2020年6月15日号 Last updated on May 20, 2020
特報
 セガサミーHD3月決算、業務用とゲーム場は後退。

 ラスベガスサンズ、日本のカジノ市場進出断念。

海外
 ウォルトディズニー社1-3月決算でテーマパーク部門は58%減益。

 上海ディズニーランド、3ヵ月半ぶりに営業再開。

国内
 ラウンドワン3月期決算は大幅減益で、長期借入金を調達。

 「東京ゲームショウ2020」、メッセ展示なく、オンラインに。

 

2020年6月15日号のニュースダイジェスト
 写真は米国アミューズメントエキスポ(3月9-11日、ニューオーリンズ)にて、上は米国バンダイナムコ・アミューズメント・アメリカ社の、下は英国セガ・アミューズメンツ・インターナショナル社のブースのようす。

 1974年の創刊号から2000年までの新聞「ゲームマシン」がpdfファイルでご覧いただけるようになりました。下の「アーカイブ」をご利用下さい。また単行本「それは『ポン』から始まった」は残りわずかとなりました。小社またはアマゾンにお申し込み下さい。

30年前の主なニュース

 米国の家庭用「NES」が貢献、日本のメーカーも好業績に。セガ社の米国ゲーム場運営会社、タイムアウト社をエジソンブラザーズ社が買い取り進める。米国版「PCエンジン」の業務用計画は中止へ。荒川遊園の「のりもの広場」オープン。(1990年6月15日号)

40年前の主なニュース

 法人所得番付でタイトーが全国53位に登場。セガ社488位、アイレム1017位。米国ゴットリーブ社のトップ異動、ブルーム副社長が社長に。米国バリー社の重役、ロス・シェアー氏の独占インタビュー。ロジテックが初の新作展。(1980年6月15号)



【ニュースダイジェスト】

 .米国カジノ大手のラスベガスサンズは5月12日、日本市場への進出を断念すると発表した。同社は米国、マカオ、シンガポールでIRを展開しており、日本・横浜のカジノ参入にも意欲的で、有力視されていた。新型コロナウィルス感染症の拡大に伴う休業が続いているための判断で、1-3月期決算で売上高が51%減の17億8千万ドルに下落、5千百万ドルの純損失を出しており、日本での1兆円規模の投資にブレーキがかかった。日本への参入が認められたとしても、事業許可の有効期限は短く、収益性に疑問があるなど指摘されている。シェルドン・アデルソン会長兼CEOは、「日本文化は好きだが、日本のIR開発には困難がある」と述べている。

 .米国のウォルトディズニー社は5月5日、第2・四半期(1-3月)の業績を発表。テーマパーク部門では上海と香港のディズニーランドが1月下旬から、また米国とパリが3月中旬からそれぞれ臨時休業に入ったため、売上高が前年同期比10%減の55億4千3百万ドル、営業利益が58%減の6億3千9百万ドルと後退した。しかし、メディアネットワーク(ケーブルテレビ)部門が売上高28%増、営業利益7%増と好調だったので、会社全体では売上高が21%増、営業利益37%減となった。上海ディズニーランドは、入園者数など制限した上で、5月11日にも一部営業を再開する。

 .新型コロナウィルス感染症の拡大を防ぐため、1月25日から休業していた中国の上海ディズニーランドが5月11日、制限付きながら営業を再開した。日米欧にある各ディズニーランドより早い再開で、3ヵ月半ぶりとなった。入場は事前予約制で、入場者数は通常の約2割(2万4千人)に制限されている。入園客はゲートに至るまでに検温とマスク着用が義務づけられ、健康に問題がないことを自己申告しなければならない。列には2m間隔で並び、消毒液が至る所にある。アトラクションの座席は半分が空席とされ、パレードや人の集まるアトラクションなどまだ利用できないものもある。

 .任天堂は5月7日、2020年3月期決算を発表、売上高は9%増の1兆3085億円、経常利益は30%増の3604億円、最終利益は33%増の2586億円と絶好調だった。9月に「スイッチ・ライト」を、3月にゲームソフト「あつまれ・どうぶつの森」を発売。「スイッチ」本体は24%増の2103万台、ゲームソフトは1億6872万本売れた。だが「スイッチ」は中国の委託先工場の一時停止や部品供給の混乱などで、日本での出荷が一時的に止まり、品薄が続いた。なお海外売上高は1兆73億円で、全体の77%を占める。21年3月期は売上高1兆2千億円、経常利益2千9百億円、最終利益2千億円を見込んでいる。

