2020年4月1日号 Last updated on March 5, 2020
特報
 「JAEPO2020」、市場の閉塞感破る動き少なし。

 サンリオピューロランドを初めとし、感染症拡大防止の臨時休園。

海外
 ウォルトディズニー社のCEOにボブ・チャペク氏が就任。

 リゾーツ・ワールド・ラスベガスはヒルトンと提携。21年夏開業に。

国内
 ユニバーサルE、岡田和生氏に求めた損害賠償が認められる。

 フリュー第3・四半期決算、連結子会社なくなる。

 

2020年4月1日号のニュースダイジェスト
 写真は「JAEPO2020」にて、セガ社の「ニンジャ・トレーナー・アーケード」(上)と、バンダイナムコアミューズメントのメダルゲーム機「海物語・ラッキーマリンツアーズ」(下)を試しているようす。

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30年前の主なニュース

 AOUエキスポ90の直後に開かれた米国ACME90で、メーカーはさらに新作を披露、意欲を示した。警察関係の社団法人化を目指し、AOUが設立総会を開催、府県単位の協会連合会役員は旧組織留任のまま。カナダ当局、コピー基板の所持罪も対象に取り締まりを進める。(1990年4月1日号)

40年前の主なニュース

 「東京ディズニーランド」は懸案の資金問題も解決し、83年3月開業を目指している。アイレム、「いたずらエンゼル」などPT新ゲームを新作展で披露。米国ベクタービーム社がエキシディ社に買い取られ、「エキシディⅡ」社に。タイトー、名古屋ビルの完成を披露。(1980年4月1号)



【ニュースダイジェスト】

 .「ジャパンアミューズメントエキスポ」(JAEPO)2020(2月7-8日、幕張メッセ9-10ホール)では、前回関心を集めた対面式ピンボールは姿を消した。また市場打開が期待されるシステム基板、「ExA-Arcadia」(エクサ・アルカディア)は、出品されなかった。しかも大手メーカーが力を入れるネットワークTVゲームでも、出品機に目新しさが乏しく、市場の閉塞感を打ち破る動きが少なかった。その代わりにタイトーが、ナツメアタリと共同開発したBB弾のガンゲーム機「ガンアリーナ」を出品。またセガ社がダーツではなく手裏剣を投げる「ニンジャ・トレーナー・アーケード」を披露して、注目された。

 .【JAEPO2020の続き】すでに出荷済の新製品を除くと、発表された新作はおよそ次のとおり。バンダイナムコアミューズメントは、多人数用メダルゲーム機「海物語・ラッキーマリンツアーズ」(3月)、アーケードゲーム機「ワニワニパニックR」(6月)を披露、「戦場の絆Ⅱ」の制作発表をした。セガ社は「オールネットPラスマルチ3」(APM3)用の新作として、「ギルティギア・ストライヴ」など数タイトルを披露した。タイトーは多人数用メダルゲーム機「星のドラゴンクエスト・キングスプラッシュ」、音楽ゲーム機「テトテ×コネクト」など紹介した。コナミは1-4人用「武装神姫アーマードプリンセス・バトルコンダクタ」を披露した。前回「ワッカ」で新風をもたらしたマーベラスは、続編の「ワッカS」を出品した

 .「サンリオピューロランド」(東京都多摩市)は2月21日、新型コロナウィルス(COVID-19)感染症拡大防止のため、2月22日から3月12日まで臨時休園にすると発表した。姉妹施設の「ハーモニーランド」(大分県日出町)も同様に休園にする。営業再開は3月13日を予定しているが、未定で当日までに検討、決定を知らせるとしている。すでに販売済みの「ピューロパス」や各種チケットについても全額払い戻しを行う。サンリオのキャラクターと触れ合える屋内型「ピューロランド」、屋外型「ハーモニーランド」は子ども連れか若い女性に人気があるが、感染症拡対策のため先陣を切って臨時休園に踏み切ったことになる。

 .オリエンタルランドは2月28日、東京ディズニーランド(TDL)と東京ディズニーシー(TDS)を2月29日~3月15日の間、臨時休園にすると発表した。大勢の人が集まるイベント等は約2週間自粛するよう求める、政府の新型コロナウィルス感染症対策本部による2月27日の要請を受け、決めたもの。営業再開は16日の予定だが、改めて知らせる予定。休園期間中のチケット払い戻し等の対応についてはウェッブサイトで案内している。ユニバーサルスタジオジャパン(USJ)、としまえん、ひらかたパーク、ナンジャタウンなども同様に臨時休園を決めている。イオンファンタジーは29日、「モーリーファンタジー」など国内のアミューズメント施設の臨時休業を決めた。

 .米国のウォルトディズニー社は2月25日、15年ぶりのCEO異動を発表、ロバート(ボブ)・アイガー氏はCEOを外れ、会長になり、遊園地部門などの責任者だったボブ・チャペク氏がCEOに昇格した。アイガー氏は05年からCEOに就任。ピクサー、マーベル、ルーカスフィルム、21世紀フォックスの買収を指導した。18年に退職する予定だったが、取締役会は契約を延長していた。CEO異動を機に、21年12月末まで会長にとどまることにした。入社約30年のチャペク氏は、パークス&リゾート社(15年から)の会長など歴任、「スターウォーズ・ギャラクシーズ・エッジ」も監修した。

 .フリューは2月13日、第3・四半期までの累積(4-12月)決算を発表、売上高は205億7千8百万円、経常利益は31億2千3百万円、純利益は24億3千百万円だった。子会社だったコアエッジを売却、またウィーヴを吸収合併して、連結子会社がなくなったため、非連結決算に移行した。部門別ではプリントシールの売上高が75億円、利益が13億円、コンテンツ・メディアの売上高が67億円、利益が29億円、キャラクター・マーチャンダイジングの売上高が46億円、利益が2億円など。3月期業績は売上高280億円、経常利益38億5千万円、当期利益30億円を予想している。

.ユニバーサルエンターテインメントが創業者で元会長の岡田和生氏を訴えていた損害賠償請求訴訟で、東京地裁は2月13日、同社の訴えを全面的に認める判決を言い渡した、と18日に発表した。この訴えは17年6月に設置した特別調査委員会が認定した違反(不正な資金流用の可能性)を理由に、同社は岡田氏を会長から解任、17年11月に提訴したもの。背景に、岡田氏の息子と娘が株式の51%を所有する資産管理会社(オカダホールディングス)が、ユニバーサルエンターテインメントの株式の68%を所有している、という持株比率の事情がある。岡田氏は19年7月、東京地裁に信託契約無効を求めて提訴したが、棄却されていた。

 .米国ラスベガスの大通りに建設中の3500室級のカジノホテル、「リゾーツ・ワールド・ラスベガス」は何かと話題を集めているが、ヒルトンホテルと提携、「ヒルトン」ブランドを使用できることになり、21年夏にもオープンする見込みになった、と2月21日明らかにした。マレーシアに本拠を置くゲンティング・グループが、旧スターダストホテルの跡地に建設中のホテルで、建物のデザイン、外観が近所にある「ウィンラスベガス」、「アンコール」と似ているという訴訟騒ぎがあり、しかもどういう条件か明らかでないまま和解した、という付録まで付いた。




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