2018年4月15日号 Last updated on April 1, 2018
特報
 AOUは3月末で解散、JAIAの施設営業部門に。

 遊技機使用賭博の取り締まり、17年(1-12月)は減少。

海外
 米国AMエキスポ18にバンナム、セガサミーも連続出展。

 ラスベガスの「ラッキードラゴン」、経営危機に直面。


国内
 イオンファンタジーの新社長に藤原信幸氏内定。

 ナムコのスポーツ仮想体験「VSパーク」の具体的計画。


2018年4月15日号のニュースダイジェスト
 写真はJAEPO18で、上はセガ・インタラクティブのドライブゲーム「ワールドドライバーズ・チャンピオンシップ」、下はコナミアミューズメントの音楽ゲーム「ダンスラッシュ・スターダム」を試しているようす。

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30年前の主なニュース

 「AM機と賭博機は区別できる」、本紙調査に業界人の71%が回答。AOUは大型間接税導入に反対する意見書を通産省に提出した。SNKは吹田市豊津町に新本社を完成させた。(1988年4月15日号)

40年前の主なニュース

 東洋一の高さを誇るゲーム場、タイトー「ビデオイン60」がオープンした。JAAオペレーター部会はメダルゲーム場の健全化を目指し、「運営基準」の徹底を図る。エスコ貿易から任天堂「ニューシューティングトレーナー」、米国PSE「ゲームツリー」が発売中だ。(1978年4月15日号)



【ニュースダイジェスト】

 .米国業務用AM機展のアミューズメントエキスポ2018(2月28-3月1日、ラスベガス)には169社(前年157社)が出展、3,104人(2,484人)の登録業者を集めた。入場は業界関係者に限られており、非会員の登録料は1人500ドル(5万円以上)で、英国EAGや日本のjAEPOの無料と比べると、だいぶん条件が異なる。AMOAによる伝統あるAMOAエキスポとメーカー協会のAAMAによるASIが統合、2010年から始まったもので、スナック自販機関係のNBVAも同一会場で同時開催した。日本からはバンダイナムコ・アミューズメント・アメリカ社、セガ・アミューズメント・インターナショナル社が出展、中国のUNIS、韓国の新会社コミューズ・アメリカ社、豪州のLAIゲームズ社も参加した。

 .【米国アミューズメントエキスポ18の続き】インドのタッチマジックス社は円筒形のディスプレイを使った、立体的なゲーム「ミステリーアイランド」を紹介、円錐状の山道をジャンプしたりして、障害を避けて登っていくゲームで関心を引いた。同社はまた、プレイヤーが指定されたポーズをしていく「マネキンチャレンジ」でも注目された。他には、セガ社のガンゲーム「トランスフォーマーズ・シャドウズ・ライジング」、台湾IGS/コミューズのカーレース「スピードライダーズ3」、アドレナリン・アミューズメンツ社のガンゲーム「トゥームレイダー・アーケード」、ロウスリルズ社のアクションゲーム「TMNT」(タートル新作)、チームプレイ社のボウリングゲーム「ファミリーガイ・ボウリング」などが紹介された。

 .警察庁・保安課は3月8日付けで、17年中の風俗事犯の取り締まり状況と風俗営業の現状を発表、遊技機使用の賭博班は49件(前年は78件)、387人(442人)を検挙した。暴力団構成員が関与した件数や、押収した賭金、台数については触れなかった。事例として、①カジノ賭博店に設けたバカラ台で賭博をさせた経営者らを、賭博場開帳図利容疑で検挙(大阪府警)、②店内にパチスロを設置してと客相手に賭博をした経営者らを検挙(警視庁)、③インターネットカジノ店にパソコンを設置、「ライブバカラ」などの賭博をさせた経営者らを常習賭博で検挙(和歌山県警)した3例を挙げた。風営法に基づく営業許可の必要な「ゲームセンター等」営業の12月末の営業所数は、専業店が2,602店(2,675店)、兼業店が1,779店(1,867店)の計4,381店(4,542店)、遊技設備は354,463台(362,099台)で、減少傾向が続いている。