 .セガサミーHDは5月13日、3月期決算を発表、売上高は11%増の3665億9千4百万円、経常利益は238%増の252億9千6百万円、最終利益は421%増の137億7千5百万円だった。部門別で遊技機の売上高は7%増の1083億円、利益は85%増の249億円、エンタテイメントコンテンツの売上高は13%増の2477億円、利益は51%増の148億円、リゾートの売上高は1%減の104億円、損失は36億円(前年損失は24億円)。エンタテイメントコンテンツのうち、AM機器の売上高は511億円(前年547億円)、損失は23億円(利益15億円)、ゲーム場は7増5減の192店舗で、売上高は419億円(409億円)、利益は14億円(26億円)だった。21年3月期の業績予想は未定。

 .スクウェア・エニックスHDは5月13日、3月期決算を発表、売上高は4%減の2605億2千7百万円、経常利益は13%増の320億9千5百万円、最終利益は10%増の213億4千6百万円だった。部門別でデジタルエンタテインメント・コンテンツの売上高は8%減の1886億円、利益は22%増の353億円、アミューズメント(タイトーの業務用とゲーム場)の売上高は1%減の456億円、利益は24%減の14億円、出版の売上高は36%増の194億円、利益は75%増の72億円、その他ライツの売上高は18%増の87億円、利益は9%増の10億円だった。21年3月期の業績予想は未定。

.ラウンドワンは5月11日、3月期決算を発表、売上高は3%増の1047億7千9百万円、経常利益は22%減の87億2千百万円、最終利益は33%減の47億9千4百万円だった。国内においては3月上旬に北海道で5店、下旬に東京と近郊の10店を臨時休業、米国では年度中9店出店し、3月下旬から41店臨時休業した。国内で種類別前年比売上はボウリング1%減、ゲーム場0%、カラオケ3%減、スポッチャ3%減。米国ではボウリング22%増、ゲーム場28%増、カラオケ22%増。21年3月期業績については予想が困難なので、現時点では示されないとしている。

 .カプコンは5月8日、20年3月期決算を発表、売上高は18%減の815億9千百万円、経常利益は26%増の229億5千7百万円、最終利益は27%増の159億4千9百万円だった。部門別ではデジタルコンテンツの売上高が28%減の599億円、利益が4%増の241億円、ゲーム場は2店増の40店で、売上高が9%増の120億円、利益が11%増の12億円、パチスロ機の売上高が91%増の65億円、利益が20億円(前年は26億円の赤字)、その他の売上高が17%増の30億円、利益が33%減の5億円。家庭用はパッケージ販売からダウンロード販売に切り替え、減収だが増益になった。21年3月期は売上高850億円、経常利益255億円、最終利益180億円を予想している。

 .オリエンタルランドは5月8日、新型コロナウィルス感染状況により、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの臨時休園期間を、5月中旬以降も政府、地方自治体による休業要請が解除されるまで、さらに延長すると発表した。また、すでに2ヵ月以上臨時休業していることから、社員の一時帰休、役員報酬の自主延納なども行なう。一時帰休は社員、嘱託社員、テーマパークオペレーション社員ら約5400人を対象とするもので、勤務日数のうち月4日を休業日(一部有給)として、5月18日から再開まで実施するとしている。

 10.サンリオは5月1日、サンリオエンターテイメントが運営するテーマパーク「サンリオピューロランド」(東京都多摩市)と「ハーモニーランド」(大分県日出町)で、新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、2月22日から5月10日までの臨時休業をしてきたが、6月上旬まで臨時休業を延長することにした。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は5月4日、5月中旬まで続けてきた臨時休業を、政府の緊急事態宣言が延長された5月31日までに従って延長することを明らかにした。

 11.ラウンドワンは5月1日、新型コロナウィルス感染症への対策として、長期借入金の調達をしたと発表した。資金調達は2件あり、ひとつは三井住友銀行など4行の金融機関から100億円融資を受けるというもの。もうひとつは一定の範囲内でいつでも資金を引き出せる約束を交わすコミットメントライン(融資枠)を160億円分、同様に4行と契約を交わすもの。同社は3月4日から10日まで北海道の店舗で臨時休業を始め、続いて4月2日から東京都、大阪府の22店舗でも実施。4月4日から5月6日(延長の可能性あり)まで国内103店舗に全国化し、米国でも41店舗で実施している。

 12.コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は5月8日、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、家庭用TVゲームの総合展「東京ゲームショウ2020」(TGS)の幕張メッセでの開催を中止し、オンライン開催を検討することになった。TGS2020は9月24~27日に開催される予定だが、新型コロナウィルスの感染が世界的規模で広がり、未だ予断を許さない状況から、オンラインでの開催を決めたもの。オンライン開催の詳細については、5月下旬にも発表する予定。




◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2020 

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