2020年7月1日号 Last updated on June 1, 2020
特報
 バンナム20年3月期決算、業務用とゲーム場は減収に。

 ナガシマスパーランドが感染予防策を施し、5月17日営業再開。

海外
 ラスベガスのカジノ、6月4日にも営業再開の見通し、

 マカオのカジノ王と呼ばれたホー氏、98歳で死去。

国内
 アドアーズは6月初めにほぼ全店が営業再開。

 JAIAがゲーム場での「予防ガイドライン」を策定。

 

2020年7月1日号のニュースダイジェスト
 写真はバンダイナムコエンターテインメントが、世界各地で展開する「パックマン」40周年アニバーサリーイヤーのニュースレリースから。

 1974年の創刊号から2000年までの新聞「ゲームマシン」がpdfファイルでご覧いただけるようになりました。下の「アーカイブ」をご利用下さい。また単行本「それは『ポン』から始まった」は残りわずかとなりました。小社またはアマゾンにお申し込み下さい。

30年前の主なニュース

 ナムコは米国アタリゲームズ社との資本関係解消、代わりにオペレーター会社を取得。米国任天堂は、ルイス・カループ・トイ社を著作権侵害で提訴。「ユニバーサルスタジオ・フロリダ」がオープン。タイトーから体感ゲーム「エア・インフェルノ」発売。(1990年7月1日号)

40年前の主なニュース

 JOUは中国への友好訪中団を派遣、北京、大連などの少年宮を訪問した。セガ社は東京、大阪、札幌で新作展を開催、セガ社「カーニバル」、アタリ社「ミサイルコマンド」などを披露した。国際玩具見本市で展示品の主流に「インベーダー」。(1980年7月1号)



【ニュースダイジェスト】

 .アドアーズは5月26日、6月初めにほぼ全店で営業を再開するとの見通しを明らかにした。18年3月にワイドレジャーの子会社になっている。新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い、4月11日から全面的に臨時休業に入っていた。その根拠となってきた緊急事態宣言は5月25日までに解除され、これとともに同社では5月27日、神奈川県8店、埼玉県3店の11店、28日に南砂町店を再開(アクアライン店は施設に合わせて再開予定)、その他の東京都31店、千葉県7店、北海道1店は6月1日に再開することになった。

 .バンダイナムコエンターテインメントは「パックマン」の誕生日とされる5月22日(40年前のロケテスト日)世界各国で、40周年記念のさまざまな特別企画を展開中だと発表した。1980年にナムコが発売し、「最も成功した業務用ゲーム機」としてギネス記録に認定され、現在でも米国での認知度が98%もあるこのIP(知的財産)。これを元に40周年記念として、新作ゲーム、音声コンテンツ、AI技術デモ、音楽アルバム、ミュージックビデオなどがレリース、配信される。このほか、豪華な「40周年記念本」なども制作中。

 .バンダイナムコHDは5月20日、3月期決算を発表、売上高は1%減の7239億8千9百万円、経常利益は8%減の797億9千7百万円、最終利益は9%減の576億6千5百万円だった。部門別でトイホビーの売上高は5%増の2537億円、利益は23%増の267億円、ネットワークエンターテインメントの売上高は4%減の3280億円、利益は8%減の438億円、リアルエンターテインメントの売上高は10%減の917億円、損失は15億円(前年は42億円の利益)、映像音楽プロデュースの売上高は3%増の469億円、利益は9%減の80億円など。リアルエンターテインメント売上高のうち、業務用は271億円(前年は356億円)、ゲーム場は国内8増11減の261店で、647億円(668億円)。第3・四半期に新型コロナ感染拡大により国内外のゲーム場を休業し、減収となった。

 .コナミHDは5月14日、3月期決算〔IFRS〕を発表、売上高はほぼ変わらずの2628億千万円、営業利益は39%減の309億7千2百万円、最終利益は42%減の198億9千2百万円だった。デジタルエンタテインメント(ゲームソフト)の売上高は8%増の1533億円、利益は1%減の431億円、業務用ゲーム機の売上高は15%減の237億円、利益は37%減の53億円、カジノ用ゲーミング機の売上高は9%減の284億円、利益は62%減の17億円、スポーツの売上高は7%減の589億円、利益は99%減の3千万円。21年3月期の予想は未定。