 .全日本アミューズメント施設営業者協会連合会(AOU)は3月31日付けで解散、4月1日付けで日本アミューズメントマシン協会(JAMMA)に合併され、4月1日に発足する日本アミューズメント産業協会(JAIA)の「施設営業事業部門」としてこれまでの事業を継続することにした。このため3月5日にAOU臨時総会、理事会を開催して決めた。同時に鈴木剛夫常勤理事と河野敬一事務局長の退任、元警察官僚の柴田健氏の専務理事選任も決めた。AOUは「ゲームセンター等」を新たに風俗営業とした84年の風営法改正に対応して、都道府県のオペレーター協会の連合会を目指して85年10月に発足、90年に社団法人(後に一般社団法人)になったが、最後は「協会連合会」ではなく、一般オペレーター協会になった。「AOUニュース」のネット発行などは継続するとのこと。

 .マカオのカジノ運営大手の銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンタテインメント)は3月23日、米国ウィンリゾーツ社の株式の5%を9億2千7百5万ドル(約970億円)で、創業者のスティーブ・ウィン氏から買い取ると発表した(発行済み株式の取得に続き、新株の割当増資も引き受けたが詳細は省略する)。スティーブ・ウィン氏は2月9日現在で同社の11.8%の株式を所有、元妻のエレイン・ウィン氏が9.4%所有していたが、セクハラ疑惑によりウィン氏は2月6日に会長兼CEOを退任しており、両者はその持ち株をいずれ手放すと見られている。ウィンリゾーツ社はラスベガスの高級カジノのほか、マカオでもカジノを展開しているが、銀河娯楽集団はマカオだけではなく、米国でのカジノ展開に乗り出すことにより、国際的なカジノ市場の再編に臨む構えだ。

 .イオンファンタジーは3月22日、中国責任者の藤原信幸取締役が5月の株主総会を経て、次期社長に昇格すると発表した。片岡尚現社長は退任する。新社長となる藤原信幸氏は04年5月に入社、08年イオンファンタジー北京(現イオンファンタジー中国)副総経理、12年同総経理、15年中国事業責任者、17年5月から取締役。49歳。また同社は23日、通期(18年2月期)業績予想を大幅に上方修正した。修正後の売上高は721億円(2月に発表した前回予想では700億円)、経常利益55億9千万円(45億5千万円)、当期利益29億8千万円(21億5千万円)。第3・四半期以降も国内では、プライズ部門やメダルゲーム部門が好調で、中国・アセアン事業も順調に進んだためとしている。

 .イオンファンタジーとグリーは3月14日、日本と中国にあるゲーム場「モーリーファンタジー」300店(日本200店と中国100店)で、子ども向けVRゲーム2機種の運営を開始したと発表した。一般的に、VRゲーム機は「13歳未満の子どもが利用できない」という自主規制があるため子どもには使えないが、子どもでも使用できるよう、目の負担を軽減するヘッドマウンテッドディスプレイ(HMD)を、単眼HMD「VRメット」として開発した。2機種は①襲ってくる恐竜を撃破する1人用「VRぶっとび!バズーカ」と、ブロックファクトリーで巨大ブロックのおもちゃを組み立てる1-2人用「VRどっかん!ブロック」で、1回1人200円。対象年齢は3歳以上。今夏には③「VRびっくり!スライダー」を追加する予定。

 .大阪府吹田市にある大型複合施設「エキスポシティ」に、ナムコが今春開業するとしてきた、スポーツを仮想体験できる「VSパーク」の具体的な計画が3月14日発表された。「ポケモンエキスポジム」跡の屋内フロア約2,600㎡には、超短距離走を楽しむ猛獣逃げ切りアクティビティ「ニゲキル」(体験時間約2分間)、時間内に謎を解かないと巨大風船が爆発する「パニックキューブ」(10分間)、エキサイティングな「サイバーボッチャ」(同)など、全部で37種の「ヤバすぎスポーツ」が取り揃えられ、4月7日にオープンする。平日1時から21時まで、土日祝日9時から。利用料2時間2,700円、学生(中学―大学生)2,160円など。ナムコはバンダイナムコエンターテインメント統合、4月からバンダイナムコアミューズメントになる。

 


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2018