレックロクヨン)についてはビスコが総発売元となり、専用ソフトとともに近く発売される見込みとなった。これは任天堂の家庭用「ニンテンドウ64」に基づく業務用基板で、ゲームソフトは家庭用よりやや大きいROMカートリッジとなっている。専用ゲームソフトはセタ、ビスコ、ハドソン、アトラスなどが開発する。当面ソフト付のセット販売となるが、システム基板が普及した時点でソフトのみの販売に踏み切ることになる。最初のソフトはハドソン開発のサッカーゲーム「イレブンビート・ワールドトーナメント」。

 4. ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の家庭用「プレイステーション」(PS)の世界出荷台数が40百万台に達した。8月26日に発表したもので、国内の累積出荷台数は13百万台、北米が14.3百万台、欧州が12.7百万台となっている。これに伴いゲームソフトについても大きく伸ばしている。SCEはまた米欧での「PS」本体の価格を値下げ、米国では149ドルを129ドルにした。また任天堂も米国で「ニンテンドウ64」本体価格を150ドルから130ドルに値下げした。

 5. 米国ミッドウェイゲームズ社の98年6月期決算で、業務用TVゲーム機の売上高は前年比4%減の163.61百万ドルとなった。WMSインダストリーズ社の6月期決算では、フリッパー/ノベリティの売上高が11%減の38.25百万ドルとなった。「ウィリアムズ」「バリー」の両ブランドを持つWMS社フリッパーの世界的市場占有率は80%近くあると見られているが、この決算数値はフリッパー人気が世界的に下火になってきていることを示している。

 6. ナムコの欧州子会社のひとつ、ナムコ・オペレーションズ・ヨーロッパ社(NOEL)は9月中に大型複合施設をオープンする予定だ。これはマンチェスターに出来る大規模モール、トラフォードセンター内に設けられる「ナムコステーション」(3,790u)で、ボウリング場、ビリヤード場、ライセンスバー(酒場は許可制となっている)などを併設するゲーム場。リデムプションゲーム(ゲームの結果取得するチケットを景品に交換することができる)コーナーや区分されたAWP機(英国独特の射幸遊技機でスロットマシンタイプ)コーナーもある。

 7. タイトーは8月23日、東京・新宿で「電車でGO!日本一運転手決定戦」を開催した。7月以来直営店など300店での予選、8地区での地区大会を勝ち抜いてきた16名による決定戦で、「ブラックジャック広島店」から出場した松本浩成氏(32歳)が見事優勝した。決定戦参加者の平均年齢は28歳で、半数が30歳以上。幅広い年齢層にこのゲームの人気があることを示している。

 8. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲーム・ソフトウェア部門……1位はセガ社のCGサッカーゲーム「バーチャストライカー 2 バージョン98」(4回目)、2位はカプコン「ストリートファイター・ゼロ3」。 TVゲーム・完成品部門……1位はコナミのDJシミュレーションゲーム「ビートマニア・セカンドミックス」(9回目)、2位はナムコの「タイムクライシス 2」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はトーワジャパンの写真シール機「ストリートスナップ」(7回目)、2位はコナミ「ブリブリキャンバス」。

 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。