 .フリューは5月14日、3月期決算〔非連結〕を発表、売上高は4%増の274億3千百万円、経常利益は4%減の36億5千6百万円、当期利益は59%増の30億2千万円だった。部門別でプリントシールの売上高は99億千3百万円、利益は14億9千3百万円、コンテンツメディアの売上高は90億2千万円、利益は39億千3百万円、キャラクター・マーチャンダイジングの売上高は63億6千4百万円、家庭用ゲームその他の売上高は21億3千2百万円などとなっている。21年3月期については売上高270億円、経常利益20億円、当期利益13億5千万を見込んでいる。

 .共和コーポレーションは5月21日、3月期決算〔非連結〕を発表、売上高は18%増の135億9千百万円、経常利益は32%減の3億3千5百万円、当期利益は95%減の3千8百万円だった。取引先経営破綻に伴う貸倒引当金繰入額を計上した。ゲーム場は8店開設、2店閉鎖し59店舗となった。ゲーム場運営の売上高は41%増の107億円(億未満切り捨て)、利益は1%減の8億円、景品・ゲーム機器の売上高は20%減の27億円、利益は35%減の5千万円、広告その他の売上高は1億円、利益は7百万円だった。

.マカオのカジノ王として知られる、スタンレー・ホー氏(98歳)が5月26日、香港の病院で死去した。1960年代から、外国資本の参入を認めた02年まで約40年間、マカオのカジノ運営権を独占し、マカオを世界有数のカジノ都市に仕上げた。今もSJMホールディングス社を通じて、マカオに20ヵ所のカジノを運営している。香港生まれの香港育ち、立志伝中の人物で、自身は決してギャンブルをすることがないと明言していた。18年にSJM社会長を退任、第2夫人の娘であるパンジー・ホーさんらが後を継いだ。

 .米国ネバダ州のスティーブ・シソラック知事は5月15日、長く休業が続いているカジノのゲーミング(賭博)営業を元に戻す方向で、6月4日再開の見込みだと発表した。新型コロナウィルス感染症の拡大を防ぐため、同州はゲーミング・コントロール・ボード(賭博管理局)がカジノ施設の休業を命じ、3月18日以来州内のカジノは規模を問わず100%休業中。人件費など固定費がかかるので、営業再開が最重要課題となってきた。再開は沈静化の状況を見ながら段階的に進められるもようで、人同士の接触を減らし、消毒を徹底するなどの評価が目安となる。

 .新型コロナウィルスの影響で休園していた遊園地「ナガシマスパーランド」(三重県桑名市長島町)が休業要請の解除に伴って5月17日、屋内3施設を除いて営業を再開した。3月2日から19日まで臨時休園し、20日から営業を再開し、4月9日から臨時休業していた。マスクを着けた客の体温を入口で測定、ローラーコースターなどアトラクションの客席を十分に明け、安全バーや座席の消毒を徹底するなどこまめに感染予防策をした。県外からの利用は自粛を求めているが、近くの名古屋や岐阜からの客は断りにくいとのこと。

 10.タイトーは5月22日、クレーンゲーム機用の食品景品を納品予定だったが営業自粛のため納品できなくなり、国際NGOを通じて、食品の支援を必要としている子どもたちに寄贈する、と発表した。ゲーム場に納品予定だった食品景品(お菓子)30種類約1万個を、食品支援を必要としている家庭や施設に届けるため、日本にある国際NGO「グッドネイバーズ・ジャパン」に寄贈することにした。食品景品はタイトーの直営店「タイトーステーション」などで使用する予定だったものの一部。

 11.日本アミューズメント産業協会(JAIA)は5月14日、「ゲームセンターにおける新型コロナウィルス感染拡大予防ガイドライン」を策定、これを1週間後の21日に改定した上で公表した。これは5月4日付けの内閣官房新型コロナウィルス感染症対策推進室長による「事務連絡」を参考に、ゲームセンターについて、管理・運営者が心がけるべき具体的な感染予防策を規定するもので、接触感染や飛沫感染のリスクをどう評価するのか、人との接触を避けて退陣距離を1m以上確保することなどまで触れている。

 12.警視庁は5月11日、千代田区岩本町3丁目の雑居ビル2階でポーカー賭博場を経営していた、菅野孝之容疑者(37)ら男女3人を賭博開帳図利の容疑で現行犯逮捕した、と発表した。摘発したのは8日、居合わせた男客ら13人も賭博容疑で逮捕された。調べによると、この店は19年9月に開設、週末の深夜から明け方にかけて営業していたが、新型コロナウィルス感染拡大による宣言が出された4月上旬以降は客が急増し、連日営業することになった。平均1日20人が来場していたもよう。30㎡ほどの店内を捜査するのにマスク、ゴーグルなどで防護する必要があったとのこと。




◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2020 

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