1998年8月1日号

Last updated on July 17, 1998

特報

 アトラスは米国バーバー特許を侵害したとSNKらを訴えていたが、この特許無効などの疑いが出てきたため訴訟を取り下げた。

海外

 セガ社の米国家庭用部門は99年1月サンフランシスコのダウンタウンに移転することになった。米国業務用はレッドウッドシティにとどまる。

国内

 夏休みシーズンを前に、ナムコ、カプコンが新作展を開催、それぞれ「ソウルキャリバー」、「ZERO3」など披露した。コナミ、SNKなどのメーカーも相次ぎ開催している。


1998年8月1日号のニュースダイジェスト

カプコン新作展で、チュンリーのコスプレ社員が混じって新作「ストリートファイ ターZERO3」を試しているようす(大阪会場)

ベストヒットゲームズ

 TVゲームソフトウェア1位はセガ社「バーチャストライカー 2バージョン98」、完成品タイプではコナミ「ビートマニア・セカンドミックス」。

10年前の主なニュース

 JAMMAは韓国にコピー問題調査チーム(11名)を派遣、TVゲームの無断コピーを取り締まるよう文化公報部著作権課など訪問した。カプコンは新方式の「CPシステム」基板を発表した(88年8月1日号)。

20年前の主なニュース

 晴海の展示場東館で10月に開催する第16回AMショーに、前年に比べ6社増の66社が出展を申し込み、予定されたスペースを大幅にオーバーすることになった(78年8月1日号)。

Copyright © Amusement Press Inc. 1998     ゲームマシン、アミューズメントプレス、アミューズメント通信は登録商標です。無断で本紙記事を転載したり、その他アミューズメント通信社の知的所有権を侵害することは違法です。


【ニユースダイジェスト】

 1. アトラスは米国イメージウェアソフトウェア社の株式の一部を買い取り画像合成のバーバー特許の独占権を取得した上で、米国APBI社とSNKを特許侵害で訴えていたが、6月1日までにこの訴訟を取り下げており、事実上敗訴したことが明らかになった。米国連邦地裁での証拠調べ手続きで、バーバー特許自体が無効との疑いが出たうえ、独占権もどうか怪しくなったことによる。この訴訟により損害を受けた SNKは損害賠償の反訴をしており、それは継続中。またアトラスはAPBI社のフォトブース特許を無効だと訴えているが、それも継続中とされている。

 2. セガ社の米国家庭用子会社、セガ・オブ・アメリカ社は99年1月4日付けでサンフランシスコの中心街にあるタウンセンドセンターに移転する、と発表した。家庭用関連のセガ・エンタテイメント社なども同時に移転するが、業務用子会社のセガ ・エンタープライゼスUSA社は従来どおりサンフランシスコ郊外のレッドウッドシティにとどまるもよう。なお、セガ社業務用製品の北米での販売権はセガ・ゲーム ワークス社からセガUSA社に移ったとされるが、セガ社からの正式発表はいぜんとしてない。

 3. 米国のディズニーランド内のトゥモローランドが全面的なリニューアルを終え、5月22日に正式オープンした。「スペースマウンテン」、「スターツアーズ」、「サブマリン航海」、「オートピア」などの内容は変わらないが、すべて古典的な趣きの未来都市を思わせる外観デザインとなった。新たに「アストロオービター」、「ロケットロッド」、「コズミックウェーブ」なども導入され、トゥモロウランド自体はこれまでの白色から銅色、メタリックグリーンで統一された。

 4. 米国のユニバーサルスタジオズ社はスペイン、バロセロナのテーマパーク「ポートアベンチュラ」に37%資本参加し、欧州のテーマパーク市場に進出することになった。同園は95年オープン、97年の入園客は約3百万人で欧州では5位。「ユニバーサルズ・ポーシアベンチュラ」と改称する。ユニバーサルスタジオズ・リクレーショングループ社が担当するが、同社はハリウッドとオーランドのテーマバーク運営のほか、大阪で2001年開業予定の「ユニバーサルスタジオ・ジパン」計画 にも参加している。

 5. 全日本アミューズメント施設営業者協会連合会(AOU)は5月27日、東京 で第9回通常総会を開き、事業年度の移り変わりに伴う議案を承認したほか、任期満了に伴う役員を改選、今回初めてオペレーターでない「業界外」役員を導入した。AOUは警察関係の社団法人で公益を目的にせねばならず、業界の利益を目指してはならないことになっている。この連合会は都道府県のオペレーター協会が正会員となっている。今回の総会を機に、警察庁OBの桜井健雄専務が退任、同じく警察庁OBの 谷本彰氏が専務に就任した。

 6. 今年のAMショー(9月17−20日、東京ビッグサイト)には前回より4社少ない73社が、109小間(7.7%)少ない1,300小間に出展することになった。ショー委員会では景気後退から1,250小間ぐらいと予想していただけに、減少幅が少なかったとしている。申し込み小間の多い順は、セガ社125、ナムコ110、コナミ105、カプコン100、SNK80、タイトー65、バンプレスト60、シグマ50、アトラス42、トーワジャパン36、サミー30などとなっている。米欧の業務用国際展と大きく異なり、以前から招待券方式、後半2日間の一般公開などを採っている。

 7. ナムコは新作展で「ソウルキャリバー」、「テクノドライブ」、「スウィートランドV」など披露した。カプコンは新作展で「ストリートファイターZERO 3」、「テトリス」2種など披露した。「テトリス」はセタの「アレック64」基板を使ってカプコンが開発した「マジカルテトリスチャレンジ」と、PS基板を使ってアリカが開発した「テトリス・ザ・グランドマスター」で、いずれもBPSを通じてライセンスを得ている。コナミ、SNKなども新作展を開催している。

 8. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲーム・ソフトウェア部門……1位はセガ社のCGサッカーゲーム「バーチャストライカー 2バージョン98」(2回目)、2位はタイトー「サイキックフォース 2012」。 TVゲーム・完成品部門……1位はコナミのDJシミュレーションゲーム「ビートマニア・セカンドミックス」(5回目)、2位はナムコの「タイムクライシス 2」。 TVゲーム機以外のアーケード ゲーム機部門……1位はトーワジャパンの写真シール機「ストリートスナップ」(3回目)、2位はコナミの「プリプリキャンバス」。

 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。